イタリアのレーシングカー・コンストラクターの超名門、ダラーラ(Dallara)が新型コロナウイルスによるロックダウン期間中、秘密裏に開発を進めていたという1台限りのスペシャルな「シングルシーター」がオークションに出品される。BAC モノ(※1)のライバルとも言えるこの「MPS(マッキナ・ポスト・シンゴロ)」は、車重わずか850kgのカーボン製シャシーに400馬力のエンジンを搭載。その驚異的なスペックと誕生の経緯、そしてオークションの行方をお伝えする。
友人たちが皆、あなたのダラーラ ストラダーレ(※2)の助手席に乗せろとしつこくせがんでくる? それなら、あなたにぴったりのものがある…。
これはダラーラ MPS「マッキナ・ポスト・シンゴロ(Macchina Posto Singolo ※3)」であり、これまではイタリアでのコロナウイルスによるロックダウン期間中、ダラーラの小規模な従業員チームを忙しくさせていた、ちょっとした秘密のスカンクワークス(※4)プロジェクトだったのだ。
しかし今、ダラーラはこのユニークな作品をRMサザビーズのモナコ・オークションに出品しようとしている。そしてその収益のすべては、「ヴァル・チェーノ地域の社会的および文化的な発展を促進する」ために、カテリーナ・ダラーラ財団(創業者ジャンパオロの亡き娘の名を冠したもの)に寄付されるという。素晴らしいことだ。
この車もまた、非常に特別なものであるはずだ。なぜなら、ダラーラ初のロードカーである前述の「ストラダーレ」のパーツをふんだんに使用しており、カーボンファイバー製モノコックシャシーと、400馬力(400bhp)を発揮するフォードの2.3リッター直列4気筒ターボ「エコブースト」エンジンを搭載しているからだ。車重もわずか850kg程度に収まっているはずだ。
センタードライビングポジションとスタイリングは、ダラーラ史上初のレーシングカーである1970年代初頭の「SP1000」にインスパイアされている。キャビンはタイト(スナッグ)に見えるが、MPSのフィット&フィニッシュ(組み付け精度と仕上がり)は、ワンオフ(1台限りの特注車)としては極めて印象的だ。それに引き換え、パンデミック中の我々といえば、オンラインのパブクイズ(※5)で惨敗していたというのに…。
とにかく、オークショニア(競売人)によれば、このMPSには「60万ポンド(1.3億円)を超える」価値があるという。さて、いくらで落札されると予想する?
【補足・注釈】
※1 BAC モノ(BAC Mono):イギリスのブリッグス・オートモーティブ・カンパニーが製造する、公道走行可能なフォーミュラカーのような1人乗りのライトウェイトスポーツカー。
※2 ダラーラ ストラダーレ(Dallara Stradale):F1やインディカーなどのシャシー製造を手がける世界最大のレーシングカー・コンストラクターであるダラーラが、初めて自社ブランドで発売した公道用スポーツカー(2人乗り)。
※3 マッキナ・ポスト・シンゴロ(Macchina Posto Singolo):イタリア語で「1人乗りの機械(車)」という意味。
※4 スカンクワークス(skunkworks):企業内で、通常の業務から離れて秘密裏に革新的なプロジェクトを進める少数精鋭のチームのこと。元々はロッキード・マーティン社の開発チームの名称。
※5 オンラインのパブクイズ:イギリスのパブ(居酒屋)で定番のクイズ大会のこと。ロックダウン中はZoomなどを使ってオンラインで開催され、大流行した。
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