ついにアウディのRSワゴンも電動化の波に飲み込まれた。新型RS5アバントはV6ツインターボにPHEVシステムを組み合わせ、639馬力という怪力を手に入れたが、その代償として車重は衝撃の2.3トン超え。BMW M3ツーリングを迎え撃つ、この「重量級」モンスターの詳細と、ファンの賛否両論をお伝えする。
アウディのRSモデルは常に何かしらに対して怒っているような顔をしてきた。だから、この新型RS5が、突然体重が増えすぎたことに腹を立てているのか、不器用な凡人の相手をしなきゃならないことに苛立っているのか、あるいは動力の一部が電気になったことに不満なのか、見分けるのは難しい。
そう、皆さん、ついにその時が来たのだ。アウディスポーツはRSモデルに初めてプラグインハイブリッドシステムを搭載し、その結果、最高に不機嫌な639馬力(630bhp)のパフォーマンスワゴンが誕生した。気をつけろ、BMW M3ツーリング。元祖「高速エステート」が、とてつもない喧嘩を売りに戻ってきたぞ。
ああ、もちろん、新型RS5はセダン(サルーン)としても注文できる。そして、速くて小さい(っぽい)アウディのセダンやエステートが「RS4」と呼ばれていた時代に育った我々(※1)にとって、この名前(RS5)は依然として意味不明だが、まあいいだろう。630馬力というのは、マーティ・マクフライなら「ヘビー(深刻だ/イカすね)」と言うだろう数字だ。
もちろん、冒頭で触れたように、実際にとてつもなく「ヘビー(重い)」でもある。アウディによれば、セダンは2,355kg、ワゴンは2,370kgだという。先代(1,790kg)と比べて大幅な増加であり、あの厄介なM3(1,865kg)よりもかなり豚のように太っている。その巨体を動かすには強力なエンジンが必要だが、幸いなことにそれがある。
2.9リッターV6ツインターボ・ガソリンエンジンの「改良版」であり、それ単体でも510 PS(503bhp)を発揮できるようになった。合理的で正気な宇宙ならそれで十分だろう。だが我々はそこに住んでおらず、ここに住んでいる。だから、その狂った合計出力と狂った重量を埋め合わせるために、山ほどのハイブリッド技術が投入されたのだ。
130kWの電気モーターがV6だけでなく、トランク床下に搭載された25.9kWhのバッテリー、400Vシステム、以前より速くなったと言われる8速ティプトロニック・ギアボックス(重い回転部品の抵抗低減のおかげ)、リミテッドスリップ・センターデフ、そしてもちろんクワトロAWDと組み合わされている。
アウディによれば、0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は285km/h(スポーツパック装着時)、電気のみの航続距離は最大84km(市街地なら87km)だという。実際、EVモード時には――RSなのに!――アウディはモーターが「RS5がRSモデルらしく感じられることを保証する」と考えている。
2つのRS専用モード――「RSスポーツ」または「RSトルクリア」――のいずれかに入っているとき、バッテリーは90%の充電状態(SOC)に保たれ、全開走行のために20℃までアクティブに冷却される。
RS5のモードについて詳しく話す前に、そのテクノロジーについてもっと話す必要がある。なぜなら、あなたが(もちろんサーキットや閉鎖された道路で)好きな方向に向かい続けられるように設計された技術が山ほどあるからだ。
ハイブリッドRSという点に続くもう一つの「初」は、リアアクスルの電気機械式トルクベクタリングだ。これはわずか15ミリ秒で「後輪間のトルクを迅速かつ正確に配分」する。どうやってそれを実現しているか説明するための専門用語は山ほどあるが、手短に言えば、大体「魔術」と「ダークマジック」だ。
結論として、これは最大の加速、コーナーの出入りでの安定性向上、そしてより困難な地形での走破性を確保するためにある。これを助けるのが次世代のセンターデフで、アウディによれば常にプリロードがかかっており、「つまり常に少なくとも部分的にロックされている」状態で、RS5の豊富なトルクを前後アクスルに配分する。
これによりアンダーステアが減少し、車の精度が向上し、アクセルのオンオフ間でより速くホイールにパワーが伝達されるという。ここにあるテーマを感じ取っただろうか?
