最近話題沸騰中のフォード マスタング マッハE 1400は、確かにクルマだ。だが、従来の固定概念で見ると、全く違ったキャラクターのパフォーマンスカーである。7つの電気モーター、高性能バッテリー、油圧式ハンドブレーキ、時速160mph(257km/h)での1,000kgのダウンフォース、そして素晴らしくクリーンな1,400hpといったように、あなたが期待するものがすべて揃っていると言ってもいいだろう。
そしてまた、フォード マスタング マッハE 1400は、確かにクルマではない。特にケン ブロックの手にかかればなおさら。上の動画を見ていただければわかると思うけれど、フォード マスタング マッハE 1400は、地元のタイヤサプライヤーにもダメージを与えてしまうほどの実力を持っているのだ。
だがもちろん、マッハE 1400はこのドリフトという目的のために設計されたものであり、今後10年間タイヤ会社のビジネスを維持するために設計されたものではない。「これは野獣だ」と最新のビデオでも宣言されているほどのクルマだ。だが、これまでに聞いたことのない、獣のような音を出すのだ。7つのモーターが、ポップアイドルの最悪のパフォーマーを聴いて拷問を受けた精霊の大群のように、うなり声を上げている。そこに流れるのはX-ファイルのテーマ曲…。
脳がスロットルに「調整」できなかったことを認めながらも、世界最高のポーカーフェイスを保ちながら、大男はベストを尽くしてタイヤに火をつけていく。