【試乗】マイナーチェンジしたルノー アルカナ、グレード名はエスプリ アルピーヌへ

ルノーのクーペSUVである「アルカナ(ARKANA)」がマイナーチェンジされ、10月9日から販売が開始された。今回はデザイン中心のマイナーチェンジであり、パワートレーンなどのハード系は基本的に変更されていないのだが、試乗の機会を得たので、その印象を報告しておこう。

【KINTO】

2020年10月に現行型の初代が発表されてから、全世界で約29万台を販売している、ルノーのCセグメント クーペSUV「アルカナ」。これにはルノーコリア(旧ルノーサムスン)の兄弟車「XM3」も含まれる。日本では2022年5月に発売開始され、2024年6月までに約2000台を販売している。

ジャーマン3(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)のSUVに比べると台数は少なめだが、それでも輸入車のSUVとしてはまずまずの販売状況とインポーターのルノー・ジャポンでは認識している。しかも、半導体の供給不足などの関係でハイブリッド車を製造できない時期が半年ほどあったそうだ。

ルノー・ジャポンによると、アルカナを購入した人の購入時の理由は、大きく5つあげられるという。

①エレガントかつ個性的なデザイン
②ルノー独自のEテック フルハイブリッドによる好燃費
③Eテック フルハイブリッドによる運転の楽しさ
④室内と荷室の広さ
⑤プレミアム感

この5点はアルカナの特徴とそのまま重なるのだが、この5点を活かしつつマイナーチェンジされたのが、今回のモデルだ。

エクステリアでは、フロントの印象が変わった。エレガントなフラットデザインの新エンブレムと、ハーフダイヤモンドシェイプが立体的に浮かび上がるフロントグリルが斬新だ。リアまわりでは、フロント同様のフラットデザインの新エンブレム、クリアなライトクラスター、ブラックのARKANAロゴ、そしてスポーティなブリリアントブラックのエキゾーストフィニッシャーが引き締める。

スポーティかつエレガントなイメージを強めて、グレード名も「Eテック エンジニアード」から「エスプリ アルピーヌ」へと変わった。ルノー グループのスポーツカーブランド「アルピーヌ」の特徴である、スポーツ/プレミアム/フレンチタッチのエッセンスを反映した、スポーツシックなトリムラインだ。

既にフランス本国ではルーテシアなどにも設定され、今後は日本仕様でも他のルノー車で展開していく予定だ。BMWでいえば「Mスポーツ」、メルセデス・ベンツでいえば「AMGライン」のようなグレードといえば分かりやすいだろうか。

フロントフェンダーにはアルピーヌのロゴとエンブレム、シートバックにもロゴが入れられている。インテリアではステアリングホイールやドア内張りのトリコロールのステッチがオシャレだ。

さらにインテリアでは、従来型は7インチだったタッチスクリーンが9.3インチになり、ダッシュボードやドアパネルのマテリアルを変更し、スポーツシックな雰囲気を高めている。またサステナビリティの一環として、ステアリングホイールとリアシート地はTEPレザー、フロントシート地はTEPレザー/スエード調のコンビを採用して、レザーフリー化している。

走りっぷりに変わりなし。パワートレーンはきわめてスムーズ

前置きが長くなってしまったが、そろそろ走り出そう。アルカナには既に何回か試乗しているが、今回もパワートレーンには変更がないため、走りのフィールは大きく変わってはいない。ただし、タイヤサイズは従来型の215/55R18から225/45R19にアップしている。それでも、乗り心地は悪くなっていない。

今回の試乗では高速道路と郊外路が中心で、ワインディングロードを駆け抜けるような機会はなかったが、従来型からのキャリーオーバーであるから、ハンドリングは悪くないはずだ。パワーメーターを見ながらアクセルペダルをコントロールして、なるべくモーターで走らせていけばロードノイズはおさえられ、高速走行もかなり静かだ。

それでも加速時などに意図的にアクセルペダルを踏み込んでエンジンを回してみると、けっこういい音がする。とはいえ、音でイメージされるほどメチャ速いわけではない。ハイブリッドとはいえベースのエンジンは94psの1.6Lノンターボだから、すごくパワフルといった印象は受けない。

実質12速になるマルチモードATはシフトショックも少なく、きわめてスムーズ。エンジンのON/OFFもメーターを見ていないと気づきにくいほど。この自然さなら、マニュアルモードは不要だろう。というより、12速をマニュアル操作するとトラブルの元にもなりそうだし…。

スポーツシックなインテリアはいい感じだし、大きくなったタッチスクリーンも扱いやすい。ACC(アダプティブ クルーズコントロール)の作動も適切だ。インテリアの広さや使い勝手の高さも従来型と変わらない。スタイルから想像されるよりリアシートは広く、リアシート使用時でも480Lあるラゲッジスペースはワゴン的にも使える。

輸入車のクーペSUVは比較的高額なモデルがほとんどだから、そういう意味でもアルカナは貴重な存在だ。個性的なデザインにアルピーヌのエッセンスも加わり、スポーティなイメージが強められた。そしてEテック ハイブリッドによる好燃費と走りの良さも楽しめる。

適度なサイズで街中でも扱いやすく、平日はビジネスの足に、休日はレジャーの足にと、アルカナはまさにクロスオーバー的に使うのに格好の1台だ。国産・輸入車を含めライバルがひしめくCセグメントSUVのマーケットだが、このマイナーチェンジでアルカナが再評価されることに期待したい。(篠原政明)

■ ルノー アルカナ エスプリ アルピーヌ Eテック フルハイブリッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4570×1820×1580mm
●ホイールベース:2720mm
●車両重量:1470kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター×2
●総排気量:1597cc
●エンジン最高出力:69kW(94ps)/5600rpm
●エンジン最大トルク:148Nm(15.1kgm)/3600rpm
●モーター最高出力:36kW(49ps)/1677ー6000rpm、15kW(20ps)/2865ー10000rpm
●モーター最大トルク:205Nm(20.9kgm)/200−1677rpm、50Nm(5.1kgm)/200ー2865rpm
●トランスミッション:4速AT(エンジン)+2速AT(モーター)
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●WLTCモード燃費:22.8km/L
●タイヤサイズ:225/45R19
●車両価格(税込):499万円

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