レクサスの佐藤プレジデントがTGに語った:LFAの後継EVはマニュアルギアボックスを搭載する可能性アリ

レクサスは、私たちが、そしてレクサスも喜んで「LFA後継車」と呼ぶものの開発を続けている。グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、コンセプトとはいえ、「Electrified Sports」として公開された。

しかし、市販車の方もちゃんとモノになるようだ。レクサスのプレジデントである佐藤恒治氏は、それに関するトップギアの質問に快く答えてくれた。ただし、当然のことだが。「いつ?」についてはかわされた。まあ、そうか。

挑戦としては、かなり急な話だ。LFAは同時代に存在したフェラーリ458 イタリアの2倍の価格と、9,000rpmのV10エンジンを搭載していた。ボディシェルの65パーセントはカーボンファイバーで、思い通りに仕上げるために特殊な織機も開発されていたのだ。LFAは現在、50万ポンド(8,100万円)をはるかに超える価格で取引されている。

この挑戦に対する答えに、佐藤氏は近づいているのだろうか。彼は、いつもそうなのだが、少し笑う。「もうすぐです。近いうちにお話しましょう」

レクサスが発表した性能はわずか2つだが、その数値は見る者の目を釘付けにする。0-100km/hまでは「2秒台前半」、航続距離は「700km」または「435マイル」になるとのことだ。

しかし、佐藤氏は数値的な指標をほとんど脇に追いやった。「スペックはもちろん重要ですが、このクルマはレクサスのドライビング・ダイナミクスの未来を示す、レクサスのドライビングシグネチャー全体を表現するハローでありたいと思っています」

これはLFAよりもいくつかの点で優れているでしょう、と彼は言う。「車両応答性はeモーターの長所のひとつで、急激なトルクはBEVにとって非常にユニークなキャラクターとなっています。ですからドライバーは、自分の入力に対する素早い反応を期待できるのです」

そして、彼は小さな爆弾を投下した。彼は、ソフトウェアによるマニュアルトランスミッションのシミュレーションを試みているのだ。「私の趣味で、クレイジーなことなんです。EVであっても、クルマとドライバーの間にもうひとつのつながりが欲しいのです。効率だけではありません。私はクルマが大好きですから、何か違うものを求めているのです」

「LFAの一般的な知見は使うのですが、それを現代的な形で表現したいのです。言い換えれば、LFAのエキサイティングな部分を電気自動車で表現したい、それが私たちのチャレンジです」

スペック上、ハンドリングに関する2つの大きな技術があることは間違いない。ステアバイワイヤは、佐藤氏が電気自動車のレクサスに求めるメニューのひとつだ。「そして、トルクベクタリングのテクノロジーは、ビークルダイナミクスを実現するための重要な技術のひとつです」

佐藤氏は、この新型スーパーカーが、レクサスの電気自動車ラインナップを貫く技術の頂点になることを、他の面から語ってくれた。

まず、軽量化だ。では、LFAのようにカーボンファイバーが使われるのだろうか。「LFAのヘリテージを見て、必要に応じてカーボンファイバーを使っていきます」と彼は言うが、まだ具体的なことは明かさない。

そして空力はレクサスのもうひとつの柱であり、このクルマは特にそれが重要だ。電動効率や航続距離を向上させるための抵抗低減だけではない。空気の流れを使って車体の動きをコントロールすることも考えられている。

バッテリーはどうするのだろうか?レクサスはトヨタの傘下にあり、トヨタは固体電池のリーダーとして広く認知されている。トヨタは、この電池を市販車に採用すると言っているけれど、いつ実現するかというところはまだ言えない。

700kmという航続距離の数字は、固体電池に依存しているのでしょうか?と聞くと、またまた苦笑い。「電池の総重量を軽くすることができるので、軽量化を実現する絶好のチャンスです」充電時間も短くできる。しかし、固体電池の耐久性が成熟するには、もっと研究が必要だと彼は言う。

車の床下全体にスラブ型電池を搭載することは、必ずしも期待しない方がいい。佐藤氏は、トヨタが独自のバッテリー設計を行い、ドライバーのポジションを低く抑え、低重心を得るためのパッケージングが可能であると指摘する。

LFAの開発期間が長かったのは有名な話。その後継車がもっと早く登場することを願ってやまない。



=海外の反応=
「'トヨタは固体電池のリーダーとして 広く認知されている'というが、トヨタはそんなことを主張したことはない。それどころか、2029年から2030年を目標に、量産までかなり時間がかかると、以前からはっきりと言っている。それに、この記事の中でも'しかし、彼はソリッドステートストレージが成熟した耐久性に達するにはもっと研究が必要だと念を押している'と言ってるじゃないか。トヨタがQuantumscapeやSolid Powerより先を行っている兆候はゼロだ」
↑(TGスタッフから)「2022年1月に話したトヨタのチーフサイエンティスト、ギル プラットは、トヨタは2025年の市販車にソリッドステートを搭載する方向だが、BEVではなくハイブリッドであると述べていました。トヨタは他の企業と違って、電池と車の両方を持っていて、それらを統合することができます。でもね、実際に販売されるまでは何も確かなことはないんですよ」
「電気レクサス(レクシィ?)の最大の利点は、レクサスが高速で突っ込んだら前方に張り付くようなあのバーベキューグリッドが無くなることだと思う」
「ソフトウェアのマニュアルトランスミッション?ちょっと待って、パワーデリバリーで人工的なデッドスポットを作るのは、CVTギアボックスのフェイクシフトと同じくらい馬鹿げでいる」
↑「偽のキャビンノイズも追加で…」
「'最も期待されているe-supercar'かあ。それは私にとってあまり意味のないことだ。よくわからないが、電気自動車にはまったく興味がわかない。いくら性能が良くてもね。電気自動車を毛嫌いしているわけではなく、ただ、全く情熱がないのだ」
↑「あなたの好みはさておき、非常に物議を醸す発言であることに変わりはない。LFAが限定生産で売れなかったのは、レクサスのバッジのために50万ポンド(8,100万円)も出してくれる人がほとんどいなかったからだ。トヨタがどうにかして良いボディと良いサスペンションを作ったとしても、少なくとも10年遅れていることを考えると、先進的な、あるいは良い電気パワートレインを作る可能性はゼロに近いことは言うまでもない」
↑「とはいえ、LFAは今や非常に人気があり、当初の定価をはるかに上回る価格で販売されている。だから、次のレクサスのスーパーカーがもっと売れるっていう可能性は十分にあるよ。それに、LFAは利益を出すために作られたのではなく、トヨタやレクサスという会社が何をできるかを示すために作られたのだ。純粋に利益のためだけでないことをする会社、なんとアバンギャルドなんだろう」
↑「また、現在のところ、BEVでの失敗を考えてみると。これはトヨタが何か証明するために取り組まなければならない車であると言い続け、彼らはその上で私が正しいことを証明し続けている。しかし、その高い目標を達成できるかどうかは、まったく別の問題だ」
「LFAのV10エンジンの鼓動が電気に置き換わると考えた人は、完全に的外れだよ。車輪の上にバッテリーを積むのは勝手だが、その際に伝説を踏みにじるのはやめよう」

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2022/08/52847/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 063

アーカイブ