新型ジープ ラングラーでZ世代を取り込み、国内外ともに首位奪還を狙う

2018年から6年ぶりにジープのラングラーがリニューアルされ、渋谷のMIYASHITA PARKで発表会が行われた。Z世代に向けて強くアピールし、価格を下げたエントリーモデルを導入する。


2018年から6年ぶりにジープのラングラーがリニューアルされ、渋谷のMIYASHITA PARKで発表会が行われた。当日は真夏日となった中、カバーで覆われた新型ラングラーの中にずっと潜んでいたステランティス ジャパンの打越 晋社長は、さぞかし暑かったに違いない。

ラングラーはジープブランドを象徴するモデルで、他に類を見ないオフロード性能を持っており、昨年の国内販売台数は4,000台を超え、世界4位のパフォーマンスを見せている。ラングラーの人気は、優れた商品性とオフロード性能だけでなく、顧客自身が新しい価値や楽しみ方を見出しているからであり、特に若い世代が自分なりの新しい価値を見出す傾向が強まっていると語った打越氏。ラングラーの独自のデザインが顧客の記憶に残り、唯一無二の存在となっている。渋谷の宮下公園という場所を、発表会会場に選んだ理由も、新しい価値を生み出す若者や企業を応援する狙いがある。途中で流れた、米国でのTVCMは、かの有名な2PacのCalifornia Loveをバックに最新のラングラーで流す雰囲気が、めちゃめちゃかっこいい。

新型ジープ ラングラーはどのような狙いで作られたのだろうか。日本の輸入車市場は2025年以降も約30万台で推移し、SUVセグメントは引き続き5割のシェアを維持すると見ている。ラングラーは、ミッドサイズSUVセグメントでは2020年、2021年に7,000台近い販売実績があったが、最近は2位、3位に後れを取っている。今回の新型ラングラーで1位を狙う。ラングラーのグローバルの販売台数としては、巨大中国の次にいるのが日本で、昨年は400台ぐらいの僅差に追いついているので、こちらも1位になりたいという。そんな首位奪還に向けては、Z世代を含む若年層にアピールしたい意向だ。ラングラーの購入年齢は他社SUV比べても比較的若く、国内の全SUV購入年齢と比べても約10歳近く若いという。年齢18歳から27歳のZ世代の購入検討者数調査をしたところ、輸入SUV車においては、ナンバーワンの購入検討候補に選出をされている。若年層が、このジープ ラングラーの持つ世界観、そしてジープブランドが提唱する車、ライフスタイルを支持している証だという。これらデータが示すように、ラングラーの販売を軸した成長には他社と比べても若い層へのアプローチを強化することが、ジープのさらなる成長に不可欠であると、ステランティスでは考えている。これまでジーブがターゲットとしてきた、30代から40代後半までのアウトドアやスポーツを楽しむコア層は引き続きターゲットとしながらも、20代から60代と幅広い年齢層へのターゲットを広げていく。特に若年層Z世代などのターゲットを広げることで、他社SUVとの投入年齢層との差別化を図っていくそうだ。

そのためには、まず価格だ。エントリーグレードである、アンリミテッド スポーツを導入し、価格を下げる。アンリミテッド スポーツが799万円、アンリミテッドサハラは839万円、アンリミテッドルビコンが889万円だ。とくに、エントリーモデルのアンリミテッド スポーツは30万円の値引きに40万円の豪華装備がつくので、実質70万円値引きをしたようなものと、ステランティスでは考えている。

変更点としてはフロントマスクのデザインを変更し、冷却性を向上、全グレードのホイールデザインを刷新した。インテリアはブラック基調で水平デザインを採用し、12.3インチ横長タッチスクリーンディスプレイを搭載。フロントシートは12通りパワーアジャスト機能付きで、オープンルーフにサイドカーテンエアバッグを初搭載した。全グレードに公認ゴリラガラスを標準装備。フロントアンテナをフロントウィンドウに統合し、リアアクセルをフルフローティングタイプに変更し、牽引能力を向上した。

そして、ローンチエディションが849万円。こちらは限定300台だ。アンヴィルのスペシャルカラー、フェンダーデカール、テールゲートデカール付きだ。また、899万円のハイベロシティイエローカラー(限定10台)をWebで抽選販売する。

最後は、ジープオーナーでもあるトータルテンボスの藤田憲右さんをゲストに、トークショーを行った。6年前に奥様からの推薦でジープに乗り始めたという。乗って驚いたのが、小回りの良さ。それまで乗っていた国産車よりも小回りが効くことに感動していた。現在は、グランドチェロキーのサミットに乗り、中学生の息子さんの野球チームの送迎にも使って、人気がある。道路で他のラングラーに出会うと、挨拶をしたり、ショッピングセンターなどの駐車場でも、ラングラーの隣に停めたくなったりと、ジープオーナーならではの仲間意識が生まれていると話してくれた。ステランティスの新開氏から、ジープオーナー同士のサイン、ジープウェーブについて聞き、興味を示していた。オーナーならではの、厚みのある話しがとても楽しく聞けた。「オーナーになってわかるんですけど、ジープは、見た目の格好良さはもちろんなんですけど、実用性もめちゃくちゃあるんで。だからこんなにいい車はないと思います。かっこよくて実用性があるし、周りからもいいねって言ってもらえるという、全部揃ってる車がジープだと思います。どんどん皆さんで広めていって、日本中ジープ車であふれてほしいぐらいですね」

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