米国での最量販トラック、フォード F-150 ライトニングが520kmの航続距離で電動化

電気自動車については、「ティッピングポイント(転換点)」という言葉がよく聞かれる。これは、電気自動車がごく普通の身近な存在になり、それが当たり前になる瞬間のことだ。アメリカで最も売れているトラックが電気自動車になったことは、決まり文句の瓶に小銭を入れて、再びそれを口にするのに最適なタイミングだと思われる。フォード F-150が電気自動車になることができるなら、何でも電動化できるはず。

このF-150ライトニングは、90年代後半のV8スペシャルから名前を借りているのだが、その考え方は20年と少し後のものだ。デュアルモーターが四輪駆動に接続され、最高出力は563bhp、1,050Nmを発揮する。これにより、F-150の中でも最もトルクフルなモデルとなり、フォードによれば「スタートダッシュがものすごく速い」ピックアップになっている。

しかし、より重要なのは、最大航続距離(仕様によって230-300マイル/370-520km)、積載量(900キロ)、牽引力(4.5トン)などの数値だ。そして、EVライフはF-150に新しいものをもたらしてくれた。それは、かなり巨大なパワード・フランクに、フロントにさらに多くの収納物(容量400リットル、積載量180キロ)を置くけることだ。

「パワード」というのは、ライトニングのバッテリーパワーを使ってどこかに移動できるだけでなく、4つのソケットを使って仕事道具に電気を供給できるからだ。また、暴風雨で電力供給が停止した場合には、ライトニングを自宅の電源に接続することもできる。

このF-150には、トラックに関連する通常の技術も満載されている。承認された道路ではハンズフリーでの自動運転を可能にするCo-Pilot 360がある。また、最大積載量にどれだけ近づいているかを知ることができる体重計も搭載されている。また、ヒッチアシストシステムは、バックやトレーラーへの誘導をサポートしている。さらに、4x4ドライブトレインの性能を最大限に引き出すための豊富なオフロードモードも備えている。

「フォードとアメリカの自動車業界にとって、F-150ライトニングは、ゼロ・エミッションとデジタル・コネクテッド・フューチャーに向けて前進する決定的な瞬間を象徴しています」とビル フォードは言う。「Fシリーズは、44年間にわたってアメリカで最も売れているトラックであり、国中の仕事のバックボーンであり、何世代にもわたって顧客に信頼されているアイコンです。そして今、私たちは新世代のためにFシリーズに革命を起こそうとしています」と述べている。

フォードが何よりも先に、マスタング、トランジット、F-150のバッジから、主流のEVを作ったのは偶然ではない。「フォードは、最も人気があり、最も愛されているフランチャイズのゼロ・エミッション・バージョンから始めています。今後数年間で、さらに多くのものが登場します」 と言われている。

生産は2022年にデトロイトの新工場で「持続可能な手法」を用いて開始される。F-150ライトニングの価格は39,974ドル(435万円)で、100ドル(1万円)のデポジットを支払えばオンラインで予約できる。

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=海外の反応=
「フランクのデザインはとてもよくて、旅行用のバッグ以外にも使えそう。でも、ピックアップとしてはもう少し航続距離を稼ぐべきだったと思う」
「ここにきて、テスラを少し馬鹿にしているような気がする。テスラが自律走行、準耐衝撃ガラス、「機械を作る機械」などに注力し、さまざまな成功を収めているのに対し、フォードはどこからともなくやってきて、彼らの伝統的な強みである画期的なEVでリードしていこうとしている。F150ライトニングは予想よりもはるかに安く、ストレージの容量は驚くべきもので、重要な機能である双方向充電を完全に整理した最初のメーカーになんじゃないだろうか。これは自分にとって非常に重要な機能だ。充電速度がもっと速いといいのだが、僕にとっては驚くほど魅力的なパッケージの中で、その点が唯一の弱点のように思えてくる」
「双方向充電の障害となっているのは、キアのEV間の「チャージシェアリング」などではなく、送電網そのものだ。まず、停電の原因を突き止めるためには、何が生きていて何が生きていないのかを100%確認する必要があります。また、電気自動車のオーナーは、自分の家ではなく町の半分に電力を供給することを望まないだろう。フォードがこれを推進しているのは素晴らしいことだが、そのためには家の配線を変えたり、協力的な電力供給者が必要になるだろう」

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