‘ブリティッシュ ビューティ’が反映されたロイヤルエンフィールドが好調の理由とは?

ロイヤルエンフィールドは1901年に創業された世界最古のバイクメーカーとして知られ、日本でもここ数年そのブリティッシュでレトロなスタイルに魅了されたファンが急激に拡大している。3月28日から東京ビッグサイトで開催された「第52回東京モーターサイクルショー」で、アジア太平洋市場担当事業責任者のAnuj Dua(アヌージ・ドゥア)氏にお話を伺った。

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ロイヤルエンフィールドは1901年に創業された世界最古のバイクメーカーとして知られ、日本でもここ数年そのブリティッシュでレトロなスタイルに魅了されたファンが急激に拡大している。3月28日から東京ビックサイトで開催された「第52回東京モーターサイクルショー」では、そんなロイヤルエンフィールドが3台の新型モデルの展示を行った。初日のブースは黒山の人だかりができるほどの盛況ぶりでこのブランドの人気の高さを示したのである。プレスカンファレンスではアジア太平洋市場担当事業責任者のAnuj Dua(アヌージ・ドゥア)氏が登壇し、新商品の解説を行ったが、このユニークなブランドのさらなる魅力に迫るお話を伺えたのでご紹介したい。

ロイヤルエンフィールドが、たくさんの人々をさらにモーターサイクルの世界に導きたい

プレスカンファレンスでドゥア氏がまず口にしたのは日本のインポーターであるPCIとディーラー、顧客への感謝の言葉だった。昨年ロイヤルエンフィールドは中排気量クラス(350ccから650cc)で世界一の販売台数を記録した。多くの市場で販売が成長したが、その大きな要因は全世界で3,000あるロイヤルエンフィールドのネットワークが顧客と積極的に友好な関係を築き、試乗イベントやコミュニティの構築に力を注いだ結果だと言う。日本ももちろんその成長した市場の一つである。

壇上でドゥア氏は今回、3種類の新型モデルの発表を行った。これらの新モデルでロイヤルエンフィールドが人々をさらにモーターサイクルの世界に導きたいと語る。

BEAR 650は1920年代から60年までカリフォルニアの砂漠で行われていた耐久レース「ビックベアー・ラン」からインスパイヤーされた最もクールなスクランブラーだと言う。展示されていたモデルは白いタンクに緑のフレームがアクセントカラーのTwo Four Nine(トゥー・フォー・ナイン)。無骨ながらスタイリッシュな印象を与えるモデルであった。

CLASSIC 650はオーセンティックでレトロなデザインを特徴とするが、日本で最も人気の高いモデルだという。スピードより気軽にリラックスしてライディングを楽しめることを重視したモデルである。ドゥア氏は今後の日本でのこのモデルの成功に自信を示していた。

そして最後にはGOAN CLASSIC 350の紹介を行った。このモデルはインドにある華やかなビーチとパーティの街「GOA」(ゴア)をイメージして作られたモデルで、このモデルが表現する自由な精神が日本でも新しい「アーバンカルチャー」を作り出すと期待しているという。「GOAN」(ゴアン)の呼称は、ゴアで造られた、を表している。

プレスカンファレンスの後に個別に話をする機会を設けていただいたので、その様子を一問一答形式でご紹介したい。

TG:まずはドゥアさんの経歴を教えて下さい。
RE:私は大学院を卒業後、運良く二輪の業界に入ることができました。ロイヤルエンフィールドでは、最初の3年は製品企画のリーダー、次の3年はブランドマネージャーを務めました。そして現在の職であるアジアパシフィックの代表になって3年になります。

TG:ロイヤルエンフィールはどのような歴史を持ったブランドですか?
RE:創業は1800年代まで遡ります。当時は自転車用の小型部品や銃器や弾薬などの精密部品を作っていました。「Made like a gun…」という砲台の描かれたブランドロゴを見て不思議に思われる方もいるかと思いますが、起源はそこにあるのです。

TG:来年で創業125周年を迎える世界最古のオートバイメーカーですが、現在まで引き継がれているブランドの価値はありますか?
RE:常に変わらず共通している価値は、レトロなデザインへの愛、本物の機械づくりへの愛、シンプルな物への愛です。競合他社がやっているから、あるいはビジネスとしてという理由だけで何かを行うことはありません。すべての動機は「楽しい」から始まります。「楽しい」は常に変わらぬ価値ですので、私達はすべての人々が、他の人々とつながるために、シンプルで楽しいバイクを作るという信念を貫いてきました。そして、この価値は社内にも継承されています。当社では、製造ラインのスタッフから最高経営責任者(CEO)まで、誰もがオートバイを愛し、実際に乗っています。そしてロイヤルエンフィールドはグローバルブランドでありながらも、働くのがとても楽しくてフレンドリーな会社です。私がよく使う言葉は「トモダチ」です。本社と輸入代理店、輸入代理店とディーラー、ディーラーと顧客の間で、ビジネス上の取引というよりも、もっとカジュアルで楽しい関係を築きたいと心から思っています。

