【JMS 2025】トヨタ:なぜカローラは“プリウス化”するのか? 新型コンセプトが示すトヨタの生存戦略

世界販売台数No.1の座に安住せず、トヨタが次の一手を打った。JMS 2025で公開された新型カローラ コンセプトは、クロスオーバーやEVの猛攻に対抗するための、デザインとパワートレイン戦略の革命だ。プリウス以上に過激な内外装と、EVからエンジンまで対応する驚異の柔軟性。その狙いとは?


トヨタ カローラは、居酒屋のクイズ(Pub quiz: 英国ではパブでクイズ大会が開かれるのが一般的で、この記事はその文化に根差した言い回しを使っている。「誰もが知っている常識」といったニュアンス)にうってつけの質問への答えである。「世界で最も人気のあるクルマは何か?」と。

なぜなら、VW ビートルはより長く販売され、フォード モデルTはより速く売れ、そしてテスラ モデルY(とRAV4)は販売台数チャートのトップからそれを蹴落としたものの、カローラは販売における驚異的な現象だからだ。これまでに5,000万台以上が製造されている。

そして、それには非常に正当な理由がある。退屈だからだ。クルマ業界のハムサンド(英国流の皮肉。どこにでもあり、無難で、栄養はあるが、決してエキサイティングではないものの例え)。健康的で、消化しやすく、そして完全に忘れ去られる。

トヨタは世界で年間1,000万台の車両を販売し、カローラは巨大な金のなる木であるが、同社はそれが決して君が「欲しい」と思うクルマではなかったことを知っている。君がそれを買うのは、実用的で当たり障りがなく、そして決して壊れないからだ。

しかし、もしカローラが、最新のプリウスとステルスジェットを掛け合わせたような、エッジの効いた流線型の見た目だったらどうだろう? もし、完全に再創造されたミニマリストな内装を持っていたら? それはカローラをクールにするだろうか?

新しいトヨタ カローラ コンセプトが、ここに問いかけるのは、まさにそれだ。これは賭けである。クロスオーバー、EV、格安の中国の新興勢力、そして格下の市場に殴り込みをかけるプレミアムブランドによって四方八方から攻撃される中、トヨタがそのベストセラーファミリーカーを次にどこへ導くのかを示す、過激な路線変更なのだ。

「ピクセル」LEDは、我々にヒョンデのアイオニックシリーズを思い起こさせる。ラップアラウンド型のリアライトバーとダーク化されたルーフには、ルシッド エアのヒントがある。室内には、おもちゃのカローラの形をした菱形のギアセレクターがあり、操作系はステアリングホイールの近くのポッドにマウントされているため、我々が知るような「ダッシュボード」さえない。ウーバーとして使うには、あまりに内装が良すぎる。

過激で勇敢な未来を約束する、エッジの効いたコンセプトカーを鼻で笑うのは簡単だが、どうやらこれは真剣に受け止めるべきもののようだ。トヨタは我々にこう語る。「動力源が何であれ、トヨタのビジョンは、誰もが所有し、運転したくなるような、格好良いクルマを作ることです」。

では、その動力源とは何なのか? 多くの新しい規制、排出ガス目標、そしてEVを巡る神経質な動きがある中で、カローラはどのようにして万人のための何かを提供できるのだろうか?

「技術革新により、カローラ コンセプトは、バッテリーEV(BEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、ハイブリッド(HEV)、または内燃機関車(ICEV)になる柔軟性を可能にします」とトヨタは言う。同社は、エンジン搭載車が「おそらくカーボンニュートラル燃料で走る」ことさえ示唆している。

というわけで、ゲームプランは、カローラが引き続き、全世界が膨大な数で購入するためのクルマであり続けることだ。

ただし、もし内外装がこのようになるのであれば、それがただの四輪の食洗機である代わりに、実際にクルマに関心のある人々に、いくらかは売れるかもしれないが。

400号記念:UK400マイルロードトリップ/フェラーリ F80/フェラーリハイパーカー:トップギア・ジャパン 069

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=海外の反応=
「トヨタは5代目プリウスをめちゃくちゃ魅力的/スタイリッシュにすることに成功した。もしカローラでも同じようなことができれば、最高だろうな」
「こいつに、ちょっといじった2リッターターボを積んで、キレキレの6速から500馬力を叩き出す姿を想像するのは難しくないな…あるいは、200馬力の1.3リッターにハイブリッドのガラクタをくっつけて、500馬力を絞り出すとか。
それに2段のリアウイングも付けて。
豪快なドリフトをしながら」
「口もきかない3人の別々の人間がデザインしたみたいに見える」
「もし市販版がこんな見た目だったら、俺の靴を食ってやるよ。
いや、待て。もし、この半分でも印象的な見た目だったら、靴を二足食ってやる。これでどうだ」
「ないな。デザイン過剰すぎるし、いくつかのアングルがマジで変だ」

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