真のラグジュアリーは決して声高に主張しない。英国の名門ベントレーが、著名なクリエイターであるグシュタード ガイとタッグを組み、究極の移動空間「ベンテイガ EWB シャレー エディション」を発表した。スイスの高級山荘に着想を得た温もりと、マリナーの極まる職人技が融合した、真の目利きに捧ぐ一台に迫る。
自動車を愛し、その奥底に流れる哲学や高度なエンジニアリングに魅了される我々トップギアの読者にとって、「ラグジュアリー」という言葉の定義は年齢とともに変化してきたはずだ。若い頃は、目を引く派手なエアロパーツや、周囲を威嚇するようなエキゾーストノートに心を奪われたかもしれない。しかし、人生の荒波を越え、真に上質なものに触れてきた今の我々が求めるのは、見せびらかすための記号ではない。作り手の息遣いが感じられる素材、一切の妥協を排した緻密な設計、そして、内に秘めた圧倒的なパフォーマンスをひけらかさない「静かなる自信」である。英国のクルーに本拠を置くベントレー、とりわけそのビスポーク部門である「マリナー」は、そうした成熟した大人の欲求を誰よりも深く理解している存在だ。彼らが今回、我々の前に提示したのは、単なる高級SUVの枠をはるかに超えた、極めて知的なアプローチの結晶である。
2026年5月13日(現地英国時間)、ベントレーモーターズは特別仕様車「ベンテイガ EWB シャレー エディション」を発表した。この一台は、ベントレーのビスポーク部門マリナーと、世界的なソーシャルメディアパーソナリティである「グシュタード ガイ」との類まれなるコラボレーションによって誕生したモデルである。超富裕層のライフスタイルを時に風刺的に、しかし驚くほどの洞察力で描き出す彼は、ユーモアの裏側に、卓越した体験や控えめなラグジュアリーに対する深い敬意を抱いている。そんな本質を知り尽くした彼が、自身の美意識を反映した限定コレクションをベントレーとともに手掛けるのは、今回が初めての試みとなる。「究極のアルパインラグジュアリー」をテーマに掲げたこの車は、まさにスイスの高級山岳リゾートを思わせる世界観を体現した、“究極の移動するシャレー”としてのビジョンを見事に具現化している。
ベース車両として選ばれたのは、すでに最高峰の快適性を誇る「ベンテイガ EWB アズール」だ。ウェルビーイングを重視したこの長大な室内空間には、シャレー(アルプス地方の高級山荘)の温もりから着想を得た、繭のように包み込まれるインテリアが構築されている。車内に足を踏み入れると、ドライバーと乗員双方の疲労を軽減するために緻密に設計された4座のコンフォートシートと、後席の居住性を極限まで高めるリアセンターコンソールが出迎える。そこにあしらわれるのは、上質なサドルレザーと控えめなツイードのディテール、そして精緻なダイヤモンドキルト加工である。さらに、木本来の風合いを生かした「リキッドアンバー」オープンポアウッドヴェニアが組み合わされ、冷たい機械ではなく、まるで暖炉のある山荘にいるかのような温かみを生み出している。過度な装飾を避ける代わりに、「ファイヤーグロー」と呼ばれるアクセントカラーが空間に絶妙な奥行きを与えている点も心憎い。サドルカラーに染められたスピーカーグリルの奥には、最高峰の「Naim for Bentley」オーディオシステムがシームレスに潜んでいる。
細部へのこだわりも、決して声高ではない。シートインサートやフェイシアパネルには、グシュタード ガイのエンブレムや専用のシャレーグラフィックがレーザーエッチングや控えめなバッジとして静かにあしらわれている。また、スイスの伝統や家族の価値観を象徴するものとして、彼のお気に入りであるアルパインフラワーのモチーフが、ヘッドレストやクッションに赤とグリーンで美しく刺繍されている。ドアを開ければ、専用アニメーション付きのウェルカムランプが足元を照らし、まるで我が家に帰ってきたかのような安堵感を与えてくれるのだ。
この深遠なる哲学は、当然ながらエクステリアにも貫かれている。ボディカラーには、グシュタード ガイのために特別に調合された専用色「ライト チューダー グレー」が採用された。驚くべきことに、この塗装は約60時間もの途方もない時間をかけ、職人の手作業によって丹念に仕上げられている。さらに、ブロンズ仕上げのスタイリング スペシフィケーションと、ロワートリムに施された「ファイヤーグロー」のピンストライプが、全体の落ち着いた佇まいを崩すことなく、確かな存在感を放っている。フロントフェンダーの専用バッジやトレッドプレートも、この車が特別な出自を持つことを静かに物語る。さらに冬のアルプスを満喫するオーナーに向けて、スキーリゾートでの使用を想定したサドルレザー製の専用ブーツプロテクターも用意されるという徹底ぶりだ。
グシュタード ガイは、自身の理想とする人物像について「あらゆる体験において“最高の中の最高”を求める人物」と語り、「マリナーによるベンテイガは、そんな人物にとって最高の選択肢であり、まさに唯一無二の存在だった」と述懐している。ベントレーマリナー限定で展開されるこの「ベンテイガ EWB シャレー エディション」は 、我々に一つの真理を教えてくれる。マリナーのリードデザイナー、ヒューゴ R チズレットが「本物のラグジュアリーは声高に主張しなくても認識されるという静かな自信が込められている」と表現した通りだ。見栄や虚飾を削ぎ落とし、クラフツマンシップと素材の真価に没入する。これこそが、本質を知る大人のための、究極の自動車選びの一つの到達点ではないだろうか。
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