限定19台のシアン・ロードスターに見るランボルギーニのハイブリッド戦略


ランボルギーニは、ハイブリッド・スーパースポーツカー、「ランボルギーニ・シアン・ ロードスター」を発表した。ガソリンと EVを合わせてランボルギーニ史上最大の819hpを出力し、ランボルギーニ ファミリー史上最小のパワーウェイトレシオにより、2.0hp/ hp、0-100km/h加速2.9秒以内、最高速度350km/h以上だという。
だが、限定19台のシアン ロードスターはすでに完売。…ということで、以上。解散。
だが、ちょっと待て。このシアン・ロードスターには、ランボルギーニの将来を見据えたハイブリッド戦略がぎっしりとつまっているのだ。むしろ、そこがポイントである。それに、どうしても欲しい人は、数ヶ月後に出てくるであろうオークションを探せば良いのだから。
アウトモビリ・ランボルギーニ Chairman and Chief Executive Officer のステファノ・ ドメニカリは次のようにコメントした。
「シアン・ロードスターにはランボルギーニの DNA が詰まっています。息をのむデザインと高度な 性能のみならず、未来のテクノロジーも体現しています。シアンの革新的なハイブリッド・ パワートレインは、ランボルギーニのスーパースポーツカーの将来的な方向性を先導し、オープントップの シアン・ロードスターは、EV 化を求める時代に合って、究極のライフスタイルを追求したいという
ランボルギーニの思いを改めて主張しています」
シアン・ロードスターは、Centro Stile と Ad Personam が連携し、各オーナーの好みに合わせた カラーとカスタムで完全にカスタマイズされている。今回発表された シアン・ロードスターは、 ランボルギーニの Centro Stile が特別に選んだ ブルーウラヌスというカラーだ。
ホイールはランボルギーニが EV 化をイメージする Oro Electrum(エレクトリックゴールド)。
ボディカラーに合わせたインテリアは、ホワイトに施された Blu Glauco(ブルーグローコ)のディテールと、 Oro Electrum(エレクトリックゴールド)のアルミ製エアベントの組み合わせとなっている。
ランボルギーニ・シアン・ロードスターは、上から見ると、初代カウンタックの特徴的なペリスコープを彷彿させるラインが、コックピットからリアへと斜めに走り、ドライバーと助手席の後方のエアストリーマーに達する。長い曲線的なラインと特徴的なエアロウイングがシアンの輪郭に揺るぎない力強さを与え、カーボンファイバーのスピリッターが一体となった低いフロントは、ランボルギーニのアイコニックなY字型ヘッドライトを備えている。
シアンから受け継いだピュアなデザインは、最適化された空力効率と優れた技術力を表している。空気はフロントスプリッターからフロントボンネットへ、サイド・エア・インテークやアウトレットを通り、リアスポイラーの上へと流れ、ルーフレスデザインによる空力効率のロスはない。リアのアクティブ・クーリング・ベーンは、ランボルギーニが自動車特許取得済みマテリアル・サイエンス技術を活用したもので、スマートマテリアルがエグゾースト・システムの熱に反応することでベーンが作動し、軽量冷却ソリューションを実現している。
大胆で力強いリアには、カウンタックに着想を得た 6 個のテールライトを含め、ランボルギーニらしい六角形のデザインが随所に織り込まれている。輪郭の一部を成すリアウィングは走行時にのみ浮き上がり、 更なるパフォーマンスの強化につながっている。
低く力強いシャシーに収められているのは、次世代 V12 エンジン。ボローニャ地方の方言で「稲妻の 閃光」を意味する「シアン」という名前は、シアン・ロードスターが、自然吸気エンジンを搭載したランボルギーニ・スーパースポーツカーの、格別なエモーションとダイナミックなパフォーマンスを 受け継ぎながらも、将来的なハイブリッド戦略の一つとして EV 化を果たしていることを表している。
シアン・ロードスターのハイブリッド・システムは、V12 エンジンと新しいパワートレインにより、 軽量のソリューションで最大限の出力を生み出す。ギアボックスに組み込まれた出力 34hp の 48V、 e モーターが、迅速なレスポンスとパフォーマンスの強化を実現するほか、バックやパーキングなどの 低速操作も電力でサポートする。
シアン・ロードスターにはランボルギーニの革新的なスーパーキャパシタ技術も採用されている。
リチウムイオンバッテリーの 1 0 倍の容量を誇る世界初の技術で、コックピットとエンジンの間のバルクヘッドに位置し、完璧な重量配分を実現しています。スーパーキャパシタと e モーターから成る電気システムはわずか 34 ㎏で、同重量のバッテリーを使用するものに比べ出力は 3 倍でありながら、重量は同出力のバッテリーの 3 分の 1 で、1.0kg/hp のパワーウェイトレシオを実現した。
左右対称な電力の流れにより、チャージとディスチャージ のサイクルで同じ効率性が保証され、 最軽量かつ効率性の高いハイブリッド・ソリューションとなっている。
この先進テクノロジーと共に採用されているのが、チタン製インテークバルブを 組み込み、出力が 785hp/8,500rpm に進化した V12 エンジン。ハイブリッド・システムからの 34hp と合わせ、 シアン・ロードスターの最大出力は 819hpに達し、最高速度は 350km/h を超えている。
シアン・ロードスターには、ランボルギーニが特別に開発した極めて高度な回生ブレーキシステムも 採用されている。通常のリチウムイオンバッテリーとは異なり、対称的に同じ電力のチャージとディスチャージが可能なスーパーキャパシタの動作によりブレーキをかけるたびに充電し、貯蔵されたエネルギーはすぐに出力増大に利用可能。こうして、e モーターが自動的に切れる130km/hまで加速した際、トルク増大を利用でき、さらに滑らかな動きと、このシステムを装備していない車両に 比べて 10%以上の速度向上を実現している。
この革新的な仕組みにより、ローギアでも、V12 エンジンとハイブリッド・システムの組み合わせによる トラクション向上で瞬時の加速が可能となり、0100km/h までは 2.9 秒以下で加速。3 速での トラクションが 10%向上するなど、滑らかな動きも今まで以上にはっきりと感じることができる。
ランボルギーニ・シアン・ロードスターは、ハイブリッド・システムと連携するダイナミックな ハンドリングとパフォーマンスで、ドライビングエモーションの快適性も向上している。従来の内燃エンジンでのギアチェンジでは減速するとトルク低下を感じる瞬間があったが、ハイブリッドの e モーターが 実現するトルク・アップ・シフト・フィルにより低減される。加速で体が後ろに引っ張られるのを感じるのみで、快適なドライビングを体感できる。

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