髪の毛1本の200分の1の緻密さに迫る、ベントレーの計量学

今回は、ベントレーの細かーーーーーいお話。部下に指示を出すときに「バーン!ってやつ、一つ頼むよ」みたいな、大ざっぱ(っていうか、何言ってるかよくわかんない)なタイプのひとには向かない話しなので、ご注意を。静寂に包まれた研究室や図書館なんかが好きな人にはぴったりのストーリーだ。
ベントレーのクルー工場の中央奥深くには、大きくて風通しがよく、空調が完備されたワークショップ(作業場)がある。政府のロックダウンがなくても、ビジターがこの場所を目にすることはない。ここには、宇宙機関の施設や大学の科学研究室で見られるような精密機器が所狭しと並んでおり、ここで計測担当責任者のマイケル ストックデールと25人の同僚が、ベントレーの様々な部位を、最高水準の精度で計測しているのだ。
計量学は計測を科学する学問であり、ベントレーのすべての車両の品質、性能、耐用年数を保証するには、各部品が一貫して正確な寸法で製造されていなければならない。ストックデールと同僚たちは、最も小さなワッシャーからボディ・パネル、インテリア・トリムに至るまで、ベントレーが製造する各モデルのすべての部品を計測し、規定されている厳しい公差から逸脱した部品がないようにしている。「当社には、レザーのしわからシリンダー・ボアの表面に至るまで、すべてをミクロン単位で計測できるツールがあります」ストックデールはこのように解説している。
部品を一つ一つ計測した後、仮組みしてまた計測し、さらに完成車の一部としてもう一度計測する。このように、計測チームはほぼ完璧に近い再現性を確保する上で重要な役割を果たしている。

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