【デザイン批評】F430の巨匠がフェラーリ アマルフィを斬る「爬虫類の目」「鉛筆の口ひげ」と辛口評価

フェラーリ F430やマクラーレン P1をデザインした伝説のデザイナー、フランク スティーブンソン。彼がフェラーリ ローマの後継モデルとなる新型「アマルフィ」のデザインを徹底解説する。美しいプロポーションを評価する一方で、「感情的なスパークが欠けている」と下した辛口評価。その詳細な理由とは何か。

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我らがフランクが、フェラーリ ローマの後継車について、実に「フランク(率直)」なご意見をトップギアにぶちまける。

フランク スティーブンソンは、ビートルズもかくやというほどのヒット作を連発してきたカーデザイナーである。モロッコ生まれ、アメリカ国籍の著名な自動車デザイナー。フォード、BMW、フェラーリ、マセラティ、マクラーレンなどで数々の名車を手がけ、「我々の時代で最も影響力のある自動車デザイナーの一人」と評される。エスコート RS コッシー、初代BMW ミニ、マセラティ MC12、数多くのフェラーリ、そしてマクラーレン P1など、枚挙にいとまがない。現在、彼は自身のコンサルティング会社「フランク スティーブンソン デザイン」を率いている。今回、彼はフェラーリ ローマの後継車である新型アマルフィについて、トップギアにその見解を語ってくれた。

新しいフェラーリ アマルフィ(2019年にデビューしたフェラーリ ローマの後継となる2+2のGTクーペ。車名はイタリア南部の風光明媚な海岸の地名に由来する。631馬力を発生するV8ツインターボエンジンを搭載し、最高速度は約320km/h(199mph)に達する。価格は約28万3,000ドル/4,200万円からと推定されている)、あるいはフェラーリ ローマの第二世代と呼ぶべきか、このクルマは全体として見れば、よく均整のとれたラグジュアリーGTカーである。パッと見たところ、ディテールを簡素化し、デザインの進化を最小限に留めようという意図は見て取れる。だが、すぐにこれがフェラーリだとは認識できないのだ。

私にとってフェラーリとは、「fare la bella figura」(注:イタリア語で「美しい姿で魅せる」の意)の精神が全てである。さりげないエレガンスと、息をのむような、心を鷲掴みにするディテールによって、それを達成せねばならない。このクルマには、その感情的なスパークが欠けているように感じるのである。

とはいえ、アマルフィのプロポーションは素晴らしく、バランスが取れており、路面に低く構えたそのスタンスは驚異的だ。フロントエンドには、いくつか言葉を失う要素(あの”舌”のような形状、爬虫類のような目、そして言うまでもなく、鉛筆で描いたような口ひげ)があるものの、ボンネットとフロントフェンダーの表面的な造形は、非常によくできている。しかし、それも場違いな分割線によって損なわれているのが残念だ。クラムシェル(ボンネットとフェンダーが一体化した)デザインが理想的だっただろう。

リアのデザインは一歩後退したと言わざるを得ない。大きく平坦な壁が、過度に単純化され、ほとんど没個性的とも言えるテールライトを、リアバンパーと複雑すぎるディフューザーエリアから分断している。フェラーリのアイコンであったはずの、丸いテールライトはどこへ行ってしまったのか?同様に痛々しいのは、その真上にある分割線の乱雑さで、あまりに煩雑でちぐはぐな印象を受ける。

フェラーリはもっと大胆であるべきだった。物事を次世代へと進化させるべく、限界を押し広げるべきだったのだ。ここには、新しく改良されたデザインが生まれるチャンスが確かにあったはずだ。

評決:ナシ

400号記念:UK400マイルロードトリップ/フェラーリ F80/フェラーリハイパーカー:トップギア・ジャパン 069

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=海外の反応=
「スティーブンソン氏が最後にデザインしたクルマっていつのだっけ? 最近は他人のデザインにケチつけてる記事でしか見ない気がするんだが」
↑「記事に書いてあるだろ、「ビートルズ以上のヒットメーカーで、エスコート RS コッシー、初代ミニ、マセラティ MC12、多数のフェラーリ、マクラーレン P1を手がけた」ってな。だから、コメントする資格は十分にあるんだよ、ダーリン(笑)」
↑「まあ、否定的な意見の方がPV(ページビュー)は稼げるからな。メディアの常套手段だよ」
「ローマはここ数年のフェラーリで最高のデザインの一つだったのに…。なんでわざわざ醜くしちまったんだか。フロントは新型プリウスみたいだし、一体型グリルを廃止したのも意味不明。ヘッドライトはローマより不細工だし、リアはただ丸っこく太っただけ。傑作を駄作にする天才的な手腕には恐れ入るね」

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