名門BMWチューナー「ACシュニッツァー」が2026年末で終了へ。長年愛されたドイツの老舗が下した苦渋の決断

BMWチューニング界のアイコンとして君臨してきたACシュニッツァーが、2026年末をもってその歴史に幕を下ろす。1987年の創業以来、レース活動や世界記録の樹立で世界中のファンを熱狂させてきた老舗チューナーだが、近年は厳しい市場環境や原材料費の高騰、さらには「極めて長いドイツの部品承認プロセス」といった障壁に直面していた。内燃機関の終焉と「走るコンピュータ」化した現代の車作りに対し、老舗がたどり着いた結論とは。ACSの終わりと、チューニング文化が直面している冷徹な現実について綴る。


BMWチューナーのACシュニッツァー(AC Schnitzer)が、BMWのチューニング事業を間もなく終了すると発表した。1987年にE32型7シリーズの改造から始まった物語が、2026年をもって幕を閉じることになる。

同社は、アフターパーツの設計、開発、製造におけるコスト上昇が「競争上の不利益」を生んでいると説明している。特に「ドイツのシステムにおける極めて長い部品承認プロセス」が、長年続いてきたこのチューナーを「ドイツ国外の競合他社よりもどんどん遅れさせる」原因になったと指摘した。

ACSのマネージングディレクターであるライナー・フォーゲルは、「他社より8〜9か月も遅れて市場にパーツを投入せざるを得ない状況では、結果は火を見るより明らかです」と語った。

フォーゲルは、ACSが他のチューナーと同様に、「我々のブランドでスポーティなドライビングを楽しむという感覚を、若い世代の顧客に父親の世代と同じ熱量で吹き込むことに成功しなかった」とも指摘している。

またACSは、顧客行動の変化、国際的な市場環境の悪化(関税、原材料費の高騰、不安定な為替レート——要するに2020年以降、世界中が火の車状態であること)、そして「内燃機関(エンジン)の段階的な廃止」が、チューニング会社を運営することを非常に困難にしていると述べた。

「これほど感情的で熱狂的なビジネスセグメントについて、理性的で冷徹な判断を下すのは容易ではありません」とフォーゲルは付け加えた。「しかし、家族経営の企業として、我々は常にコール・グループ(Kohl Group)全体の安定した未来を考えています」

ACシュニッツァーは、もちろん1987年にヴィリー・コールとヘルベルト・シュニッツァーによって、アーヘン(ACの由来)にてコール・オートモビル有限会社の子会社として設立された。単にBMWをチューニングするだけでなく、ツーリングカーやラリーカーレースにも参戦し、改造したE63型M6やLPG駆動の335iで世界記録を樹立。さらにはミニ、レンジローバー、さらにはGRスープラにまでチューニングの幅を広げてきた。

「コール・グループは現在、ACシュニッツァーブランドの買収に関心を持つ企業と協議中です」と同社は述べている。「しかし、その交渉の結果に関わらず、既存の在庫は今年末までにすべて処分(売り尽くし)される予定です」

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=海外の反応=
「聞くのも見るのも辛いね…。私や友人たちは20代から30代前半にかけてみんな自分の車をチューニングしたものだが、それも30〜40年前のことだ(年齢がバレるな)。今の子供たちはそんなことはしないし、その大きな理由は最近の車が『走るコンピュータ』になってしまったからだろう。ACSはアイコンだったよ…。昔、車をユニークにする楽しみを教えてくれてありがとう。🙏」
「彼らは私のお気に入りの一つだった…センスが良かったからね。彼らのパーツが装着されていた車たちと同じように、寂しくなるよ」
「うわあ。青天の霹靂だ。安らかに眠れ、元祖(OG)ACS」

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