EVのゲームチェンジャー「全固体電池」。トヨタはJMS 2025で、その市販化が2028年までに「予定通り」進んでいることを明らかにした。寿命は4倍、航続距離も大幅に向上するという夢のバッテリーは、一体どのモデルに初搭載されるのか。開発責任者の言葉から、その戦略と未来を読み解く。
電気自動車は重すぎるし、バッテリーはスペースを食うし、充電には時間がかかりすぎる。しかし、もし我々が、より軽く、より小さく、より速く充電できるセルを手にしたらどうだろうか? それは…すべてを解決するだろう。
だからこそ、自動車業界は全固体電池(SSB/現在主流のリチウムイオン電池が液体(ゲル状)の電解質を使うのに対し、電解質を固体にした次世代の電池。小型・高容量化が可能で、充電時間も短縮でき、安全性も高いとされるEVのゲームチェンジャー)にこれほど興奮しているのだ。トップギアの簡単なSSB解説はここで読めるが、本質的には、厄介なゲル状の代わりに固体の電解質を使用することで、よりコンパクトで、電力密度の高いバッテリーが得られ、しかもパンクしても爆発しにくい。大当たりじゃないか!
これまでのところ、手頃な価格で、かつ大量生産の規模で、この技術を完成させた者は誰もいない。しかしトヨタは、2028年までにSSBを搭載したクルマを発売すると、大胆にも公言したのだ。早ければ2027年になる可能性もある。
いずれにせよ、トヨタでおそらく最も長い肩書を持つ男によれば、すべては「予定通り」に進んでいるという。彼の名は、カーボンニュートラル先行開発センター長、海田 啓司氏だ。
ジャパンモビリティショー(そこではトヨタが、化石燃料、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、そして完全EVによる推進を想定して設計されたカローラ コンセプトカーを展示した)で語ったところによると、貝田氏は、SSBが「高出力、コンパクト、長航続距離、そして長寿命」を主眼に置くと述べた。
SSBは、依然としてリチウム系の化学反応を利用すると予想されている。環境への影響について尋ねられると、貝田氏は認めた。「もちろん、我々はバッテリーのカーボンフットプリントを削減しようと努力しています。(何が)最も重要かというと、長寿命で高品質なバッテリーを作ることです」
「従来のバッテリーと比較して」と彼は付け加えた。「SSBの寿命は4倍長くなる可能性があります。ですから、生産時のカーボンフットプリントは、相対的に(リチウムイオンバッテリーの)4分の1になり、SSBにはその可能性があると考えています」
では、一体どんなクルマが、その魔法の弾丸のようなバッテリーを最初に手に入れるのだろうか? おそらく、あらゆる新興技術がそうであるように、高価になるだろう。そうなると、スポーツ コンセプトやエレクトリファイド スポーツ コンセプトのようなレクサスのモデル――どちらも伝説的なV10、LFAの潜在的な後継車だ――が示唆される。あるいは、SSBは新しい超高級ブランド、センチュリーでデビューするのだろうか?
「その品質を活かせるモデルである必要があります。高出力、コンパクト、長航続距離、そして長寿命です」と、海田氏は繰り返した。「それは、皆様のご想像にお任せします」
トヨタが逆の戦術を取り、投資を回収する最速の方法は、可能な限り多くの量産車にSSBを詰め込むことだと決断する可能性もある。もし、より効率的で、より小さく、より強力なバッテリーが、次世代のカローラ、プリウス、そしてRAV4に搭載されれば、それはトヨタに、ファミリーカーや社用車といったマスマーケットの世界で、ライバルたちが航続距離やパッケージングの利点に追いつこうと躍起になる中、強大なアドバンテージを与えるだろう。
しかし、まず、トヨタは実際にSSBを具現化しなければならない。そして、彼らは一人ではない。
メルセデスは公道でSSBを搭載したEQSサルーンのテストに懸命に取り組んでおり、リマックはこの分野に多額の投資をしていることで知られている。この手の話は、地味でセクシーさに欠けるように聞こえるが、スイスのアルフレッド ビュッヒ(20世紀初頭に、排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに空気を強制的に送り込む「ターボチャージャー」を発明した、スイスのエンジニア。彼の発明は、その後の内燃機関の歴史を大きく変えた)という名の紳士がターボチャージャーを発明して以来、最大の推進力における軍拡競争になろうとしているのだ…
400号記念:UK400マイルロードトリップ/フェラーリ F80/フェラーリハイパーカー:トップギア・ジャパン 069
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