2,586億円の投資額に貢献が期待されるランボルギーニ ウルス ペルフォルマンテ



11月11日、「ランボルギーニ デイ ジャパン2022」が海の森水上競技場で開催され、ウルス ペルフォルマンテの発表会が行われた。Chairman and Chief Executive Officerのステファン ヴィンケルマン氏、Chief Executive Officer of Asia Pacificのフランチェスコ スカルダオーニ氏、そしてHead of Japanのダビデ スフレコラ氏が会場に足を運び、華やかなプレゼンテーションを繰り広げた。

最初はジャンルイジ ベネデッティ駐日大使がスピーチを行った。「ランボルギーニは絶対的な理念である性能に合わせるデザインという、革新的な空気力学とデザインを持っています。全てのランボルギーニはMade in Italyの品質と性能のみならず、その美しさの絶頂を日本にも世界にも代表しているのです。ランボルギーニ ウルス ペルフォルマンテは日本のドライバーのインスピレーションを呼び覚まし続けます。イタリアのアイコニックなブランドが明るい未来へ向かっていくことを確信しております」
スピーチ終了後は、ステファン ヴィンケルマンから、ウルス ペルフォルマンテのスケッチが贈呈された。

さて、新型ランボルギーニ ウルス ペルフォルマンテ。ペルフォルマンテという名が冠されているということは、そのパフォーマンスの高さがポイントなのである。有名なパイクスピーク ヒルクライムでのSUV最速記録をすでに更新していることに注目すべきだ。標高4,302mにあるフィニッシュラインを10:32:064で通過した。これまでの最高記録は、2018年の10:49:902を大きく上回る結果で、市販車SUVの新記録となった。

パイクスピークが舗装路であることが残念なくらいだが、このペルフォルマンテの主要なアップデートのひとつに、ダートトラックで鍛え上げられた、オーバーステアなラリーモードが新たに追加されたことが挙げられる。そう、ウルスでオフロードを走ることができるのだ…しかも高速で。ウルス ペルフォルマンテを購入された方は、ぜひとも納車後、すぐにオフロードを走ってみてほしい。実際、イタリアのナルド試験場で、カモフラージュされたペルフォルマンテのプロトタイプに乗り、ラリーモードを体験してきたトップギアが言うんだから、間違いない。

では、他に何が新しくなったのか?マンソリー風のルックスに見えるは、フロントとリアのシャープな新型のバンパーとリアスポイラー、巨大な22インチまたは23インチホイール、そしてカーボンファイバー製のむき出しのボンネットのせいだ。カーボン製なのはボンネットだけではない。実はウルスは、トータルで47kgもの軽量化に成功しているのだ。バンパー、ルーフ、ホイールアーチ、ディフューザー、フロントスプリッター、そして張り出したルーフスポイラーはすべて軽量な織り込んだ素材でできており、新設計のパーツは全体のダウンフォースを8%増加させ、抗力も低減している。

そして、4.0リッター・ツインターボV8。出力は16bhp増の666ps、トルクは850Nmのままだが、最高速306km/h、0-100km/hタイムは3.3秒と、はっきり言ってとんでもない速さにまで縮められている。正式な数値ではないとはいえ、これは2,150kgのSUVであることを忘れてはならない。

標準のウルスからのハードウェアの変更はもっとある。エアサスペンションは、より硬いスチール製スプリングとアダプティブダンパーに交換された。これにより車高は20mm下がり、路面幅は16mm拡大された。新しいカーボンバンパーは、ペルフォルマンテがオリジナルのウルスよりも25mm長いことを意味する。トルクの配分を良くするために新しいデフが搭載され、ステアリングはよりフィーリングが良くなるように再調整され、ランボルギーニは後輪のステアリングがより素早く反応するようになったと言っている。チタン製のアクラポビッチエキゾーストが標準装備され、室内には新しいトリム、新しいステッチ、多くのカーボンファイバー製オプションが用意されている。

ペルフォルマンテは、単なるフェイスリフトとは一線を画している。日本での価格は発表されていないが、EUで218,487ユーロ(3,140万円)、イギリスで204,312ポンド(3,350万円)アメリカで260,676ドル(3,620万円)から。高額に聞こえるけれど、これはランボのアヴェンタドールとウラカンの後継モデルの開発資金を提供するクルマであることを忘れないでほしい。いつかラリーで走らせられる日が来るまで…。

