三菱自動車がヨーロッパで新型車凍結の衝撃


三菱自動車は、欧州や英国に新型車を出さない、つまり、新型車を凍結すると発表した。
先日の取締役会に続いて、この日本の自動車メーカーは、「既存モデルの販売は継続される」が、「欧州市場への新モデルの導入を凍結することを決議した」と述べた。
また、アフターサービスは「三菱製品の使用を好む顧客のために」継続されると付け加えた。
三菱は、1943年に設立された国内生産拠点「パジェロ製作所」を来年前半に閉鎖することも確認されており、生産拠点は岡崎に移転する。
この非常に重要な役員会議では、「Small but Beautiful(小さくても美しい)」と名付けられた新しい3カ年計画が詳細に説明された。これは、三菱の固定費を20%削減し、「地域戦略と技術」と呼ばれるものに努力を集中させることを目的としている。つまり、地域とは、市場シェアを11.4%以上に拡大したい東南アジアであり、技術面ではPHEV, HEV, 4WDが含まれている。
また、「第二の柱としてアフリカ、オセアニア、南米での事業展開」も盛り込まれている。三菱の加藤隆夫最高経営責任者(CEO)はこう語る。「全方位展開から選択と集中に戦略を転換する。まずは構造改革を完了させ、競争力のある分野をさらに強化し、最終的には中期的に確実に利益を出せる企業体質を構築していく」と述べている。
このことが、イギリス国内で販売されている現行の三菱にとってどのような意味を持つのか、そしてそれらが他車に置き換えられるのかどうかは、まだ見えていない。三菱自動車の英国事業部がトップギアに語った。「コルト・カー・カンパニー(英国における三菱車の販売を担う、同国の総販売代理店)は、三菱自動車が英国を含む欧州向けの新型車の開発と導入を凍結したことを知った。今後も既存の三菱車の販売を継続し、サービス、修理、保証、リコール、部品、アクセサリーなどの面でカスタマーサポートを全面的に提供していく。詳細が分かり次第、最新情報をお届けする」
20%以上のコストカットの部分は、15%ほどが人件費を見込んでいる。再配置、新卒採用の抑制、早期希望退職制度や、報酬の見直しなど、なかなか厳しそうな内容だ。地域戦略の中には、当然ながら日本国内の、不採算店舗の統廃合などのディーラー強化による販売面、そして、岡崎製作所への生産移管による、76%から83%への稼働率の向上を目指す生産面も含まれている。今回のコロナ禍も、三菱自動車のスリム化を後押しすることになったと思われる。三菱自動車だけでなく、会社に頼り切りでは、なかなか生き残っていくのが難しい時代になっていると感じる。

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