書評:プリンス自動車工業の歴史 日産90周年、その源流のひとつ、プリンスがつくったクルマ達

書評コーナーは、プリンス自動車工業の歴史 日産が90周年を迎えたが、その源流のひとつ、プリンスがつくったクルマ達。

日産の源流のひとつであるプリンス自動車工業。この会社は元航空技術者たちによって戦後の国産車を技術的にリードするとともに、モータースポーツでは世界の名車と互角の闘いを繰り広げ、日本の自動車史に大きな足跡を残した。その結果としていまなお多くのファンが存在する。

本書は増補三訂版で、スカイラインやグロリアなどの乗用車に加え、優秀な商用車、マイラーやクリッパー、ホーミーなどもふんだんに収録し、貴重なカタログととも巻末には詳細なスペックも紹介されている。

プリンスといえばスカイラインやグロリアがすぐに思いいたる。しかし、日本の自動車史を振り返るには商用車抜きには語れない。プリンスにはスカイウエイをはじめ、マイラーやクリッパーなど良質な商用車も乗用車と同様に開発・生産していた。しかし多くの書籍では乗用車までで、商用車まで克明に記されているものは少ないのが現状だ。ましてや当時のカタログなどはとても貴重だといえる。さらにはマイラーなどの輸出仕様のカタログまで掲載されていることも本書の大きな特徴であり、プリンスという企業を俯瞰してみることができよう。

そして御料車のプリンスロイヤルの開発途上の非常に貴重な写真などとともに解説されていることも重要なプリンスの一面を知ることができる。

2023年は日産自動車創立90周年ということもあり、プリンス自動車工業の歴史の装丁を愛蔵版として改めた、箱入りの特別限定版も350部記念刊行。保護用の外箱には、1965年発売のプリンススカイライン2000GTの当時の写真を収録し、表紙は特別限定版専用の黒基調の装丁とした。特典として、著者の当摩節夫氏による直筆サイン入りカード(日産ヘリテージコレクションに収蔵されているプリンススカイライン2000GTのカラー写真をレイアウト)を添付。最終仕上げは全てハンドメイドで行ない、シリアルナンバーNo.001~No.350の検印が貼付してある。(内田俊一)

プリンス自動車工業の歴史
日本の自動車史に大きな足跡を残したメーカー
著者:当摩節夫(プリンス自動車工業出身で歴史考証家)
発行:三樹書房
定価:4,950円 特別限定版:6,930円
ISBN978-4-89522-795-7 特別限定版 ISBN978-4-89522-796-4

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