2017年から2018年以降、ランボルギーニ ウルスを提供している。ウルスは非常に速く、オフロードやサーキットでも速く走ることのできるモデルだ。ウルスは過去最高の販売台数を叩き出している。スーパースポーツカーであるスーパーSUVということで、すでに21,000台を超える生産台数を誇っている。84%が新規のランボルギーニ顧客であり、女性の比率が非常に高いという。ウルスというのはとにかく完璧な車なので、このウルスをより良いものにしたいと考えた結果がウルス ペルフォルモンテだ。よりワイド&ローになり、抵抗も少なく、ダウンフォースが高い、非常に乗って楽しい、パフォーマンスの高い車に仕上がっている。

そして、目下絶好調といえる業績についてヴィンケルマン氏から説明があった。新記録を打ち立てる見込みになっているという。2022年は全世界の顧客にデリバリーした数字は7,430台となっており、2021年比8%上昇し、これは新記録となる。売上高は19億3,000万ユーロ(2,800億円)ということで、21年比+30.1%と、本当に素晴らしい業績だ。そして営業利益についても5億7,000万ユーロ(820億円)、21年比+68.5%となっている。そして29.6%という驚異的なROS利益率を叩き出した。そして非常に顕著なのが、アメリカ、APAC(アジア太平洋)、EMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)この3地域全てでバランスの取れた販売ができているということだ。トップ10のマーケットは、上からUSA、中国、ドイツ、UK、日本、中東、イタリア、韓国、カナダ、フランスとモナコとなっており、アウトモビリ ランボルギーニにとっていかに日本市場が重要かということを表している。日本は安定した5位ということで、実は受注残がもう1年半分たまっているという状況で、供給よりも需要が上回っている。

そして2022年は、内燃機関のみを搭載したモデルを発売する最後の年になる。今年の最初にまずウラカン テクニカを春に発表、夏にペブルビーチでウルス ペルフォルマンテを初公開した。そしてウルスS。今月末までに発表される、最後の内燃機関モデルとなる、ウラカンのステラート。これは、マイアミのアウトバゼルで発表する予定だ。

アウトモビリ ランボルギーニには主に3つのモデルがある。まず、アベンタドールは、来年の第2四半期に、後継モデルのV12のプラグインハイブリッドが発売される。それからウラカンとウルスだ。これは基本的なスパイダー、ロードスター、またライトカー、そして速いクルマを展開している。そして他にもワンオフやフューオフといった、特別な顧客向けのクルマがある。モータースポーツも忘れてはならない要素だ。モータースポーツというのはパフォーマンスやレースで勝てる能力を見せる場だけではなく、モータースポーツの開発によって市販車の開発にもかなり応用ができているということは、非常に重要だ。コロナがおそらく今かなり落ち着きつつあるのでアジア太平洋地域においても、おなじみのスーパートロフェオを再開する予定だ。そして7月にはFSWでレースを再開する予定もある。

それから、ランボルギーニにとっても、顧客にとっても非常に重要なことは、これからのランボルギーニの方向性である。スーパースポーツカーのブランドであるが、ラインナップをこれから2年間で大幅に変更していく。2023年には、アウトモビル ランボルギーニとして初のハイブリッド化を行い、2024年には全てのレンジをハイブリッド化する。これによりCO2排出量を今日に比べて50%削減する計画となっている。そして、2028年には、初のフル電動モデルだ。こちらはランボルギーニにとっての4つ目のモデルになる。そしてこの2020年代の最後には少なくとも今日に比べて80%以上CO2の排出の削減を狙っている。2022-2026年の投資額は18億ユーロ(2,586億円)となり、史上最大規模の投資額になるが、自前で賄っており、これはウルスのおかげでもある。そしてサステナビリティに包括的なアプローチをとっているので、車だけではなく、本拠地であるサンタガタボロネーゼの工場は2015年からカーボンニュートラルを実現している。そしてブランドとしてやはり一貫性を保つということが大事になってくる。どういうことかというと、時代の変化に順応する必要があるが、夢のクルマを作り続けるということは大事なこと。サステナブルでありながら常に高いパフォーマンスを示し、夢を与える車を売り続けるということは変わらない。

これからもランボルギーニは、環境への意識を高く持ち続けながら、パフォーマンスの高い、夢を与えてくれるクルマを、私達に提供し続けてくれそうで、ランボルギーニファンは、これからも夢を見続けることができるだろう。



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