最後のアルピナ、新型B3 GT/B4 GTはALPINAの真摯なクルマづくりを具現化したモデル

BMW ALPINA B7 Turboから始まり、日本と50年近く良好な関係を築いてきたアルピナ。最後のアルピナ、新型B3 GT/B4 GTはALPINAの真摯なクルマづくりを具現化したモデルだ。

らく診
&RESORT HOUSE(アンドリゾートハウス)

ALPINA B3 GT/B4 GTの内覧会が開催された。2026年よりALPINAの名前とブランドはブッフローエを離れ、BMWグループの一部となることから、2025年で独立した自動車メーカーとしてのアルピナは終了してしまうので、このB3 GTとB4 GTが最終モデルになる。会場であるALPINA世田谷ショールームに着くと、入口で我々を出迎えてくれたのは、BMW ALPINA B7 Turbo (1979)だった。これは、1978 年の IAA で発表され、瞬く間に世界最速の4ドア車の称号を得たモデルである。5速MTで3.0L直列6気筒ターボチャージャー(KKK K27)は300PS/462 Nmを発揮し、0-100km/h 6.5秒、最高速度は251 km/hである。BMWのE12型5シリーズをベースにプルカルト・ポーフェンジーベンが手掛けた工ンジンは名機ビッグシックスに単にターポを組み込むだけにとどまらず、インタークーラー、ウエストゲート、リサーキュレーションパルプ、ピエルプルグDL型機械式インジェクションシステムなどを備え、当時最先端であると同時に現代のターポェンジンにも通ずる完成型であった。エクステリアは前後スポイラー、デコライン、20本スポークの16インチホイールを備え、インテリアはアルピナ・エンプレムを備えた4本スポークのMOMO製ステアリングホイール、ウッドシフトノブ、オリジナルフアプリックのスポーツシート、プースト計を含む追加3連メーターなどが目を引く。足回りはビルシュタイン製ダンパー強化スプリング、スタピライザー等によりエンジンパワーに対応したセッティングがなされていた。象徴的な20本スポークホイールが印象的だ。この個体は1977年に創業したニコル・レーシーグ・ジャパンが1979年に輸入した日本第一号車で、46年間にわたり保管していたものだ。そして、2Fに上がると2025年の最終モデルであるB3 GTとB4 GTがアンベールを待っていた。46年間の日本におけるアルピナの年月をともに噛み締められるような演出だった。

プレゼンテーションは、アルピナのCEO、アンドレアス ボーフェンジーペン氏のビデオメッセージから始まった。「この46年間、ALPINAブランドの日本での成功はまさに目覚ましいものでした。BMW ALPINA車への需要はこれまでにないほど高まっています。実際、日本におけるALPINA車の受注は記録的なものとなっており、これはこの市場においてALPINA車が愛され、賞賛され続けていることの証しです。日本は私たちにとって最も重要な地域のひとつであることは間違いなく、私たちのクルマが日本のエンスージアストたちの心に強く響いていることを誇りに思います。2026年よりALPINAの名前とブランドはブッフローエを離れ、BMWグループの一部となります。ブッフローエで過去60年にわたって成し遂げてきた素晴らしい業績を称え、私たちは、最後の特別モデルセットでその豊かな歴史に敬意を表したいと考えました。それがBMW ALPINA B3 GTとB4 GTです」

ニコル・レーシング・ジャパンの社長、ミヒャエル ヴィット氏からもビデオメッセージが寄せられた。「今年、アルピナは設立60周年で、ニコルがアルピナの販売を始めて47年になります。1階のエントランスの近くにディスプレイしている車は、私たちが初めて輸入したアルピナ車です。

日本はアルピナにとって非常に重要なマーケットで、「車のコニサー、目利き」と呼ばれる多くのロイヤルカスタマーに支えられてきました。B3 GTとB4 GTを発表したとき、日本にはまだ車が到着していませんでしたが、予想以上にたくさんのご注文をいただきました。1月中旬に発表した限定モデルのB8 GTは、世界の販売台数の3分の1が日本に割り当てられましたが、たった1日で売り切れました。

