リシャール・ミルのRM 11-05 オートマティック フライバッククロノグラフ GMT に、新素材グレーサーメットが登場した。世界140本の限定エディションで、価格は24,600,000円 (税別)。RM 11-05 オートマティック フライバッククロノグラフ GMT は、カーボン TPT®製ミドルケース、グレード 5 チタン製ケースバック、そしてグレーサーメット製ベゼルという組み合わせで大幅な軽量化を図り腕元に究極の軽量性を実現し
た。
グレーサーメットは、時計製造界におけるリシャール・ミル独自の素材であり、チタンの軽量性とダイヤモンドの硬度を兼ね備えている。
自動巻きムーブメントにはチタンを採用。主な機能としては、9時位置のプッシュボタンで簡単に調整できる GMT 表示、24 時間フライバッククロノグラフ、そしてアニュアルカレンダーを搭載しまている。グレーサーメット製のアイコニックなケースは空気力学に基づくピュアなラインを描き、サイズは 50 x 42.70 mm、厚さは 16.15 mm となっている。
サーメットの独特なグレーの色合いは、ジルコニウムの金属マトリックスと高性能セラミックスの組み合わせによるもの。製造は、きわめて厳密に行う必要があった。なぜなら、様々な素材を同時に高温で加圧しながら、それぞれの特性を維持するには大変な困難を伴うからである。欧州の産業界における化学物質の製造・使用の安全性を確保する REACH 規制に準拠するために、超硬合金に一般的に使用されるニッケルやコバルトを組成に含めなかったため、均一な素材を製造するには一層困難を伴った。
リシャール・ミルは、マイクロ技術を専門とする IMI グループと長年に及ぶ共同開発を経て、不要な結合剤を取り除き、必要な材料のみを保持することに成功した。この解決策に用いられる革新的なプロセスでは、通常通り高温で圧力を加える時に強力な電流を次々に印加することで、焼結速度を促進させる。この技術はフラッシュ焼結と呼ばれている。サーメットは、密度が 4.1 g/cm3 とチタンよりも低く、硬度もダイヤモンドの2,400 とほぼ同等の 2,360 ビッカース硬度を誇ることから、非常に傷が付きやすいベゼルに最適な素材である上、時計全体の軽量性も保つことができます。サーメットの物理特性は広く認められており、防弾用具、航空宇宙における胴体外側の部品、そしてレーシングカーのブレーキに使用されている。