なぜだろう、イタリアの自動車メーカーがつける名前は、速そうでカッコいいんだ。そんな気になる9台を集めてみたよ。
01クアトロポルテ
翻訳:4ドア
マセラティは、1963年に多開口型サルーンを初めて製造したとき、その名前をどうするかで迷った。
「他のクルマと違ってドアが4つあるから、これにしよう…どうかな?」という程度のバッジ会議だったようだけど。そしてそれはとてもエレガントでシンプルなので、マセラティは最大かつ最強の4ドアのすべての世代でこのバッジを再利用している。
また、ここで特筆すべきは、アウディのクワトロだ。この四輪駆動のラリーアイコンは、文字通り「アウディ フォー」である。しかし、「フォーに憤激せよ」という言葉には、そのような響きはない。
02コンペティツィオーネ
翻訳:コンペティション
BMW M3コンペティションに乗っていると言うと、どこで買ったのかと聞かれる可能性がある。「コンペティション」という言葉は、英語ではあまり印象的ではないのだ。
しかし、イタリア語で表現すると、わずか4音節から叙情的な6音節に膨らみ、「comp-e-tiz-i-on-e」は素晴らしくエキゾチックな言葉になる。
そして、この言葉は、欠陥はあるもののゴージャスなアルファロメオ 8Cから、新しいハードコアなフェラーリ 812、そしてアバルト 595 コンペティツィオーネまで、かなり興味深いクルマが身につけている名前だという傾向がある。
03テスタロッサ
翻訳:赤い頭
そう、「ジンジャー・フェラーリ」だ。マクラーレンが次期スーパーカーを「キャロットトップ」と呼ぶのと同じ。
ただし、このテスタロッサの名前は、髪の色を揶揄したものではない。この名前は、最高出力385bhpを発揮する180度V12エンジンの4バルブシリンダーヘッドがロッソ色に塗られていることにちなんだもの。
もしBMWやアウディがフェラーリを買収していたら、このアイコンはRot-Kopf(赤毛)と呼ばれていたかもしれないね。
04スーパーレッジェーラ
翻訳:スーパーライト
ケータハムはかつて、セブンのハードコアバージョンをスーパーライトと呼んでいた。ストレートなクルマに、ストレートな名前。しかし、もう少し、まあ、洒落たものを作ろうとするならば、イタリア語の辞書を引く必要がある。
ランボルギーニは、ガヤルドのハードコアバージョンを「スーパーレッジェーラ」と名づけ、アストンマーティンは、最新のカーボン製DBS V12にこの名称を復活させた。これは、1961年に発売されたDB4 スーパーレッジェーラに敬意を表したものだ。
05ピスタ
翻訳:サーキット
さあ、次のシーンを思い浮かべてほしい。晴れた金曜日の午後4時55分、マラネロのうだるようなオフィスで。フェラーリは、より軽く、より速く、よりワルなバージョンの488 GTBを発表しようとしているが、問題が発生した。
誰かが、その後継車が「スペチアーレ」と呼ばれていたことを指摘したのである。これはかなり厄介なタイトルだね。"Molto Speciale?" "Extra Speciale?" 候補者たちはますます必死になっていく。
そして、誰かがおつまみボウルからピスタチオのナッツを手に取り、窓の外に広がるフィオラノ・テスト・サーキットを見て、アイデアを思いついた。「みんな、これはサーキット用だよ。いっそのこと、"488 サーキット"と呼んでしまうのはどうだろう?」
幸い、この会話はイタリア語で行われ、488 ピスタが誕生したのである。
06スクーデリア
翻訳:厩舎
妥協を許さないフェラーリのミッドシップモデルには、ありえない名前が付けられてきた。
F430の狂った分身は、イタリアの競走馬の厩舎に敬意を表して「スクーデリア」と名付けられた。また、フェラーリと跳ね馬との間には巧妙な関係があることを考えると、ベントレーが次の限定版のコンチネンタルを「the Horsebox(競馬の馬匹運搬車)」と名付けるよりも、はるかにうまくいったと言えるだろう。
07スクアドラ コルセ
翻訳:レーシングチーム
"Hello, we're the Lamborghini Racing Team"(こんにちは、私たちはランボルギーニのレーシングチームです)なるほど。これで、あなたが誰なのか、何のためにここにいるのかがわかった。これでいい。
でも、今度はイタリア語で言ってみよう。
“Buongiorno. Noi siamo il Lamborghini Squadra Corse.”
もっといい感じじゃない?なんかさ、犯罪と戦う自警団が言ってるように聞こえるんだよね。目標があって、ビシッとしてて。
08ディスコ ヴォランテ
翻訳:空飛ぶ円盤
アルファ ロメオが1952年と1953年に発表した実験的なレーシングカーは、信じられないかもしれないけれど、美を追求するのではなく、科学的にスタイリングされていたんだ。
第二次世界大戦後に空気力学の理解が深まるにつれ、ミラノのコーチビルダー、カロッツェリア トゥーリングは、アルファの1900 C52用の流線型ボディで風洞実験を行い、直線では滑りやすく、横風では危険な影響を受けないようにした。
そのために、胴体を丸くして、ボディをアーチの中に収めた。この構成では、227bhpのエンジンを搭載し、時速150マイル(241km/h)という驚異的な速度を出すことができると考えられていた。
公式には「1900 C52」と呼ばれていたが、ニューメキシコ上空で米空軍パイロットが困惑した際に目撃したUFOとの類似性に気付いた人がいて、空飛ぶ円盤、通称「ディスコ ヴォランテ」となった。
09カウンタック
翻訳:OMGク●ったれ!
この話を聞いたことがない人のために説明すると、すべてのランボルギーニは、中世の野蛮なブラッドスポーツのために耐え難い死を遂げた怒れる牛にちなんで命名されたわけではない。
1970年代初頭、マルチェロ ガンディーニは、ランボルギーニの永遠の名車のひとつとなる、とんでもないくさび形のラインをスケッチしていた。イタリア北西部のピエモンテ州出身の製図者の1人が、このデザインを提示したときに「コンタック」と叫んだ。これは、ピエモンテ地方の方言で「ちくしょう、際どいな」っていう意味だ。
ガンディーニはその響きを気に入り、今は亡き偉大なランボのテストドライバー、ボブ ウォレスに意見を求めた。この俗称は、車の正式名称として認められ、今では地球上のすべてのガソリンユーザーの辞書に載っている。
=海外の反応=
「イタリアの名前が付いた粗悪なアストンマーチンを見せるとは何事だ! 写真を変えてほしい」
「スーパーレッジェーラとディスコ ヴォランテを除いて、他の名前はどちらかというと意地悪な感じがする。
Pista(ピスタ)、Competizione(コンペティツィオーネ)、Squadra(スクアドラ)は下品の極みだ。
カウンタックは(Rot-Kopfと同じように)まったくのドイツ語に聞こえる。スクーデリアはわかりやすすぎるし、クアトロポルテは "m'as-tu vu "だ。
その他のイタリア語の名前としては、トポリーノ、スコーピオーネなどが挙げられる。
Topolino、Scorpione、Barchetta、Innocenti、Giulietta、Pipistrello、Scaglietti、そして最後にZagatoかな」
「ランボルギーニの伝説的なテストドライバーであるバレンティーノ バルボーニ氏によると、実物大の車を初めて見たときに「コンタック」という言葉を発したのは警備員だったそう」
「フィアット ロードがここに登場しなかったのは残念」