BMWグループの一員となった新生アルピナの未来を象徴するコンセプトカー「ビジョン BMW アルピナ」が公開された。伝説の名車E24型6シリーズをオマージュしつつ、V8エンジンと究極の快適性を追求したこのモデルは、BMWとロールス・ロイスの隙間を埋める存在となる。アルピナの伝統と革新が融合したこの美しきモデルが目指す地平を紐解く。
これは「ビジョン BMW アルピナ」である。これは決して市販車ではないし、今後市販されることもおそらくないだろう。そうではなく、これは世界で最もクールな自動車ブランドの未来を見据えた一台なのだ。
なぜなら、アルピナはとにかくクールだからだ。もっとも、なぜそうなのかについては、捉えどころのない何かがある。もしかすると、その驚くべき希少性や、エンジニアリングとデザインへの執着的なまでのこだわりのせいかもしれないし、「わかる人にはわかる」というタイプの自動車メーカーだからかもしれない。あるいは、亡き創業者ブルカルト ボーフェンジーペンのカリスマ性と才能、モータースポーツの伝統、あるいは単にその極上のアルミホイールのラインナップのせいかもしれない。
あるいは、BMWのデザインが何をしても完璧だった時代に、アルピナが成熟期を迎えたという事実のせいかもしれない。その時代は、ブーフローエ(※アルピナの拠点が置かれているドイツの都市)が見事に「アルピナ B7 クーペ」へとリマスターした、あのゴージャスなE24型6シリーズ(※1970年代から80年代にかけて製造された「世界一美しいクーペ」と称されるモデル)のような、冷徹なまでに完璧なクラシックカーを生み出した。
そしていや、我々は適当な古いBMWを選んだわけではない。新生アルピナ(2026年1月をもってBMWという母船の完全な一部となっている)が、戦いを挑むべく狙いを定めた、希少で利益率の高い世界への進撃を牽引するためのインスピレーションとして選んだ、まさにそのモデルを選んだのだ。
なぜなら新生アルピナは、最も高価なBMWが終わるところから始まり、「うーん、その金額なら新車のロールス・ロイスが買えるな」と考える直前で終わるからだ。BMWとロールス・ロイスの間には大きな空白があり、それはこの車で埋められることになる。
いや、前述の通りこの車ではない。なぜなら、この車はより幅広い役割を担っているからだ。「BMWアルピナのポテンシャルが眠っていると我々が信じる市場において、適切なレベルにブランドを定着させることが明確な目的です」と、新ボスのオリバー フィールレヒナーは語る。「この車のもう一つの重要な役割は、アルピナを特徴づけるすべての細部を示すことであり、それこそが我々が量産車へと引き継いでいくものなのです」
「『アルピナ』として認識される、それらの小さなアイコンのことです」と彼は付け加えた。
では、BMWが現在「アルピナ」として認識しているものに迫ってみよう。いやはや、実にたくさんある。この代物は怪物のようなマシンだ。全長は5.2mで、新型BMW 7シリーズ(このアーキテクチャーを共有している)にわずか16cm及ばないだけだ。幅広で、低い。自信がにじみ出ている。そして、E24のシャークノーズ(※サメの鼻先のように逆スラントしたフロントマスク)を取り入れ、それを本当にサメのようにしている。フロントは「BMWのキドニーグリル(※BMW特有の左右対称のフロントグリル)を立体的な彫刻として再解釈した」ものだと言われている。『ジョーズ』よ、背後に気をつけろ。
そこから、サイドに沿ってL字型のライトの後部へと走る新しい「スピード・フィーチャー・ライン」があり、これが「スポーツではなくスピード」に対するBMWアルピナの献身を視覚的に示している。このことは覚えておくべき重要事項だ。
そのスピードには制限が設けられず(実際、市販のアルピナにリミッターが装着されることは決してない)、そして「芳醇な」V8内燃機関によって生み出される。まずはこれがセールスポイントだ。アルピナは「内燃機関のみ」のブランドになるわけではないが、まずは内燃機関のみでローンチされる。フィールレヒナーによれば、「プラグなし(※プラグインハイブリッドではないという意味)」の、巨大なV8内燃機関だという。
