BMWの次世代EVプラットフォーム「ノイエ クラッセ」の中核を担う新型「iX3」。その真新しいデザインについて、初代MINIやマクラーレンP1を手掛けた世界的カーデザイナー、フランク ステフェンソンが鋭く分析する。果たして彼のプロの目から見た評価は「アリ」か「ナシ」か? 忖度なしの辛口デザインレビューをお届けする。
フランク ステフェンソンは、フォード エスコート RS コスワース(※1)、初代BMW ミニ、マセラティ MC12(※2)、数々のフェラーリ、そしてマクラーレン P1など、ビートルズよりも多くのヒット作を生み出してきたカーデザイナーである。最近、彼は自身のコンサルティング会社「フランク ステフェンソン デザイン」を経営している。ここでは、BMW iX3についての彼の見解を紹介しよう。
ここ最近の「非常に不評だった」デザインの方向性に続き、BMWは少しトーンダウンすることに決めたようだ。新しくも古い「ビーバーの歯(※3)」のようなグリルのグラフィックを除けば、これまでの路線からの喜ばしい脱却と言える。フロントから見ると、従来の内燃機関(ICE)車のようなロアバンパーのエアインテーク部分は、冷却の必要性が減ったEVにしては過剰にゴチャゴチャして見える。
古典的なプロポーションを持ち、発光する新しいキドニーグリルは上品にスタイリングされているが、少しつまみすぎで、まるで口をすぼめているかのようだ。ヘッドランプは「ノイエ クラッセ(※4)」のための新しいライティングシグネチャーを巧みに作り出しており、かつての「エンジェルアイ(※5)」は今やスネークアイ(蛇の目)のグラフィックに置き換えられている。

サイドから見ると、大きなホイールがブロックのようなサイドのボリューム感を相殺し、安定した印象を与えるのに役立っている。ホイール開口部周りの角度のついたフェンダーの折り目(プレスライン)は、サイドビューにおいて表面的な面白さを注入する唯一のデザイン要素だ。それにもかかわらず、これらは視覚的に少し耳障りであり、それ以外は控えめなサイドビューとはあまり上手く調和していない。
それ以外では、滑らかな表面のボディサイドと、突き出たドアハンドルの不在が、0.24という非常に低く立派な空気抵抗係数(Cd値)に貢献している。パフォーマンスにとっては素晴らしいが、視覚的な派手さという点ではそれほどでもない。
リアでは、少しありきたりではあるものの、iX3はしっかりと地に足の着いたスタンスを持っている。BMWのシグネチャーであったL字型テールライトの記憶に残る日々はとうの昔に過ぎ去り、ここでは水平に配置された2つのユニットに置き換えられ、バッジのための凹んだエリアを誇らしげに提供している――ボンネットと同様の解決策だ。ナンバープレートは、テールゲートの下、必要以上に大きな凹んだエリアの中で浮いている。この解決策は隣接する表面の流れを止め、滑らかに溶け込んだフォルムの言語ではなく、荒々しく彫り込まれたゾーンを作り出している。
ナイス・トライ。でも次回に期待だ。
判定:ノット(NOT:いけてない)
【補足・注釈】
※1 フォード エスコート RS コスワース: 90年代のWRC(世界ラリー選手権)で活躍したフォードの伝説的ホモロゲーションモデル。巨大なリアウィングが特徴。
※2 マセラティ MC12: エンツォ フェラーリをベースに作られたマセラティの限定スーパーカー。
※3 ビーバーの歯: 近年のBMWで顕著な、縦に巨大化したキドニーグリルを揶揄した表現。
※4 ノイエ クラッセ(Neue Klasse): ドイツ語で「新しいクラス」の意。BMWの次世代EV専用プラットフォームおよびデザイン言語の総称。
※5 エンジェルアイ: BMW伝統の丸型(またはU字型)のデイタイムランニングライト。日本では「イカリング」と呼ばれることが多い。
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=海外の反応=
「俺ならそんなに優しくは評価しないね…俺の判定:『ノイエ(新しい)ケツの穴』にでも突っ込んどけ」
「俺は好きだよ。実物を何台か見たけど、シルバーで特に22インチホイールを履いているとカッコいい(残念ながら22インチは高価なオプションだし、航続距離も短くなるけど)。アダプティブダンパーが付いた、もっとスポーティなM60を待ってるんだ。今のモデルには用意されてないからね」





