リアアクスルステアリングなど最新鋭装備が満載のメルセデス・ベンツ新型Sクラス

ハロー!メルセデス・ベンツのフラッグシップリムジン、新型Sクラスが発表された。通常、新車のプレスリリースは、数千ワードの長さがある。クルマというものは、結局のところ大きくて複雑なものなので、その仕組みを説明するには、通常は何ページもわたる単語が必要になるのだ。

しかし、新しいメルセデス・ベンツ Sクラスは、これまでの中でも最も大きくて複雑になっているので、そのプレスリリースは…英語で31,602ワードと83ページの長さにも及んでいる。ちなみに、ロアルド ダールの「チャーリーとチョコレート工場」ですら30,644語の長さなので、インターネット上では「これじゃ、本じゃねーか!」と言われているほど。

まあ、いい。とにかく、新型Sクラスの話しだよね。メルセデスの決定版であり、全世界で最も売れている高級車だ。スリーポインテッドスターの技術的フラッグシップであり、5年後の新型フォード フォーカスにどんな技術が搭載されているのかも予測できるので、本当に見るべきところが多いクルマである。

だが、本当にそうなのだろうか?悲しいかな、イギリスはSクラスの大規模な市場ではないので、派手な新技術の多くは、実際にはこちらでは搭載されないだろう。少なくとも最初は導入されない - いくつかは後で到着するかもしれないが。こちらでまだ手に入れられていない目玉の技術には、リアアクスルステアリング(最小回転半径を最大で1.9メートルまで短縮する)や、「世界で最もインテリジェントなサスペンション」システムだと主張する仕掛け「Eアクティブボディコントロール」が含まれている。ピッチとロールを相殺し、前方の路面の段差やくぼみをスキャンし、カーブに傾き、各コーナーで1秒に1,000回ダンピングを調整することができる。えっ、ちょっとまって、1秒で1,000回!?マジか。

また、新型MBUXインフォテインメントシステムの「インテリアアシスト」機能も見逃せない。これは、クルマの乗員に向けられたカメラを使って、あなたが何をしたいのかを推測し、それを実行してくれるというもの。例えば、肩越しに視線を向けると、自動的にリアのサンブラインドを開けてくれる。夜間に助手席の上で何かを探しているあなたを見つければ、ライトを点灯させてくれるっていう。魔法みたいだね。

また、イギリスでは、5つのスクリーンのうち3つしか用意されていないが、発売当初から、後席乗員用のスクリーンをフロントシートの背面に取り付けることはできない。後部座席の人たちは、新しい装備のリアエアバッグや、巨大な30スピーカーのBurmesterステレオの恩恵を受けることができない。なぜ、なぜ、なぜ、私たちイギリス国民は素敵な装備を持つことができないのですか、メルセデスさん?

私たちは「ドライブパイロット」も手に入れることができない。しかし、これまで他のどのメーカーも、こういったものは装備していないし、メルセデスの予想では、欧州の法律でその使用が認められる2020年半ば頃になるということだ。これは「レベル3」の半自律型運転支援システムで、高速道路なら、時速60kmまでのハンズオフ運転が可能になる。ドライバーは前方の道路から目を離すことができるが、クルマが要求した場合には10秒以内に制御を取り戻さなければならない。

新型Sクラスは、技術的には、自動で駐車することができるんだ。とはいえ、イギリスの法律としては、複数階ある駐車場の入り口であなたを降ろして、車両自体が駐車スペースを見つけて、買い物が終わったときに再びあなたを迎えに来ることは、すべて許可されていないけれど。

「デジタルライト」と呼ばれるヘッドランプは、何百万(そう、何百万)ものマイクロミラーを使って、しるしやガイドラインを道路に投影する。

では、私たちイギリス人は何を手に入れられたのだろうか?その一つが、拡張リアリティHUD、これはカメラを使って目を追跡して巧妙な3D効果を作り出す計器である。その他、運転支援システムにネットワーク接続されたLED照明、実際のボタンの代わりに、縦向きのOLEDタッチスクリーンを備えた新しい12.8インチMBUXインフォテインメントシステム。他にもたくさんある。目玉技術のほとんどを見失ってしまうのは悲しいことだが、Sが非常に快適で、豪華で、賢いクルマであることは間違いない。まあ、とにかく、私たちはそう願っている。だって、手に入らないものを欲しがってはいけないんだからね?

新型Sクラスは、物理的にそのライバル車よりも、かなりすべての部分で大きくなっているので、より広々としており、より大きなトランクを持っている。だが、その構造には、アルミニウムがふんだんに使われているので、軽量化を維持することが約束されている。一方、0.22の抗力係数を持つ新しいSクラスは、実際に購入することができる中で最も空力に特化したクルマの一つだ。より良い燃費とさらに静かなキャビンをもたらしてくれる。ルックス?主観的なものなので、SNSなんかで議論するようにしよう。

エンジン?イギリスでは、2つのディーゼル、つまり同じディーゼルの2つのバージョンと、1つのガソリンが選択できる。282hpのS350d、325hpのS400d、429hpのS500(言わずもがな、dはディーゼルを意味する)。すべて6気筒で、ガソリンと高出力ディーゼルは全輪駆動。ガソリンには48ボルトのマイルドハイブリッド技術が追加され、0-100km/hは4.9秒、S350dとS400dはそれぞれ6.4秒と5.4秒である。その他のエンジンは、ハイブリッド、V8、最終的には AMG を含む。S400dはロングホイールベースのみで、S350dとS500はショートホイールベースとロングホイールベースの2種類が用意される。

イギリスでの販売は数週間後に開始され、最初のデリバリーは2020年末までに予定されている。価格は78,000ポンド(1,100万円)前後から。

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2020/09/24745/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

HP Directplus -HP公式オンラインストア-

ピックアップ

トップギア・ジャパン 062

アーカイブ