2026年から、ボーフェンジーペン家は、歴史的なモデルや現行モデルのアルピナパーツやアクセサリーの販売を強化して、貴重なビンテージカーの修理も行います。もちろん、成功しているワインビジネスも継続して、成功した企業家としてエキサイティングな新しいプロジェクトも始めます。いま私が共有できる情報はこれだけです。ぜひ、2025年の新たなニュースを楽しみに待っていてください。ニコルはこれからも日本のすべてのアルピナのお客様のために素晴らしいサービスを提供します。また、アルピナクラシックという新たなブランドでアルピナパーツやライフスタイルグッズの販売を拡大して、4月にはオンラインショップもリリースします。

アルピナとニコルの日本での強いつながりを考えると、2026年からはBMWグループの仲間としてニコルが日本の今後のアルピナをサポートする重要な役割を持つことになると確信しています。

現在の話に戻りますが、アルピナは“今が旬”です。ALPINAの需要がピークの中、ニコルはボーフェンジーペン家と協力して日本のお客様のために225台の追加生産に成功しました。アルピナの最後のモデルのB3 GT、B4 GT、D3 S、D4 S、XB7 MANUFAKTURは、まだご注文いただけますが、年末まで注文を待つことはお勧めしません。ぜひ、アルピナの最後のモデルにご試乗ください」

続いて、ニコル・レーシング・ジャパン マーケティングダイレクターの森 亨氏による車両紹介が行われた。

価格は B3 GT Limousine が 16,500,000 円、B3 GT Touring が 17,200,000 円、B4 GT Gran Coupé が 17,100,000 円となっている。34PS 出力が向上し、シャシーダイナミクス、エアロダイナミクス、エクステリアデザインが変更された。エクステリアでは、カナード、スプリッター、リアディフューザーのデザインが変更され、オロ・テクニコ仕上げの 20 インチ鍛造ホイールが装着されている。インテリアでは、オロ・テクニコのカラースキーム、ステアリングホイールのステッチ、アルミニウム製シフトパドルがついている。リアダンパーとボディ結合部の剛性向上、ドーム・バルクヘッド・レインフォースメント・ストラットの点で強化された。フロントアクスルのスタビライザー強化、可変スポーツステアリングとアクティブ・ダイナミック・ダンピング・コントロールのセッティング変更、四輪駆動システムと電子制御式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルの新しいセッティングなど、細部まで手が入っている。

森氏は、アルピナがマイナーチェンジに見えるモデルに対しても、真摯に開発を続けている点を強調した。これは、アルピナの品質に対するこだわりを示すものだ。例えば、B4 GTでは、電子制御プログラムを1からやり直していることが挙げられた。個人的な感想として、B3 GTの候補車試乗において、エンジンフィーリングや足回りが素晴らしかったと述べていると同時に、アルピナというブランドが終焉を迎えることに対する寂しさも感じていることを吐露した。

森氏にお話を伺った。
―アルピナの顧客層について
クルマの目利き」の方が多く、様々な車を乗り継いだ末にアルピナにたどり着く人が多いという印象です。わかりやすい例えで申しますと、医師のお客様は、葉山にご自宅があり、都内の病院に車通勤しています。徹夜勤務の後に疲れていても快適に帰宅でき、速度も出るクルマを求めていらっしゃる、といったストーリーでしょうか。実用性と乗り心地を両立している点が評価されているのだと思います。スーパースポーツカーから増車される方も多いですね
―アルピナという会社のイメージについて
ドイツの郊外にあって、規模が小さく、社員は実直な人が多いです。今回のB3 GT/B4 GTのようなマイナーチェンジでも、電子足回りのセッティングやエンジンマッピングをやり直すなど、手抜きを一切しないところにも、その誠実さが現れていると思います。

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