シチズン「エコ・ドライブ」50周年記念!過剰な航空要塞スカイホークと70年代クラシックカーの魂を宿すツノクロノ限定モデル登場

太陽光で動き続けるシチズンの「エコ・ドライブ」が誕生50周年を迎えた。プロマスターから登場した限定モデルは、アビオニクスを満載した金の要塞「スカイホーク」と、1976年のクラシックカーを着想源に機械式のクリック感を再現した「ツノクロノ」という強烈な2本。実用性の極致にあるソーラー時計が到達した、過剰で愛すべき機能美に迫る。


太陽さえあれば永久に動く道具に、なぜ我々はこれほど無駄な情熱を注いでしまうのか?

世の中には2種類の計器が存在する。ひとつは、スイスの山奥で白衣を着た職人がピンセットで息を止めながら組み立て、数年ごとに高額なオーバーホール費用を要求してくる繊細極まりない芸術品。そしてもうひとつが、砂漠の真ん中に放り出されようが、灼熱のボンネットの上に放置されようが、ただ太陽の光さえ浴びていれば冷酷なまでに正確な時を刻み続ける道具だ。

シチズンが「エコ・ドライブ」と呼ばれる光発電技術を世界で初めて腕時計に組み込んでから、ちょうど半世紀が経った。1976年といえば、自動車界では初代フォルクスワーゲン ゴルフのGTIがアウトバーンを席巻し始め、ロータスがエスプリのウェッジシェイプで未来を気取っていた時代である。当時の人々が「電池交換のいらない時計」と聞いて思い浮かべたのは、おそらくSF映画の小道具だったに違いない。

だが、あれから50年。シチズンはこの技術を極限まで研ぎ澄まし、世界中の過酷な現場へと送り込んできた。今回、光発電50周年の節目を祝うために登場したのは、シチズンのタフネス部門『プロマスター』からの2つの刺客、「スカイホーク」と「ツノクロノ」の限定モデルだ。

この2本のアプローチは、まるで同じガレージから生み出されたとは思えないほどに対照的である。片や最新のアビオニクスをこれでもかと詰め込んだ電子の要塞、片や1970年代のオイルとガソリンの匂いを色濃く残すクラシックなドライバーズウォッチなのだから。

金ピカの要塞:スカイホークの過剰なまでの機能美

まずは、空の覇者を気取る「プロマスター エコ・ドライブ 50周年限定モデル SKYHAWK(JY8144-50E)」を見てみよう。

腕に乗せた瞬間、誰もがその圧倒的な質量感に息を呑むはずだ。ケース径45.7mm、厚さ13.8mmという堂々たる体躯は、華奢な手首などまるで相手にしていない。ケースとブレスレットには、日の出の光をイメージしたというライトゴールドカラーのメッキが施され、ジェットブラックの文字板と強烈なコントラストを放っている。この佇まいをクルマに例えるなら、最新のレーダー装置や通信アンテナをルーフ満載にし、砂漠のハイウェイを時速200kmで駆け抜けるフルサイズのピックアップトラックといったところか。控えめという言葉は、この時計の辞書には載っていない。

文字板にはアナログ針と2つの液晶ディスプレイが所狭しと並び、航空計算尺を備えた回転ベゼルが外周を取り囲む。心臓部に収まるムーブメント「Cal.U680」は、日中米欧の世界4エリアからの標準電波を受信し、43のタイムゾーンを瞬時に切り替え、1/100秒単位で24時間までタイムを計測できる。

正直に言おう。現代において、ベゼルの回転計算尺を使って燃料消費率や飛行速度を暗算するパイロットがどれほどいるだろうか? スマートフォンの画面をタップすれば一瞬で終わる作業を、あえて手首の小さな目盛りを回して割り出す。この徹底したアナログ的ロマンと、フル充電で最長約3.5年動き続ける(パワーセーブ作動時)というハイテクの融合こそが、スカイホークの真骨頂なのだ。世界限定5,200本、価格は148,500円。この機能の過密ぶりを考えれば、バーゲンセールと呼んでも差し支えない。

1976年の残光:ツノクロノが宿す機械式への憧憬

一方、もうひとつの記念碑である「プロマスター エコ・ドライブ 50周年限定モデル TSUNO CHRONO(AV0104-06W)」は、全く異なる文脈で我々を挑発してくる。

モチーフとなっているのは、世界初のアナログ光発電時計が誕生した1976年当時のクラシックカーだ。流麗な曲線を描く44.5mmのステンレスケースの上部(12時側)には、クロノグラフのプッシュボタンが2本、角のように突き出ている。これこそが「ツノクロノ」の愛称で親しまれてきたシチズンの伝統的アイコンだ。