その他の微調整には、新しいジョイント、リンク、ブッシュを備えた5リンク式フロントサスペンションの再設計、リアの「白紙からの」設計が含まれる。ショックアブソーバーはツインバルブ式で、ステアリングはフィードバック向上のために調整され、巨大なブレーキ――フロント420mm、リア400mm――があり、10秒間最大パワーを発揮する「ブースト」モードさえある。

ふう。まだあるぞ。選択可能なモードは多数ある(いつものやつだ)が、興味深いのは「制御されたドリフト」のためにリアバイアスを最大化する「RSトルクリア」設定と、スピードと敏捷性のために構築された「RSスポーツ」だ。
見た目についてはそれぞれの意見があるだろうが、TopGear.comの目には……かなり残忍(ブルータル)に映る。通常のA5と比べて前後とも片側4センチも幅広になっており、ここで「ジムに通い詰めた」とか「パイを食いまくった」とかの例え話を挿入してもいい。アウディのシングルフレームグリルとサイドベントはかつてないほど幅広く、怒っているように見え、さらに多くのベント、義務的なフレアアーチ、ディフューザー、フィン、特別なエキゾースト……冒頭で言ったように、こいつは「怒っている」。
インテリアに驚きはない。リフレッシュされたA5と同じだが、よりRSっぽくなっている。つまり、多くのOLEDスクリーン、特別に構成されたバーチャルコクピット、HUD(ヘッドアップディスプレイ)のオプション、スポーツシート、派手な素材の選択、そして運転入力とラップタイムを分析できる「ドライビングエクスペリエンス」と呼ばれるものがある。これを使うのは自己責任で頼む。
「内燃エンジンと電力の洗練された技術的な相互作用は、アウディにおいてパフォーマンスと効率を新しい方法で融合させます」とビッグボスのゲルノート・デルナーは述べた。「お客様は最高のスポーティさと日常の快適さの両方を体験できます」
かなりの現金を持っているお客様なら、の話だが。英国での価格はまだ発表されていないが、ドイツではセダンが10万6200ユーロ(約1750万円)、アバント(ワゴン)が10万7850ユーロ(約1780万円)で発売される予定だ。
【補足・注釈】
※1 名前が意味不明: アウディは最近ネーミングルールを変更し、偶数をEV、奇数をエンジン車(ハイブリッド含む)に割り当てている。そのため、これまで「A4/RS4」だったエンジン搭載のDセグメントモデルが「A5/RS5」へと名称変更された。長年のファンには違和感がある。
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=海外の反応=
「2.3トンなら、俺はフルEVを選んで、恐ろしい燃料代と修理代を回避するよ。フィール・ダンケ(どうもありがとう)」
「見た目は本当に、本当に良い。でも、俺は1〜2年落ちのポルシェ タイカン スポーツツーリスモを5万〜6万ユーロで買うよ、どうもありがとう。見た目も同じくらい良いし、走りは驚異的だし、トランクもおそらくもっと広い。アウディがどうやってRS5のトランクをルノー クリオ並み(360L)にまで小さくできたのか理解できない」
「何世代にもわたる『多ければ多いほど良い』の後で、ドイツのブランドは『多すぎる』ことを認識すべき時が来た。スタイリング、パフォーマンス、重量、技術、すべてにおいてだ。『前と同じだけど、もっと多く』というこの執拗なアプローチは、次にどこへ向かうべきかというアイデア(自信?)の欠如を示唆している」
↑「完全に同意。『ジュラシック・パーク』が頭に浮かぶよ。『できるからといって、常にそうすべきとは限らない』ってね」
「2.3トン? はあ?
最初はM5、次はC63 AMG...
