第4世代の新型シトロエンC3 HYBRIDが登場。大胆なデザインと伝統の快適性をさらに進化。CMFデザイナーが語る開発秘話と、細部に宿るフランス車ならではの遊び心を詳報する。
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2025年10月5日、Stellantis ジャパンは、Bセグメントの中核モデルであるシトロエン「C3」の第4世代となる新型「C3 HYBRID」を発表した。2017年の国内導入以来、累計販売台数1万台を超える人気モデルとなった先代の魅力を受け継ぎつつ、デザイン、快適性、パワートレインのすべてを刷新。シトロエンの新たな時代の幕明けを象徴する一台である。発売は2025年11月6日(木)を予定している。
コンセプトカーのDNAを宿す、大胆なエクステリア
新型C3のデザインは、従来のハッチバックから大きく進化した。最大の変更点は、2022年に発表されたコンセプトカー「Oli(オリ)」のデザイン哲学を色濃く反映していることだ。垂直に近いフロントフェイスには、シトロエン創業時のロゴを現代的に解釈した新しいブランドロゴ「ダブルシェブロン」が配され、左右のLEDヘッドライトへと繋がるリズミカルな”シェブロンライン”が、ブランドのアイデンティティを力強く主張する。
また、全高は先代比で95mmアップしており、SUVのような骨太なプロポーションを獲得。これにより、街中での取り回しの良さはそのままに、見晴らしの良いドライビングポジションと広々としたヘッドクリアランスを実現した。
マイルドハイブリッドと「魔法の絨毯」が生む、新次元の走り
パワートレインには、ブランドの電動化戦略を担う新世代の48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載。1.2Lガソリンターボエンジンに15kWのモーターと6速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を組み合わせ、システム合計で最高出力110psを発揮する。これにより、街乗りから高速走行まで滑らかで力強い走りと、22.3km/L(WLTCモード)という優れた燃費性能を両立させた。
そして、シトロエンの真骨頂である「快適性」は、新たな高みへと引き上げられた。路面からの衝撃を巧みに吸収する「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC®)」と、厚みのあるシートが体を優しく包み込む「アドバンストコンフォートシート」が全車に標準装備される。この組み合わせは、まさしく「魔法の絨毯」のような上質な乗り心地を提供する。
CMFデザイナーが語る、新型C3のデザインの神髄
本モデルのCMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)デザインを担当した柳沢知恵氏と、マーケティングを担当する中山氏が登壇し、デザインの意図や戦略について語った。以下に、質疑応答の模様をテーマごとに再構成して記す。柳沢氏は、シトロエン カラー&マテリアルデザイナー。筑波大学大学院芸術研究科終了後、日産自動車デザイン本部に勤務、ルノー社への赴任を経て、2015年より現職。
――まず、新型C3のデザイン、特にCMFにおける全体のコンセプトについて教えてください。
柳沢氏: はい。今回のC3 HYBRIDでは、「Feel Good」というコンセプトを掲げました。乗る人が心から「気持ちいい」と感じられるクルマを目指し、デザイン、カラー、素材のすべてを選定しています。シトロエンが伝統的に追求してきた「快適性」を、現代の価値観で再解釈し、視覚的、触覚的にも心地よさが感じられるデザインを追求しました。
――Bセグメントのインテリアで最も重要だと考えるキーポイントと、フランス車らしい「色」のアピールポイントは何でしょうか?
柳沢氏: Bセグメントでは、空間が限られているからこそ、なるべく色を使って楽しい雰囲気を演出したいと考えています。しかし、質感や雰囲気を担保しつつ、多くの方に選んでいただける色合いに着地させるのが課題でした。例えば「PLUS」グレードでは、最終的にダッシュボードにブルーのアクセントカラーを採用し、落ち着きと遊び心を両立させています。
アピールしたいのは、まさに「シトロエンコンフォート」の表現です。特にシートと、インストルメントパネルの「ソファー」と呼んでいる布張りの部分が肝になります。このソファー部分は、大胆な柄でありつつも色は抑えめにするというバランスを取りました。目で見て柔らかそう、触っても心地よい、という感覚を大切にしています。
――心地よさを感じさせる素材の組み合わせについて、ルールや哲学はありますか?
