日本国内で販売する新型車GRヤリスの全ラインアップが発表された。既にWeb予約の受付を開始したGRヤリスは、現在、日本と欧州で約6,000台の先行予約があるという。日本国内では「RZ」に加え、研ぎ澄まされた走りを気軽に楽しめる「RS」、競技ベース用の「RC」を設定し、2020年9月頃の発売を予定している。
ああ、よかった、楽しみ…めでたしめでたし、じゃない。上のギャラリーにある、とても筋肉質なヤリスは、RSのプロトタイプで、四輪駆動じゃなく、世界で最もパワフルなインタークーラーターボ付き3気筒エンジンも搭載していない。272psもないヤツだ。このスペックじゃ、トヨタ GR ヤリス RSのRSとは”Really Slow(マジ、遅っせえ)”の略だろう、とトップギアでは皮肉っている。
トヨタがやったことは、GRヤリスのボディシェルを取り払い、1.6リッターターボエンジンを取り外し、自然吸気の1.5リッターエンジンに置き換えたこと。このエンジンは「ダイナミックフォース」と名付けられているが、それはちょっと大げさだと思う。だって、120psと145Nmしか発生させないのだから。
FFで、6MT(iMT)のオプションはない。その代わりに、パドルで操作できる、10速シーケンシャルシフトマチックを備えたDirect Shift-CVTがついている。ただ、良いこともある。四輪駆動なしのこのバージョンの重量は1,130kgで、GR ヤリスよりもなんと150kgも軽い。
つまり、軽量なボディシェルにカーボンファイバー製のルーフとホイールアーチを備え、ラリーにインスパイアされているが、ホンダ フィットのパフォーマンスには劣るということだろう。このモデルは2020年の最も奇妙なハッチバックになるに違いない。
価格についてはまだ何も語られていないが、このクルマの本国の日本に住んでいない限り、あまり心配する必要はない。トヨタ GR ヤリス RSは日本限定商品だから。そのうち、英国にはフルファットのAWDバージョンがやってくるのでご安心を。