新型メルセデス・ベンツ EQS SUVが電気自動車専用プラットフォームを採用したメリットとは?

航続距離593kmの7人乗り

メルセデス・ベンツがラグジュアリーSUVである、EQS SUVを発売し、EVの専売拠点、メルセデスEQ横浜で発表を行った。ラインナップは2種で、EQS 450 4MATIC SUVが15,420,000円、EQS 580 4MATIC SUV Sportsが19,990,000円。どちらも右ハンドルのみの設定だ。

EQS SUVはEQSのセダンに、7人の大人が快適に過ごせる高品質な室内空間とSUVの使い勝手の良さを組み合わせたモデルとなる。EQS SUVは電気自動車専用のプラットフォームを採用し、電気自動車ならではの利点を最大限に活かしたエクステリアデザインが特徴。美しさと空力性能を兼ね備え、SUVとしても驚異的なCd値0.26を達成した。また、NVH(騒音、振動、ハーシュネス)対策にも力を入れ、静かな走行を実現している。さらに、HEPAフィルターを搭載した空気清浄システムにより、室内の空を常に清潔な状態を保ってくれる。EQS SUVは4輪駆動モデルで、2つの永久磁石モーターを搭載している。また、オフロード走行時や滑りやすい路面での走行に適したOFFROADモードも標準装備されている。

航続距離は593km。気になるのは、充電時間だ。直流急速充電(CHAdeMO規格)の充電時間は次の通りである。

50kWタイプ:
- 室内温度:22.5℃
- 自社施設内の急速充電器での検証結果
- 充電時間(10%~80%):100分
- 30分間での充電量(10%から開始):30%

90kWタイプ:
- 室内温度:18.5℃
- 自社施設内の急速充電器での検証結果
- 充電時間(10%~80%):53分
- 30分間での充電量(10%から開始):49%

150kWタイプ:
- 室内温度:19℃
- 急速充電器メーカー開発施設の急速充電器での検証結果
- 充電時間(10%~80%):49分
- 30分間での充電量(10%から開始):58%

メルセデス・ベンツ日本の代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏から、嬉しいニュースも届けられた。
「メルセデス・ベンツは2030年までに完全にエレクトリックカーに移行し、市場の状況が許す限りEV化に向けた準備を進めています。昨年、グローバルでの電気自動車の販売台数は約15万台であり、2021年の約9万台から1.6倍以上の成長を遂げました。日本では昨年、2,000台以上の販売を達成し、2021年の1,000台に対して2倍の台数となりました。
しかしながら、メルセデス・ベンツは日本の電気自動車市場にはまだまだ大きな可能性があると考えており、お客様に製品を広く知っていただき、安心して選んでいただけるような取り組みに力を注いでいます。その一環として、電気自動車の情報発信と体験ができる拠点を設けており、今年の秋には2番目の拠点を東京青山に開設する予定です。この拠点は株式会社ヤナセが運営し、メルセデスEQ横浜とともに、EQの魅力を存分に体感していただける場所となるでしょう」

製品広報の澤井裕規氏にEV専用プラットフォームやユーザー層についてお話を伺った。
「今まで出したEQAやEQB、EQCなどは、その内燃機関モデルが元々あって、それを電気自動車にしていました。このEQS SUVでは専用プラットフォームとなり、バッテリーを適切に収納できる場所もあり、ホイールもなるべく四隅にバランスをよくおけるように作られています。それから、上部は空気抵抗も良くしないといけません。このプラットフォームを使うことで、キャブフォワードデザインに仕上げることができました。他のモデルはちょっと後ろ寄りですが、EQS SUVではキャビンを前にしてリアを流れる空気も効率的に流すことができます。SUVでありながらCd値0.26を達成していまして、空気抵抗により、静粛性が優れて参ります。そうしますと、もっと長い時間、快適に乗れるようになります。そのあたりが結構利便性が高いです。
EQSもある中で、EQS SUVが出ましたが、セダンを買われる方とSUVを買われる方は、家族構成を始めとしたライフスタイルも違います。ガソリン車でも、Sはビジネス用で、GLSはプライベートユースが多い印象です。その意味では、EQS SUVはGLSから乗り換えやすいのではないかと思いますが、全く想定外のお客様もいらっしゃるかもしれません。基本的にはSUVは人気がありますので、今回このEQS SUVが出ましたから、新しいお客様を含め、たくさんの方に注目されることを期待しています」

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