グイグイ来る存在感
これをこう呼ぶことにしよう。コンクリートの敷石のような繊細さと文化的センスを持った、巨大なガーゴイルだ。霊柩車のようなX7を作ったとき、BMWは明らかにiX EVに目をつけていた。霊柩車の件はアルピナではなくBMWのせいにしなければならないと思うけれど、アルピナはここで栄光を手にしたわけではない。
クロームと23インチのホイールを手に入れた
その通りだ。そして、ここからが最大の争点となる。アルピナは控えめなデザインを得意としている。アルピナでは、強化するモデルにある種の視覚的なエッジを加えるが、それは常にさりげなく行われてきた。今回のベースとなる素材はそれほど多くはなかったが、今回、アルピナの標準的なトリミング手法は、全体のビジュアルを軽く引き上げるだけでなく、問題をさらに悪化させているのだ。
クロームの塊、ピンストライプ、マルチスポークの合金は、このスケールだと少し馬鹿げている。
その*ぞっとする*グリルの奥には何があるのだろうか?
XB7は、4.4リッター530bhpツインターボV8を搭載し、ハイブリッドアシストの気配がない、今の時代にふさわしい96kポンド(1,450万円)のX7 M50iをベースにしている。メルセデスのGLS、スーパーチャージャーを搭載したレンジローバー スポーツ、ランボルギーニのウルス、ベンテイガ、カリナン(XB7のビジュアルパートナー)、さらにはアウディのSQ8など、今の世の中となっては愛するのが難しいクルマは他のメーカーにもある。
アルピナは、標準のターボを取り外してより大きなペアを取り付け、追加のウォータークーラーを取り付けるスペースを確保し、エンジンルームの残りの部分を徹底的に調べて、すべてが対応できることを確認した。特に、根本的にオーバーホールされた8速オートマチックギアボックスは、標準より90psと50Nmアップした621psと800Nmを詰め込んで、パフォーマンスのドアから送り出している。
でも、それだけじゃない。それどころか、さらに上をいくことに賭けてもいい。言っている意味がわかるだろうか?
よし、説明して解決していこう。ブレーキはまったくもって強力だ。2,580kgのSUVのブレーキをオーバースペックにすることなどできないと思っていたのだが、あまりにも印象的だったのでテストしてみた。97-0km/hが30m以下で、2.8秒以下という数値は、BMW M5やフェラーリ F8 トリブートに匹敵するものだ。395mmのフロントディスクにブレンボ製の4ピストンキャリパーを装着している。これはオプションで用意されている高性能なクロスドリルドブレーキだが。
0-100km/h加速は?
4.2秒で完了だ。160km/hまでは約9秒、200km/hまでは15秒以下だ。メルセデスAMG A45Sと同じくらい速く、W12型ベンテイガよりもわずかに速いが、後者のようにスピード感はおかしなレベルになる。燃費表示が4.6km/Lより落ちていることに気づくと、すぐにアクセルを元に戻すだろう。だが困ったことに、これ以上の燃費向上は望めない。工夫すれば7km/Lは可能だと思うが、家族を乗せて外出する場合は6.5km/Lくらいの方がはるかに可能性が高い。83リットルのタンクを450-480kmごとに1.5万円以上給油することを想定している(公式発表では8.3km/L、274g/kmのCO2)。
速度115km/hで1,600rpmしか回っていないにもかかわらず、ターボが頭を下げて6,500rpmのリミッターまで突っ込んでくれるので、タイムラグはほとんどない。ギアボックスはよく調整されていて、どの比率にすべきかを推測するのが得意で、少なくとも迅速に変速することができる。パドルはなく、アルピナの特徴であるステアリングホイールの裏側にあるボタンで操作することになるが、これは満足できるものではない。
ドライビングは?
先ほど、ブレーキはオーバースペックに近いと言ったよね?そして、ハンドリングも同様だ。多くのオーナーがシャシーに負荷をかけることはないと思うけれど、今回も驚くほどの落ち着きと能力を備えている。アルピナは、BMWのアクティブ・アンチロール・バーを含むサスペンションと4WDシステムも強化している。以前、パフォーマンスSUVの躍動感を演出するものとして評価したが、今回も同じことが起きている。XB7は本来、コーナーを実際の速度よりもはるかに速く回ることはできないはずだし、落ち着きがあり、フラットで鋭い感覚を持ちながら、それを実現することもできないはずのクルマだ。しかし、それが可能なのである。だが、まずダンパーとステアリングを硬くしないと、少しふらつくことがあるけれど。
クルマからのフィードバックやコミュニケーションが得られる程度の速度だと、さして面白くないけれど、ホットハッチやポルシェ ケイマンが後ろをついてきた場合には面白くなる。最初は追い越し車線を走らせておいて、アルピナが抜きさり、最後には頭を振りながら罵声を浴びせられるようなシーンが思い浮かぶ。
でも、SUVにとって速さはあまり関係ないよね?