リューズをケースサイドではなく上部に配するこのブルヘッドスタイルは、かつてラリーのコ・ドライバーやレーシングドライバーが、ステアリングを握ったまま親指と人差し指で確実にストップウォッチを操作できるように考案された純然たるモータースポーツ直系のレイアウトである。手袋をしたままでも押しやすいこのボタン配置を眺めているだけで、キャブレターの吸気音と排気ガスの熱気が蘇ってくるようだ。

文字板には、往年の英国製スポーツカーを彷彿とさせる深いダークグリーンが選ばれ、ゴールドのベゼルと温かみのあるブラウンレザーストラップが組み合わされている。まるでウッドとコノリーレザーで仕立てられたヴィンテージGTのコックピットに滑り込んだかのような、落ち着いた色気がある。

だが、このツノクロノ最大の狂気は、外見のノスタルジーではなく内部の構造にある。搭載されているムーブメント「Cal.E210」は、光発電クオーツでありながら、クロノグラフの針を瞬時にゼロ位置へ戻す「瞬間帰零方式」をわざわざ機械的構造(カムやレバー)によって再現しているのだ。通常のクオーツクロノグラフのように針がスイープしながら戻るのではなく、リセットボタンを押した瞬間に「カチッ」とゼロへと弾け飛ぶ。電気の力で動きながら、感触は完全に機械式スポーツウォッチのそれなのだ。

わざわざ電子回路の外側にメカニカルなパーツを組み込み、かつてのストップウォッチの操作感を再現する。この無駄とも言える偏執的なこだわりこそ、効率至上主義に毒された現代の工業製品が忘れてしまった何かではないだろうか。ケース厚は球面サファイアガラスを含めて15.3mmとかなりグラマラスだが、このメカニズムを収めるためなら喜んで手首のスペースを差し出そう。こちらは世界限定5,000本で、価格は187,000円となっている。

どちらの未来(あるいは過去)を腕に巻くか

どちらのモデルも、文字板の一部に再生素材を採用するなど現代的な配慮を怠っていないが、漂う空気感は全くの別物だ。

テクノロジーの塊を手首に巻き、あらゆる情報とタイムゾーンを制覇したいならスカイホークだ。ゴールドのボディは決して万人向けではないが、周囲に媚びない道具としての説得力に満ちている。

一方で、週末のワインディングを愛車のクラシックカーで流し、機械式クロノグラフの小気味よいクリック感をクオーツの手軽さで味わいたいなら、ツノクロノ以外の選択肢は見当たらない。

半世紀前に生まれた光発電というアイデアは、いまや当たり前の技術となった。だが、それを祝うためにシチズンが仕立てた2台のマシンは、決して懐古趣味の置き物でも、退屈な実用品でもない。無駄なほどに機能的で、無駄なほどに情熱的だ。発売は2026年9月10日。さて、あなたのガレージ(あるいは時計ケース)には、どちらを迎え入れるスペースが残されているだろうか?

【商品スペック詳細】

シチズン プロマスター / エコ・ドライブ50周年限定モデル SKYHAWK(スカイホーク)
商品番号:JY8144-50E
希望小売価格:148,500円(税抜135,000円)
限定数量:世界限定5,200本
発売日:2026年9月10日
ケース/バンド:ステンレス(めっき/ジェットブラック色・ライトゴールド色)
ガラス:サファイアガラス(無反射コーティング)
ケース径/厚み:45.7mm/13.8mm(設計値)
主な機能:Cal.U680、月差±15秒(非受信時)、光発電エコ・ドライブ(フル充電時約3.5年可動/パワーセーブ作動時)、日中欧米電波受信、ワールドタイム(43時差)、1/100秒クロノグラフ(24時間計)、20気圧防水、回転ベゼル(航空計算尺)

シチズン プロマスター / エコ・ドライブ50周年限定モデル TSUNO CHRONO(ツノクロノ)
商品番号:AV0104-06W
希望小売価格:187,000円(税抜170,000円)
限定数量:世界限定5,000本
発売日:2026年9月10日
ケース/バンド:ステンレス(一部めっき/イエローゴールド色)/牛革
ガラス:球面サファイアガラス
ケース径/厚み:44.5mm/15.3mm(設計値)
主な機能:Cal.E210、月差±15秒、光発電エコ・ドライブ(フル充電時約8ヶ月可動)、1/5秒クロノグラフ(12時間計、瞬間帰零方式)、20気圧防水

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