ジープのコンパクトSUV、コンパスがマイナーチェンジとなり、日本でも販売が始まったばかりだ。エクステリアは従来のスタイルをキープしながら改良しているが、インテリアデザインに関してはガラッと改革が遂げられている。FCAジープブランドのインテリアデザイン責任者である、クリス ベンジャミン氏が、オンラインを通じて、日本のメディアに対して、余すところなくその魅力を伝えてくれた。
新型コンパスのインテリアデザインは、仕上げの上質感、機能性と快適性の最適バランスを取ること、最新のテクノロジーを使用することを中心に変えています。ドライバーにも同乗者にも同様に開放感や上質な居心地を感じ取ってもらえるよう、横方向にシームレスなデザインを採用していして、私たちは「ボルスター」と呼んでいます。美しいステッチと周囲のクロームアクセントが、高級感を出しています。このボルスターは室内幅いっぱいに配置されていますので、より、室内が広々と感じられると思います。デザインコンセプトは「ピュア シンプリシティ」です。クリーンかつモダンながら、ソフトな印象になるようにしました。従来のコンパスのインテリアは、筋肉質で、一つ一つの機能が独立した、アイランドタイプでした。新型ではシームレスになり、よりまとまりを強めています。
それから、室内で触れる部分では、テクスチャーを調和させるようにしました。人は、手触りに対して無意識のうちに、調和を感じているものです。同じパターンを繰り返して、統一感をもたせることも重要ですね。スタートボタンにはジュエリー感を加えて、高級感も出しています。新型ではセンターコンソールを上に上げているのです。これにより、センターコンソールの収納スペースは、容量が2倍以上となり、使い勝手が向上しました。同時に、高く作ることで、流れを感じさせ、ラグジュアリーに見せる効果もあるのです。
インストルメントパネルを始め、センターディスプレイ、センターコンソール、ドアパネルまで一新しました。ダッシュボード中央のセンターディスプレイには、第5世代のUconnect® 5を搭載した10.1インチ(スポーツでは8.4インチ)の大型タッチスクリーンを採用、優れた視認性と直感的な操作性を実現しています。また最新のプロセッサの採用により処理速度が大幅に向上し、Apple CarPlayならびにAndroid Autoをより快適に使用できます。またメータークラスターには、フルカラー10.25インチマルチビューディスプレイ(スポーツでは7インチ)を採用、運転に関連する様々な情報を表示しています。ステアリングホイールの、ジープの四角いロゴは、黒にメタルの囲みで、よりクリーンなイメージをもたせています。
ジープのお客様は、常に変化を求めています。そこで、最新の技術を使いながら、シンプルかつクリーン、そして使いやすいインテリアを提供するように努めました。既存のジープオーナーからの声も、可能な限り反映させています。今回、エクステリアはあまり変えていないのですが、その理由としましては、ジープの良さが表現され、既にモダンであるからです。逆にインテリアに関しては、スペース感や機能性など、さらにやれることがたくさんあるのではと思っていました。
1月に米国で発表した新型ラングラーも、コンパスと同じようにインテリアを刷新しています。でも、ラングラーの持つ堅牢性、オフロード感、スペースのゆとりは、コンパスとは違った個性ですので、そこは車種にあったデザインに仕上げています。コンパスはラングラーよりも小型のため、スクリーンをフローティングタイプにして、スペースを感じさせています。ルシッド エア、メルセデス・ベンツ Sクラス、ベントレー コンチネンタル GTなど、他社にも参考にすべきデザインはたくさんありますが、今回のジープ コンパスでは、ユーザーターゲットに合った、現代的なインテリアにすることができたと思っています。日本でも一人でも多くのお客様に、コンパスのインテリアに触れていただきたいですね。