これは我々に小さなセダンを諦めさせ、彼らの豚みたいに太ったSUVに乗らせようとするドイツ人の秘密の陰謀なのか?」
↑「あるいは、排出ガス規制によってハイブリッドシステムを組み込まざるを得なくなり、この重量増になったのかもな」
↑「フリート(企業平均)の排出ガス規制が一つ。もう一つは、こういう車を買える市場では、もしピュアICE(内燃機関)やただのハイブリッドだったら、天井知らずの税金を課されることになるからだ」
↑「10万ポンドのアウディを買える人なら、ICEのみの税金くらい払えるだろ。M3ツーリングがどれだけ走り回ってるか見てみろよ」
↑「10万ポンド? おめでたいな。オランダじゃ10万ポンド(約1900万円)で買えるのはGRヤリスだぞ」
↑「あのさ、オランダ以外のすべての国が国民に地獄のような課税をしてるわけじゃないんだよ。英国も酷いがそこまでじゃない。ヤリスに10万ユーロなんて馬鹿げてる、くしゃみ税でも取ったほうがマシだ。あと、俺が『£(ポンド)』記号を書いたのを見逃したか?」
↑「フランスならこの10万7000ユーロのアウディは、マルス税(ペナルティ税)込みで18万ユーロ(約3000万円)になるだろうね。ハイブリッドシステムを外せば重量が1.8トン以下になると仮定して、排出ガスで7万ユーロ、重量税で2000ユーロ追加だ。
ハイブリッドを追加することで、この懲罰的な税金がなくなるんだよ」
「よくやったアウディ。『イチモツ・ぶらぶら・エディション(Willy Wavering Edition)』は最高に見えるよ(イチモツを振り回すのが好きな奴にとってはな)。
今のドイツはどうなってるんだ? レーダーに映らないような控えめなスーパーサルーン/エステートを作る実力はどこへ行った? 初代M5の真髄はそこにあったはずだ。フェンダーを膨らませたりスポイラーを付けたりすることじゃなくてな。
俺はパスだ」
「見た目は本当に素敵だ。ハイブリッドなしで500kg軽くしてくれないか、頼むよ? 要するに『RS5 アバント RS』だ」
「コミカルなほど巨大化したように見える。引き締まってキレてるんじゃなくて、腕にシンソール(筋肉増強オイル)を注射してデカく見せてる奴みたいだ。最近のRSファンには大ウケだろうな。
夜の住宅街で反社会的な騒音が聞こえるようになるのも時間の問題だ。
ああ、いいアイデアがある。GPSロックをかけて、市街地ではエキゾーストをパフォーマンスモードとかいう馬鹿げた設定に切り替えられないようにするんだ。明らかに我々は『見られるだけでは不十分で、聞かれなければならない』世界に住んでいるようだからな。そうでなきゃアウディがあんな巨大なラッパ(マフラー)を後ろに付けるわけがない。あの中にベルリーナー(ドーナツ)一袋詰め込んでも、まだクネッケブレート(乾パン)を入れるスペースがあるぞ」
↑「カスタムエキゾーストにでもしない限り、バルブを開けようが閉めようが大して聞こえないよ。現代の車のパティキュレートフィルター(GPF)が音をマスクする仕事をしてるからな」
「悪いけど、どのアングルから見ても馬鹿みたいだ」
「フロント=悪い(実際のパネルがほぼゼロで、手抜きに見える)
リア=まあまあ(このライトバーの流行は終わらせるべき)」
「美人じゃないが、BMWの提供するものよりは間違いなくマシだ。そう、全部よりな!
もっとも、あの(デザインの)ハードルは低すぎて、悪名高いフィアット ムルティプラでもクリアできるかもしれないが」
↑「ああ、でもM3より600kgも重いんだぞ」
↑「どっちが良い車か言ったつもりはないよ、単に見た目の話だ」
↑「M3より見た目を良くするのは難しくないが、M3の見た目はその重量アドバンテージのために我慢できるかもしれない」
「エキゾーストはコミカルなほど大きく、配置も少し奇妙だが、全体としてM5やM3よりは見栄えが良い。M5のように太りすぎに見えることなく、筋肉質でパンプアップされたプロポーションを持っているし、M3のような疑問符のつくフロントグリルデザインもない。
リアから見ると、セダンはエキゾーストの配置やプロポーションが少しアルファロメオ ジュリア GTAmに似ているが、それは良いことだと言える。しかし、ハイブリッドシステムのせいで旧型RS5やM3より600kg近く重いM5同様、魅力は薄れる……。M3の見た目は許せるかもしれない、なぜなら600kg軽く、アウディが100馬力上回っていてもパワーウェイトレシオはおそらくかなり似ているからだ」
「ちょっと落ち着いて考えよう。600kgだ。もう一度書くぞ。600kg。ケータハム1台分だ。あるいはオリジナルの(正統な)ミニ1台分だ。
余分な、とはいえ小型車1台分の重量を常に運んでいる車を運転するなんて、全く意味がない。
世界は狂ってる。たぶん『タンゴマン(トランプ前大統領の揶揄)』のせいだ。他は全部そうだからな。あるいはエプスタ……おっと、やめておこう」
「残念ながらM5と同じ道を辿ってしまったな。M3のアプローチの何がいけないんだ?
あと、黒いホイールは品がない」
「BMW M5と同じで、どうやってハイブリッドをフルEVと同じくらい重くできたのか理解に苦しむよ。S6 アバント e-tronはこの車の4倍のサイズのバッテリーを積んでいて、車体全体も大きいのに、わずか40kgしか重くないんだぞ」
「醜い」
「素敵だけど、リアのデザインは俺にはやりすぎだ」
「最高(Fab)。アバントを緑で頼むよ。ああ、豚みたいに重いのは知ってるけど、気にしないね」