柳沢氏: 質感のコントラストを重要視しています。例えば、カチッとしたプロダクト製品のような硬い素材の隣に、柔らかいソファーのような素材を置く。そうすることで、硬いものが柔らかいものの特徴をより強く引き立て、それぞれの質感が際立ちます。また、ディテールにもこだわりました。シートの肩の部分が張り出して見えるように、細い「コアレスパイピング」という手法を使っています。これにより、一見して大きくは目立たないけれど、手が込んでいると感じられる質感の向上を狙いました。
――開発時の予算との兼ね合いで、譲れなかったポイントと、コストを実現できた工夫について教えてください。
柳沢氏: 譲れなかったのは、メインシート部分に使われている10mm厚のウレタンフォームです。サプライヤーの通常対応は2mm厚だったのですが、心地よさと見た目のボリューム感を両立できる厚みとして、交渉を重ねて10mmに落ち着きました。
コスト削減で効果的だったのは、スキッドプレートなどの外装部品に「原着樹脂(練り込み樹脂)」を採用したことです。これは素材自体に色がついているため、塗装やメッキといった後加工が不要になります。コストに寄与するだけでなく、傷がついても塗装が剥げる心配がないという利点もあります。
――コンセプトカー「Oli」から市販車に落とし込む際、妥協できなかった要素と苦労した点は何ですか?
柳沢氏: 絶対に落とし込みたかったのは、Oliが持っていたアクセントカラー、特にあの鮮烈な蛍光色の「感覚」です。もちろん市販車でそのまま蛍光色は使えませんが、ハッと目を引くアクセントカラーの存在は必須と考え、C3では鮮やかな赤をその役割として採用しました。
中山氏: そのアクセントカラーに関連した日本独自の企画として、カラークリップを活用した「あなただけのトリコロール」診断メーカーというウェブコンテンツを導入します。気分や好みに答えていくと、自分だけのトリコロール色のステッカーが作成でき、より個性的なクルマづくりを楽しんでいただけるようサポートします。
――エクステリアのカラークリップや、インテリアのドアに付いているタグなど、遊び心のあるディテールについて、その背景を教えてください。
柳沢氏: クリップの配置ですが、フロントはクルマの「顔」なので必須と考えました。サイドのドア脇への配置は、シトロエンがこれまでもこの位置でグラフィックによる遊び心(ストライプなど)を表現してきた歴史の流れを汲んでおり、迷いは少なかったです。
インテリアのドアに付いている「Be Happy」「Feel Good」といった赤いタグは、「イースターエッグ(隠し要素)」の一つです。乗った時に思わず笑顔になってもらえるような仕掛けとして考案しました。実は全部で4つのメッセージがあります。他にも、グローブボックス内には歴代シトロエンのシルエット柄が、リアウィンドウには鶏のシルエットが隠されていたりと、車内の至る所に発見する楽しみを散りばめています。タグのメッセージを国際的なブランドとして英語にしたのもポイントです。
――シトロエンの歴史を知らない新しいマーケットに対し、どのように「シトロエンらしさ」をアピールしていくのでしょうか?
中山氏: その点は、マーケットのシトロエンの歴史の長さに応じて、投入するクルマ自体を変えています。例えば、歴史の浅いインドやブラジルといったマーケットでは、コストを抑えながらもシトロエンらしさを感じられる別のC3(旧ダブルシェブロンモチーフを持つ)を展開しています。一方で、ヨーロッパや日本のようにブランドの歴史が長い先進国マーケットでは、ヘリテージを訴求でき、一定のクオリティを担保できる今回の新しいC3を投入しています。日本は欧州市場と同様の扱いであり、シトロエンのコアな価値をしっかりと伝えていきたいと考えています。
――最後に、柳沢さんがデザイナーとして尊敬しているクルマや、C3をベースに今後チャレンジしたいことはありますか?
柳沢氏: 私が最もリスペクトしているクルマは「C4 Cactus」です。あのクルマに出会ったことが、転職してシトロエンで働きたいと思うきっかけになりました。私の人生を変えた、特別な一台です。
今後のチャレンジについては、今はまさに新しい限定車などを担当している進行形の段階なので、具体的なことは申し上げられません。しかし、現在ステランティスやシトロエンのトップが変わり、ブランドが過渡期にある中で、デザインストラテジーの進化を取り込んだ、よりシトロエンを象徴するようなモデルが生まれるかもしれません。ご期待ください。
2つのグレード展開と価格
新型「C3 HYBRID」は、充実装備のベーシックモデル「PLUS」と、上質な内外装と先進機能を備えた「MAX」の2グレードで展開される。メーカー希望小売価格(税込)は、「CITROËN C3 PLUS HYBRID」が3,390,000円、「CITROËN C3 MAX HYBRID」が3,640,000円。
10月5日(日)から11月5日(水)まで、全国の正規ディーラーにて先行商談キャンペーンが実施され、発売に先駆けて実車が展示される。デザインコンシャスなコンパクトカー市場に、シトロエンが投じる意欲作の登場である。
400号記念:UK400マイルロードトリップ/フェラーリ F80/フェラーリハイパーカー:トップギア・ジャパン 069
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