ブガッティ ヴェイロンやVW フェートンだけではない。フォルクスワーゲンが正気と採算を失っていた時代には、こんなSUVも存在した。
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フェルディナント ピエヒ*時代のフォルクスワーゲングループの、「作れ、さもなくばクビだ」的な、過剰なエンジニアリングを、最もよく表しているクルマは、どれだろうか? おそらくは、987馬力、時速253マイル(407km)のブガッティ ヴェイロンだろう。そして、リッター111kmを誇るVW XL1。あるいは、メルセデスのSクラスを打ち負かそうと試みた、壮絶に不成功に終わったフェートン**か。ビジネスケースがゼロの、自己満足な巨大プロジェクトのリストは、実に愉快だ。そして、そのまさしく中に、V10ターボディーゼルを積んだ、一台のフォルクスワーゲン トゥアレグがいる…。
*フェルディナント・ピエヒ(Ferdinand Piëch): フォルクスワーゲン・グループを長年率いた、伝説的な経営者であり、エンジニア。ポルシェ創業者フェルディナント・ポルシェの孫にあたる。彼のリーダーシップの下、VWは世界的な巨大企業へと成長したが、同時に、採算度外視で、技術の粋を尽くした、ブガッティ・ヴェイロンやVWフェートンのような、過剰とも言えるクルマを数多く生み出したことでも知られる。
**フェートン(Phaeton): 2002年に発売された、VWブランドの最高級サルーン。メルセデス・ベンツSクラスやBMW 7シリーズに対抗するために開発されたが、商業的には大失敗に終わった。しかし、その圧倒的な作り込みと品質は、ピエヒの哲学を象徴するクルマとして語り継がれている。
アウディ(後に、親会社を上回るV12搭載のQ7 TDIを送り出した)とは異なり、VWには、宣伝すべきディーゼルのモータースポーツ活動はなかった。ガソリンのW12は、すでに製品リストにあった。しかし、製品計画のどこかの誰かが、ディーゼルをがぶ飲みするフラッグシップエンジンにも、十分な需要があるだろうと、考え出したのだ。
その結果生まれたエンジンは、308馬力と750Nmをデリバリーした。ディーゼルとしては記録破りの数字だが、トゥアレグの車重は2.6トンを超えてしまった。チューンナップの余地はあり、それは2007年のトゥアレグR50で、 duly(当然のごとく)やってきた。345馬力と850Nmまでブーストアップされたそれは、公道のために考案された中で、単一で最もトルクフルなV10である。
現在、英国で登録されているのが、わずか41台であるという事実が、それを所有することが、どんなことかを物語っている。オーナーたちは、リッター10km前後の燃費と、怪物的な牽引能力(VWが、このクルマの新車時に、ボーイング 747を引っ張るスタントを仕掛けたのは有名だ)を報告している。しかし、これほど広大なパワープラントを、「普通のクルマ」のエンジンベイに詰め込むということは、エンジンを載せたまま作業するのが、電話ボックスの中でキングサイズのベッドを組み立てようとするようなものだ、ということを意味する。
それでも、ピエヒの“愚行”のどれ一つとして、維持費が安いものはない。それらは、ランドマークとなるクルマなのだ。そして、トゥアレグを世界初のモダンなスーパーSUVへと変えた功績により、R50のV10は、記念されるに値する。
それは、今とは違う時代だったのだ…。
フォルクスワーゲン トゥアレグ R50
新車時価格(2008年): £61,885(1,230万円)
現在の価格: £3,500(70万円)
エンジン: 4,921cc V10ツインターボ、345bhp @ 3,500rpm、627lb ft(850Nm)@ 2,000rpm
トランスミッション: 6速AT、AWD
パフォーマンス: 0-100km/h 4.9秒、最高速 235km/h
重量: 2,620kg
アルファ ロメオ 33 ストラダーレ/ランド ノリス✕R32 東京ナイトドライブ/R35日本取材:トップギア・ジャパン 068
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=海外の反応=
「史上最もクールなSUV」
「それでも、BMW M5、別名「ボート」よりは、軽い」
「大昔、これが市場に出たばかりの頃、一台の後部座席に座ったことがある。これが「単なる」VWだとは、信じられなかった。本気で、父のために一台買おうかと思った。だが、狂気が私を襲い、私は彼に、馬鹿げた日産を買ってしまった…」
「ファンタスティック」