【トップギア試乗】ベントレー ベンテイガ S:クルーでの最もスポーティなSUV

26,900,000円

このベンテイガ Sのテイストは?
ベントレー ベンテイガ Sは、最もスポーティなベンテイガだが、最も速いわけってわけじゃない。その栄誉は12気筒のスピードに譲られたが、英国ではもうスピードの選択肢はないのだ。ってことで、最高速290km/h、2,690万円のSには、まだまだ自慢できる数々の権利が標準装備されているのだ。

スペックシートはどうなっているの?
ベンテイガ Sは、アウディ RS6などVWグループの高速マシンでおなじみの4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、最高出力550ps、最大トルク770Nmを発揮して、0-100km/hは4.5秒、最高速度290km/hを達成する。この数値がベースとなるV8と変わらないことは、スペックオタの方ならお気づきだろう…。

実際にS仕様にするとどうなるの?
サスペンションは独自の硬めのチューニングが施され、エレクトロニックスタビリティコントロールの特性が向上し、まったく新しいスポーツエグゾーストシステムが搭載されている。それに、W12エンジンを搭載した旧型スピードのようなアクラポビッチ製ではなく、自社製なのだ。

電子制御式アンチロールコントロールが標準装備され、ベンテイガをコーナーでフラットに保ってくれる。ドライブモードダイヤルを「Bentley」デフォルトから「Sport」に切り替えると、ダンピングが15%強化され、ステアリングがシャープになり、ESCの足かせが少し緩む。ブレーキベースのトルクベクタリングシステムも、新しいチューニングが施されている。つまり、ハンドリングパックを搭載したベントレーのSUVなのだ。

このどれもが、高級SUVにふさわしいものなのだろうか?
ベントレー側では確かにそう考えている。「ベンテイガのダイナミックなパフォーマンスを路上で楽しむお客様が非常に多いんです」と断言していたので、カイエン ターボ、レンジローバー SVR、ランボルギーニ ウルスに対抗できるように研ぎ澄まされた1台が誕生したのだ。

どうやって見分ければいい?
22インチのマッシブなホイールは、とても魅力的なデザインだ。フロントとバックのライトにはダークティントが施され、ミラー、シル、ランプの周囲にはグロスブラックのディテールが多く見られる。ウルスに匹敵するような強烈なビジュアルでありながら、主張のあるデザインに仕上がっている。ベントレーのバイヤーには、クロームを使わず、Sが身に着けているようなブラックパックを選ぶ人が増えているようだ。

走りは?
その答えは、「本当によく走る」だ。ベンテイガは、SUVの世界では快適さと洗練性の模範とされる存在で、ここでもそれは変わらない。実際のベッドフォードシャーの道路よりも、はるかに滑らかな道に感じることは確かだ。しかし、Sが最初に感じるのは、やはり大きなベントレーであるということだ。

ダイヤルをSportに合わせると、ビールを2杯半飲んだ後(まったくのしらふじゃない、って意味ね)ビリヤードをするのと同じような感覚になる。信頼度はピークに達し、すべてが少しばかり自在になる。

ベンテイガは初めて、言い訳をすることなく、最もダイナミックな性能を持つオフロードカーの中で生きることができるようになったのだ。そのダイナミックな微調整は細部にまで及んでいる。ここが少し硬くなった、あそこが少し警戒するようになった、といろいろ細かいところはあるが、しかし最終的には真のエンターテイナーとなるのだ。2.4トンという重さを、微塵も感じさせない。ワインディングロードで人為的に縮ませる四輪操舵などはないけど、それでもハンドリングは実に堂々としている。

どうしてそんなことができるんだろう?
明確なステアリングと張りのあるボディコントロールは大いに歓迎すべきものだ。しかし、少なくともマリブの丘陵地帯を短時間で駆け抜けたとき、特に魅力的だったのはESCの新たな寛容さの方だろう。無意味だって?そうかもしれない。不適切かって?ああ、間違いなく。しかし、ESCはコーナーでSに具体的な感覚をもたらし、後輪がわずかにオーバードライブしてクルマをコーナーに押し込むことを可能にするのだ。この機能をオフにすれば、チェシャー州ではきっとオーバーステアになるだろう。