SUVの重要な属性ではないことは認めるが、不必要で使われない能力を持っているからといって、人々がウルスやケイマンを買わなくなったことがあるだろうか?また、子供を乗せてのんびりしたいときには、このクルマがウルスやケイマンを打ちのめすことを約束しよう。アルピナがすべてのモデルに加えている魔法の成分は、乗り心地だ。アルピナがこれまでに装着した中で最大のホイールを履いていることを考えると、その快適さは驚くべきものがある。しかし、ベントレーの快適性とノイズ抑制のレベルには遠く及ばない。標準のリムは21インチだが、サイドウォールの高さが増すことで、ベントレーに匹敵するようなポイントが得られるかもしれないし、アルピナなら3,500ポンド(55万円)の節約にもなる。
速くて、スムーズで、高性能ってことね。欠点は何?
いくつかある。燃費と見た目のほかに。ピアノブラックのインテリアトリムは反射して気になるし、電気モーターの数が多ければ多いほど豪華になるという理論はもうやめたほうがいいだろう。子供たちは、真ん中の席が電動で前に傾くのを何時間も待ってはくれない。前席が邪魔にならないようにしてからでないと、乗せない方がいい。キッズは、4,995ポンド(75万円)のフルクリームレザーのキャビンに泥だらけの足を踏み入れ、「ここがいい!」と決め込んで、後列シートに飛び込むだろう。
だが、主にイメージの問題となってしまうが、これは最高のアルピナではないという感覚だ。僕にとってのアルピナとは、このブランドがもたらしてくれるダイナミックな部分の強調、流麗さと洗練された感覚のこと。M3やM5のようなアグレッシブさを求めない人にとっては、B3やB5のようなクルマが真の役割を果たすことになる。しかし、X7はそもそもドライバーにフォーカスした製品ではないので、アルピナの仕事は無駄が多く、根本的には何も新しいものをもたらしていないように感じられる。
もう一つの見方としては、自分の指摘が全く無意味だということ。というのも、ブラバスやマンソリーなどがSUVのアフターマーケットで活動しており、それが彼らのビジネスを支えているからだ。彼らと並んで、XB7は趣味の良さの象徴であり、言うまでもなく、比較的手頃な価格となっている。価格は125,650ポンド(1,900万円)で、X7 M50iよりも30,000ポンド(450万円)高い。メルセデスAMGは、ほぼ同じパワーのGLS 63をほぼ同じ価格で販売してくれているので、覚えておくといいだろう。もしあなたがこのジャンルのようなクルマに興味があれば。
結論から言うと
走りには感動するのだが、それが果たす役割はかなり小さいと思う。そもそもこれはアグレッシブなスポーツSUVではないので、アルピナがドライビングを巧妙化する能力には、限られた数の人しか興味を持たないだろう。他のX7と比べてこれを所有する理由は十分ではないし、考えてみれば、そもそもなぜX7が欲しいのか?っていう疑問だって出てきかねない。アルピナは優秀だが、ボディワークを担当していないので、BMWのフラッグシップSUVを目の覚めるようなものにすることはできない。印象には残ったけれども、心が熱くなったとは言えなかった。
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=海外の反応=
「レンジローバーのようになったね」
「なしだな。まあ自分にとっては、SUV全部なし、なんだけど」
「正直なところ、これはアルピナが望んだのではなく、作らざるを得なかったクルマのような気がする。彼らはわずかな量のクルマしか製造しておらず、必然的にアメリカや中東で人気のあるクルマを作るチャンスをゲットし、こういったクルマにより多くのリソースを注ぐことができるようになったのだ。少なくとも、私はイギリスに住んでいるので、あまり目にすることもないだろう」
「プレミアリーグの選手やポン引きのクルマとしてならぴったりだ」
「申し訳ないけど、アルピナのトリートメントを施しても、この醜さは改善されない」
↑「おそらく、他のチューナーやカスタムショップに任せれば、まだ希望があると思う。PriorDesign,とかFOOSE Designとか…。祈ってる」
「ありがとう。でも、B8グランクーペの方が欲しい」
↑「グリルがこのSUVを破壊している。アルピナにはフロントで何か違うことをしてほしいと思っていたんだけど…。その通り、B8グランクーペは素敵だ」
↑「問題はグリルよりも根深いものだと思う。プロポーションが奇妙で、アルピナの装飾がそれを際立たせている。インテリアは素敵だけど、同じ価格のレンジローバーで同じように素敵なインテリア*と*素敵なエクステリアを手に入れられるから、そっちを買いたいと思ってる」