そしてそれは、いかにもアルピナらしい方法で提供される。すなわち、至高の、そして穏やかな快適さの中で、だ。すべてのBMWアルピナのデフォルトモードは、BMWの標準的な快適性の調整を超えた新しい「Comfort+(コンフォート・プラス)」設定となり、その一方で、Sport(スポーツ)とSport+(スポーツ・プラス)は「Speed(スピード)」と「Speed+(スピード・プラス)」モードを支持するために廃止された。
なぜなら、BMWアルピナと初代創業者のブルカルトによれば、「快適なドライバーは、より速いドライバー」だからだ。もしこのビジョンカーが何らかの指標になるとすれば、BMWアルピナのドライバーは間違いなく多大な快適さでもてなされるだろう。フルグレインレザー、特注のステッチ、クリスタル、メタル、サテンなど、芳醇でラグジュアリーなディテールが精巧なキャビンを彩っている……要点はわかるだろう。後部座席のグラスでさえ磁石で固定されており、アウトバーン(※速度無制限区間のあるドイツの高速道路)を全開で走っている時でも倒れないようになっている。
新しい首脳陣によれば、それは傑出したキャビンでなければならない。BMWは、新生アルピナの哲学の大部分を占めることになる広範な個別化(インディビジュアライゼーション)に対応するため、一部のディーラーや工場をアップグレードしている(これは手堅い儲け口になる。フェラーリやベントレーに聞いてみるといい)。そのため、ひどいプラスチックや基準以下の素材、あるいは不出来な仕上げなどあってはならないのだ。文字通り、100パーセントを目指している。
また、同社が「セカンド・リード(二度見させる)」ディテールと呼ぶものにおいて、その伝統を掘り起こしている。4本出しのエキゾーストパイプ、あるべき場所であるフロントエプロンに誇らしげに鎮座する新しい「Alpina」のワードマーク(そして市販車でも常にそこに鎮座することになる)、サイドに沿って走る「デコライン(※アルピナ伝統のボディサイドのストライプ)」、そして最後になったが決して軽んじることのできない……あのホイールだ。

このコンセプトカーは、「1971年以来アルピナの定番」である20本スポークデザインの、フロント22インチ、リア23インチという巨大なホイールを装着している。これだけでも買う価値があるだろう。もちろん、買うことはできないが。
まだまだある。「たとえばクロームは、目立つようには配置されていませんが、常に垂直面に配置されています」と、BMWアルピナのデザインボス、マックス ミッソーニは語る。「内部構造に目を向けると、より高い知覚価値(パーシブド・バリュー)が存在します」
「すべてのディテールが本質を反映しているのです」と彼は付け加えた。「エンジニアリングにおいて、素材において、そしてそれが語る物語において」
今日このビジョン・コンセプトから始まり、2027年に最初のBMWアルピナとなる市販車へと続く物語。「BMW 7シリーズにインスパイアされているが、間違いなくBMWアルピナである」一台だ。
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アルピナが気になった方へ
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=海外の反応=
「このまま大きなデザイン変更なしで市販化してくれれば間違いなく買いだな。最高にカッコいい」
↑「でもお高いんでしょ?どうせ一般人には手が出ない価格設定になるんだろうな」
↑「記事読めよ。ターゲットはBMWの最上級とロールスロイスの間だぞ。最初から俺ら向けじゃないんだよ」
↑「あのホイール洗うのめちゃくちゃ大変そうだな。まあ、こういうの買う層は自分で洗車なんかしないか」
↑「プラグなしの純粋なV8ってだけで価値がある。最近のEVとかハイブリッドばっかりの風潮にはうんざりしてたから、こういう尖ったモデルが出るのは素直に嬉しいわ」
↑「同意。でも市販化される頃には環境規制でどうなってるか分からんけどな」