同じように子供っぽいのが、スポーツエキゾーストから発せられる「ブーン」「ポーン」「バン」という音。5分間は楽しいが、それ以降は、もう少し注目を浴びずにそぞろ歩きたいものだ。ベンテイガSに2,700万円近い大金を投じた人には、反対する権利があるし、おそらくそうしたくなるだろう。

SUVの'S(スポーツ)'を整理したわけだ。'U(ユーティリティ)'の方は、ふくらませたのだろうか?
それは少しもない。より硬くなった乗り心地(巨大なホイール)についての最終的な判断は、このベンテイガ Sがバンプの多いイギリスの道路に降り立ったときのために取っておくことにする。しかし、それ以外は、どんなに後ろめたくても、このゲームで最高のSUVのひとつであるベンテイガにとっては、いつも通りのことなのだ。4人乗り、5人乗り、7人乗りのレイアウトが選べ、豊富なオフロードモードも標準装備(雪、砂利、砂はほんの一握りの路面に対応するアルゴリズムが搭載されている)。

また、車内も他のベンテイガシリーズに劣らず素敵に仕上がっている。コンチネンタル GTの回転式プリズムメディアスクリーンは装着できず、インジケーターストークは純粋なアウディ製(他のモデルは特注品)、ダイヤルはフライングスパーのような派手さはないなど、SUVの難点はいくつか残されている。ベンテイガは2020年に大規模なフェイスリフトを行ったが、今では快適にベントレーの最古参のモデルとなった。ブロワー コンティニュエーションを除けば、だと思うけど。しかし、ベントレーで高い着座位置を要求する人たちは、そうすることが、ブランドのサルーンやクーペと比較して、ほんのわずかな贅沢の輝きを失うことを、おそらく気にしないだろう。

ベントレーはオール電化を目指すはずじゃなかったの?
2030年までには、そうなる。最近、フライングスパーのハイブリッド車がベントレーの2番目のプラグインモデルとして発売され、2024年にはコンチネンタル GTがこれに加わる予定だ。その2年後には、クルーから出荷されるすべての新型ベントレーが電動化される予定になっている。ベンテイガ Sは、そのどれにも当てはまらないというのが正直なところだ - そのため、あなたは完全に尻込みしてしまうかもしれない。しかし、もしそう考えなければ、あなたはおそらく高級パフォーマンスSUVの頂点を味わうことになるのだ。

リースナブル

スコア:8/10点

=海外の反応=
「私たち平民の中には、超高級車に使える26,900,000円を持ち合わせていない人たちがいることをお忘れなく - 特に仕事を引退した平民にはね」
「リヤハッチのデザインからくるパネルの隙間や、滑稽なほど小さいテールランプが気になる」
「ベンテイガが不細工に見えるなんて、本音では思ってないんだ」
「前のベンテイガより格好いい」
「避けるべき人を知りたくない?このクルマを持ってれば、それが簡単にわかる」
「標準的なベンテイガで十分かな。より集中力の必要なウルスは、コーナーでのカービングをよりうまくこなせるだろう」
「アウディQの隣に1台(Sではない)停まっているのを見たが、おそらく価格差は1,200-1,500万円くらいあるから、宝くじがあたってもこのクルマに使うかどうか…」
「このような場合、シート調整の方法を記者に説明する必要がある」
「もちろん、これは決して見栄えがいいとまでは言えないが、黒い縁取りがまたこれを安っぽく見せているな」
「Sはスピードモデルが買えないことの安い言い訳だ。スピードモデルにはリベラーチェのような特別な内装が付くのに対して、こちらは中身をFタイプに見立てているようで、見た目がかなり悪くなっている。私にとっては、G63とコンチネンタル スピードにW12を搭載するのがベストだと思う」

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