30年超えの初代シーマ タイプIIリミテッドを日産でフルレストア中

俳優である伊藤かずえ氏が30年以上に亘り乗り続けている、初代「シーマ」を、日産がレストアするのだという。旧車保有に対して増税でプレッシャーを与え、新車買い換え促進を図るようなこの国にあって、ほかの自動車メーカーでは、なかなか見られない取り組みだ。

2020年10月に、伊藤氏の愛車「シーマ」の一年点検の際のSNSへの投稿がきっかけとなり、伊藤氏が30年以上に亘り、この「シーマ」を愛車として大切にしていることが、SNSやメディアで大変話題となった。これを見た人から「やっちゃえ、日産!」「日産はレストアを検討して!」といった多くのコメントが寄せられた。日産社内でも何かできないのかとの声も上がり、有志によるチームが立ち上がり、伊藤氏への「日産からの感謝の想い」をレストアという形でお応えする取り組みが開始した。

スペイン語で「頂上」の名をもつ初代「シーマ」 FPY31型は、「日本的な味を持った、世界に通用する新しいビッグ・カー」をコンセプトに、1988(昭和63)年に発売された。従来の国産大型セダンになかった伸びやかで気品あるスタイリングとインテリア、パーソナルな乗り味や優れた運動性能など、数々の新しい価値が大好評となり、当時の経済メディアが「シーマ現象」と報道するほどの爆発的人気車になりた。発売翌年には物品税廃止(消費税導入)も追い風になり、当時のいわゆる「3 ナンバー車ブーム」の発端にもなる。

今回レストア対象となるのは、高級パーソナルクーペ「レパード F31型」にさえ先んじて採用されたV6・3リッターのVG30DET型ターボエンジン(最高出力187kW=255ps)や、先進の電子制御エアサスペンションをもつ最上級グレード「タイプIIリミテッド」だ。中古車専門サイトをいくつか調べてみたところ、新車価格だと630-787.5万円で、実質販売価格は200万円程度のようだ。

今回のレストアの実施に際し、愛車の「シーマ」を預かっている間、伊藤氏には現在の日産のラインアップの中からお選びいただいた車両を代車として使用してもらう。最新テクノロジー満載の新車には、とても満足されることだと思うが、伊藤氏は、レストアが終了した後に戻ってくるシーマに乗り続けることだろう。それか、2台持ちか。旧車には、それほどの魅力があるのだ。

レストアの状況などは、日産公式Twitterで随時発信される。
https://twitter.com/NissanJP

…だが、この初代シーマ、たかだか(つっちゃ悪いけど)30年超えくらいで、50年、あるいはそれ以上の旧車乗りもいる。実際、昔の日産車はデキが良く、メンテナンスさえしっかりしていれば、乗り続けることができるものだ。そういう意味でも、昔の「技術の日産」が、2021年にもつながっているのだと、日産の良いPRになる。でも、やっぱり、どうにかならんかねぇ、この国の旧車増税は。

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