ポルシェが放った最強EV、タイカン ターボ GTにマンタイ・レーシングの魔法がかけられた。ニュルブルクリンクで記録された6分55秒533というタイムは、従来モデルを12秒も更新し、中国のライバル、シャオミ SU7 ウルトラから「最速エグゼクティブカー」の座を奪い返すものだ。圧倒的なダウンフォースと最適化されたシステム。これはもはや家電の域を超えた、真のトラックツールである。
ポルシェは、その「決して本物のターボではない」タイカン ターボ GTに、マンタイ レーシング製の素敵なパフォーマンスパーツ一式をボルトで固定し、ニュルブルクリンクという名の親しみやすい小さな場所へと放り込んだ。
このちょっとした冒険の結果、6分55.533秒というタイムが叩き出された。これはポルシェが前回タイカン ターボ GT(その時はヴァイザッハ パッケージのみを装着)で遠征した際のタイムを、丸々12秒も上回るものだ。単に少し速くなったというレベルではない。文字通り「1週間分」くらい速くなっている。また、市販仕様のシャオミ SU7 ウルトラよりも9秒速く、ポルシェは「最速の電気自動車エグゼクティブカー」の称号を奪還したことになる。
*注釈:ニュルブルクリンク(Nürburgring)
ドイツにある世界一過酷なサーキット。通称「グリーン・ヘル(緑の地獄)」。ここで速いことは、スポーツカーとしての最高のステータスとなる。
:シャオミ SU7 ウルトラ(Xiaomi SU7 Ultra)
中国のスマホメーカー、シャオミが開発した超高性能EV。ポルシェを標的にしており、ニュルでの記録争いを繰り広げている。
では、ヴァイザッハ パッケージですでに武装済みのタイカン ターボ GTに、マンタイ・キットは何を加えるのだろうか。それは「包括的な空力アップデート」である。大型化されたエンドプレートを持つ新しいリアウィング、改良されたフロントディフューザー、フィンが延長された高性能リアディフューザー、そしてアンダーボディの大型エアディフレクターが含まれる。
その結果、ダウンフォースは標準車と比較して3倍に達した。200km/h(124mph)走行時には、わずか930Nm(95kg)だったものが3,040Nm(310kg)という相当な数値まで上昇する。最高速の310km/h(193mph)では、7,250Nm(740kg)ものダウンフォースを発生させる。数日分、いやおそらく数週間分は路面に張り付いていられるだろう。
*注釈:マンタイ(Manthey Racing)
ポルシェが株式の過半数を所有するレーシングチーム。ニュル24時間レースでの多大な実績があり、彼らが手がけるロードカー用キットは「公道を走れるレーシングカー」への変身を意味する。
しかし、それだけではない。今回はマンタイが「電気」の部分にも手を加えている。バッテリー、コントロールユニット、パルスインバーターがすべて「最適化」され、最高出力は815ps(805bhp)を発生するようになった。最大トルクもわずかに向上している。さらに、10秒間のオーバーブーストが得られる「アタックモード」も備わっている。
視覚的には、標準車よりも軽量な新しい21インチホイール、大型化されたブレーキ、そして多くの露出したカーボンファイバー製パーツが目を引く。そう、この美味しいアップグレードの数々は、あなたのヴァイザッハ仕様の「ターボではない」ターボ GTにも装着可能だ。そうすれば、今回のタイムを叩き出した凄腕ドライバー、ラース ケルンと同じ気分を味わえるだろう。
「マンタイ キットは、ヴァイザッハ パッケージを装着したタイカン ターボ GTを究極のトラックツールへと変貌させます」とケルンは語った。
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=海外の反応=
「通常のヴァイザッハ・パックが885ps(アタックモードで1,050ps)なのに、815psに『最適化』されたって? 何か計算が合わない気がするんだが」
「究極のトラックツール? 最高速で走っている時ですら、ラディカル SR8が停止している時と同じくらいのダウンフォースしか出てないじゃないか」
*注釈:ラディカル SR8(Radical SR8)
公道走行可能なレーシングカーのような超軽量スポーツカー。圧倒的なダウンフォースを誇ることで知られる。
「結局のところ、電気自動車なんだから誰が気にするっていうんだ?
私はかつて自分の古いM3で、隣にサビーネを座らせてニュルを走ったことがある。彼女はいつものように大笑いしていたよ。自分の911のリアに『私はシューミ(シューマッハ)のためにしかブレーキを踏まない』なんてステッカーを貼っていた彼女だ。昨日はマンタイの991.2 RSでオールトンパークを走り、アパッチ攻撃ヘリを操縦していた友人のスティーブに教官として接しながら、あの特別なサウンドを聴いて過ごした。最高の1日だったよ。
そんな私が、白物家電みたいなマシンでそこを回ることに興味を持つと思うか? 答えはノーだ。かつて一緒に働いていたポルシェセンターでマーク ウェバーと話した時、彼も似たような見解を持っていたが、言葉選びは非常に慎重だった。賢い男だよ。彼は一度も『EVが好きだ』とは言わなかった。
ポルシェも分かっているはずだが、一つの時代が終わりつつある。
魂のある車を買いなよ。速くなくてもいいんだ。私は今、914の1.7リッターを探しているところだ」
*注釈:サビーネ(Sabine Schmitz)
「ニュルの女王」と称された伝説の女性レーシングドライバー。
:マーク ウェバー(Mark Webber)
元F1ドライバーで、ポルシェのブランドアンバサダーを務める。
:914
1970年代にポルシェとフォルクスワーゲンが共同開発したミッドシップスポーツカー。