TG:ここ数年どこのディーラーを訪ねてもロイヤルエンフィールドが好調だと聞きます。
成功の要因はなんですか?
RE:昨日、ディーラー会議と交歓会があったのですが、その席で「なんでロイヤルエンフィールドのビジネスをはじめてくれたのか?」と尋ねました。ディーラーは当時、販売台数も少なく不安だったでしょう。私達は企業理念、ブランドとは何か、そして彼らがさらに何をすべきかについて、ディーラーに伝え続けています。そして私たちの生き方をディーラーに理解してもらったことが成功の要因だと思います。つまり顧客を大事にしたビジネススキームなのですが、歴史を知ってもらい、ブランドを知ってもらって、更に販売する姿勢とかそういったところ全てを気に入ってもらってファンのコミュニティが広まって、 それが売上につながっていくというポジティブなループがうまく機能してきていると思います。先程も言いましたが、すべての人に「トモダチ」として接する姿勢がビジネスにも好影響を与えているのではないでしょうか。

TG:日本のお客様はロイヤルエンフィールドの何に魅力を感じて購入されていると感じますか?
RE:日本ではロイヤルエンフィールドのとてもクールで、とてもオーセンティックで、レトロな独特のスタイルが受け入れられています。スタイリッシュな外観に惹かれて買っている人が多いという実感があります。またバイクと常にコミュニケーションをしているようなエンジンの感覚や、乗り心地を好まれる方も多くいます。ロイヤルエンフィールドのバイクは単純にA地点からB地点まで早く移動するための道具ではありません。「リラックスして、その場所を楽しもう、仲間と楽しもう、自然を楽しもう」という姿勢が商品に反映されており、そのあたりも気に入っていただけているのではないでしょうか。
3年前では考えられなかったことなのですが、昨年9月に日本で実施したイベント「One Ride」(ワン・ライド)では1,000人を超える人々が参加してくれました。バイクに乗る文化、友達と話す文化、みんながそれを愛しているのです。私達の仕事は、この文化を広げていくことです。シンプルにバイクが提供する楽しさ、そのバイクを通じた生きたコミュニケーションが人々に喜びをもたらすと信じ、その活動を後押しするバイクのメーカーであり続けたいと思います。

TG:幅広いモデルラインナップの中で共通したポリシーのようなものはありますか?
RE:「レトロ」という言葉はロイヤルエンフィールドを言い表す大事なDNAです。その中でもユニークな存在であることを常に追求しています。

TG:ロイヤルエンフィールドは英国に起源を持つ会社ですが、現在はインドを本社としています。英国らしさはどのように製品に反映されているのですか?
RE:ロイヤルエンフィールドは伝統を守り、継承していくことも重要視しています。そうった意味ですべてのモデルは「ブリティッシュ・ビューティ」が反映されています。大きな理由は、近年イギリスにもR&D(研究開発センター)を開設したことです。現在のモデルはイギリスとインドの知能の結晶と言えるでしょう。
イギリスらしさはとても大事です。数年前、英国のレディッチ(Redditch)にある旧ロイヤルエンフィールドの工場を買おうとしたのですが、オーナーは売ってくれませんでした。もはや機能的な価値などない工場なのに、です。ロイヤルエンフィールドはそれほどまでにイギリス人にとって大きな感情的価値をもたらすブランドであるのでしょう。英国文化を理解している人間として、彼らは歴史を生き生きとさせ、本物であり続けようとしていることは知っています。ですので、私達は各国の好みに合わせてバイクを作り変えるようなことはしません。レトロなスタイルを好む世界共通の顧客の心理を大切にし、英国のロイヤルエンフィールドをロイヤルエンフィールドらしく保つことが重要なのです。

TG:では、最後に日本のファンにロイヤルエンフィールドを通じて何を感じていただきたいかメッセージを下さい。
RE:ロイヤルエンフィールドを買うということは歴史を買い、歴史を継承するということであることもぜひみなさまに感じていただきたいです。

【編集後記】
ロイヤルエンフィールドのアジア太平洋市場代表へのインタビューとあって、いかにもビジネスで成功したエリートサラリーマンの登場を想像していたが、ドゥアさんは実に和やかで、朗らかで、しかも質問に対して明確に回答してくれるスマートで人間味溢れるリーダーであると感じた。これはもちろん個人の性格に帰する部分もあるだろうが、上下左右誰とでも分け隔てなく接するロイヤルエンフィールドの「トモダチ」カルチャーの影響が多いのだろう。プロダクトそのものの魅力も大きいが、今後は製品を取り巻くカルチャーを気に入って購入に至るケースも増えてくるように思える。ディーラーに行っても、ポンとキーを渡され「乗ってきな!」と言うようなカルチャーがロイヤルエンフィールドにはあるという。
これは実に古典的なバイクショップでの店長と常連のやり取りでもある。しかし若い世代にはこのようなコミュニケーションは逆に新鮮で、新しいブランド体験なのかもしれない。
全世界で年間約100万台のバイクを生産するロイヤルエンフィールド。日本での販売シェアはまだ少ないと言うが、レトロな空気感を持つユニークなスタイル、価格、そしてこのブランドの魅力を発信するファンの存在が、新たなバイクカルチャーを作り出して行くような気がする。

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