ロールス・ロイスいわく「最も野心的で唯一無二にビスポークされたファントム」は解釈も難しい…



ロールス・ロイスのボス、トーステン ミュラー エトヴェシュが「これまでで最も野心的で、特異で、高度なオーダーメイドのファントム」と呼ぶこのモデルは、見出しにあるように、すでにかなり精巧に作られている。顧客が思い描く最も野心的で特異な気まぐれに応えることで、むしろその名を高めてきた会社にとって、それは何かを意味するものだ。

というのも、このデザインでオーナーが何を言おうとしているのか、このデザインが依頼したオーナーについて何を語っているのか、あるいはこのデザインの背後にいるレディースオートクチュールの著名人が何を語っているのか、まったく見当がつかないからである。

「"水を織る"というコンセプトからインスピレーションを得て、動いている感覚を流動性のある没入感のある体験に変えました」と、ファンシーファッションデザイナーのイリス ヴァン ヘルペンは言っている。

「私はこれを、自然の力に圧倒される最先端の体験にしたかったのです」

ぶっちゃけ、そのような体験をしたいのであれば、サーフィンでも習えばいいのでは?なんて思っちゃうけど、それでは明らかにターゲットとなるバイヤーと同じソーシャルサークルにいるわけでもないだろう。

ロールス・ロイス ファントム シントピアの複雑で立体的なヘッドライナーの彫刻を、ロールスの「ビスポーク集団」とヴァン ヘルペンがともに満足できる水準に仕上げるには、約4年にわたる「継続的開発」が必要だったということだ。おそらく顧客もそうだったのだろうが、その答えを出そうとすると、純粋な推測の深みに溺れてしまうだろう。

いずれにせよ、バイオミミクリーやウィービング・ウォーターといったコンセプトのプロセスや動機、あるいは魅力を十分に理解しなくても、ヴァン ヘルペンがそのような人たちから尊敬されていることは容易に理解できるはず。それ以外の人々にとっては、アイリスは近代美術館に作品が展示されるようなデザイナーである、と言うのが最もシンプルな説明であるだろう。

次に挙げる数字の羅列が、苦しみを美徳としているように思えるのだ。ヘッドライナー用の一枚の革は、1,000枚の革の中から最も美しく傷のないものを選んだ。ガラスで編んだ繊細で薄手の布「ペタル」は162枚あり、これを作り、貼り付けるのに300時間かかった。ヘッドライナーには700時間、ダッシュボードの「ギャラリー」には60時間を費やし、塗装の仕上がりを確認するために3,000時間ものテストと検証を繰り返した。その答えは、まず真っ黒な下地に、見る角度によってゴールド、マゼンタ、パープル、ブルーに反射する鏡のような顔料をクリアコートに重ねることだった。

これだけの時間をかけて作られたのだから、新しいオーナーの元に届くのが5月というのも当然といえば当然だろう。そして、オーダーメイドのロールス・ロイスであるため、「二度と複製されない」一点ものであることも、それほどショックではない。結局のところ、ロールス・ロイスは「最も野心的で、特異で、高度に特注されたファントム」を隔週で出し続けられるわけではないってことでOKだよね?







=海外の反応=
「自分の付き人やアシスタントがいるにもかかわらず、犬や猫を車の中に一人で置いておくように想像しちゃう」
「バイオミミクリーの動機は、自然界からうまく機能しているコンセプトを借りて、エンジニアリング/デザインに導入することだ。アートやハイファッションは、基本的に経験や視点を共有したり、再解釈したり、生成したり、あるいは単に面白いものを作ろうとするものである。複雑で個人的なアイデアや経験、感情を扱う場合、コミュニケーションや解釈は複雑になることがある。ロールス・ロイスの塗装は評価されるが、ボンネットのデザインやシートの寿命は疑問が残る」
「デザイナーやってる者から言わせれば、ヘッドライナーは素敵だけど、シートと塗装は改善したほうがいい」
「世界で最もリッチなゴスロリのためのもの」

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