ベントレーのビバリーヒルズ支店、と聞いたら、さぞかしゴージャスな雰囲気が漂う。そのベントレー ビバリーヒルズでは、ベントレーマリナーが提供する仕上げ、素材、機能の多種多様なラインアップを活用し、ハリウッドの黄金時代を思い起こさせるパステルカラーの色と仕上げのコンチネンタルGTCスピードの限定モデルを3台製作した。ノスタルジックかつモダンな感じで、なんか最高なんですけど。
メアリー・ピックフォード、ダグラス・フェアバンクス、ウィル・ロジャース、ルドルフ・ヴァレンティノといった1920年代の住人たちはビバリーヒルズに今も失われない魅力を与えており、今回の3台は、ジェットストリームブルー、セージグリーン、ハリウッドブラッシュピンクで仕上げられ、アールデコ時代の色彩が見事に再現されている。
3台のビバリーヒルズ特別仕様車のうち、最初のコンチネンタル GTCスピードは、ボディワークと22インチ10スポークホイールの両方にジェットストリームII仕上げを施し、ホイールエッジにピンストライプがさりげなく入っている。インテリアのハイライトは、リネンのメインハイドとコントラストステッチ、インペリアルブルーのセカンダリーハイドだ。ピアノリネンとインペリアルブルーの2色のウッドパネルを採用し、ウエストレールからダッシュボードにかけて光沢のある仕上げとなっている。全モデルにスタイリング、ツーリング、シティモードが搭載され、ハリウッドの黄金時代を彷彿とさせる「The Beverly Hills」の文字が30年代の書体でイルミネーションシルプレートにあしらわれている。
ビバリーヒルズの2台目は、1台目の仕様を踏襲しつつ、パステル調のセージグリーンをボディワークとホイールの主要色として採用している。インテリアは、カンブリアグリーンとリネンの2色使いで、ダッシュボードとウエストレールに同じ2色のウッドパネルを使用した独創的なデザインとなっている。
最後の1台は、繊細で淡いハリウッドブラッシュピンクで仕上げられている。リネンをメインハイドに、深紅のクリケットボールハイドをセカンダリーハイドに使用した豪華なインテリアは、調和のとれたコントラストを生み出している。ダッシュボードとウエストレールの2色のウッドパネルも同じ2色が選ばれている。
3台のビバリーヒルズ・コレクションのインスピレーションについて、ブランドマネージャーのダニカ・クインは次のように語っている。
「ビバリーヒルズは、ハリウッドの黄金期を中心に、常にグラマーの象徴的な場所でした。このコレクションは、過ぎ去ったオールドハリウッドの時代を彷彿とさせ、大胆なホワイトウォールタイヤ、ソフトなカラーパレット、クラシックカーの「クラス」を表現するユニークなデザインなど、当時のスピリットを凝縮しています。ベントレーマリナーのエキスパートが私のビジョンを実現し、ベントレービバリーヒルズのために、往年の魅力と壮大さを例証するだけでなく、現代のベントレーのクラフトマンシップの洗練と優雅さを強調する傑作コレクションをキュレートしてくれました」
W12エンジンは最高出力659PS、0-100km/h加速3.7秒、最高速度335km/hを誇り、コンチネンタル GT スピードコンバーチブルはクーペと並んで、コンチネンタル GTファミリーの頂点に立つ存在だ。ビバリーヒルズ・コレクションは、顧客、販売店、マリナーのデザインチームが協力して真にユニークな車を作り上げるマリナー・パーソナルコミッショニングプロセスによって実現できるものを示している。
マリナーとベントレーの関係は、ベントレーの設立当初にさかのぼる。現在、ベントレーの社内パーソナルコミッション部門であるマリナーは、ベントレーの将来のデザインDNAを決定づける重要な役割を担っており、そのことは並外れた新型バトゥールクーペが見事に証明している。特別な機能や仕上げからユニークな限定コーチビルド車まで、マリナーの名は究極のベントレーのデザインとクラフツマンシップを象徴し続けているのだ。
マリナー仕様がベントレーにもたらす個性を、ユーザーはますます高く評価するようになっている。その証拠に2020年以降、マリナーの特別な機能を搭載したベントレーの割合は増加の一途をたどっている。また、マリナーペイントフィニッシュの需要は2倍以上に増加し、マリナーアトリエで真に個性的なビジョンを実現するマリナー・パーソナルコミッションの数は3倍に増加した。
また、各地域のチームは、お客様の関心や情熱に合わせたビスポークのコレクションをキュレーションするユニークな機能を活用している。
1760年、英国郵政公社と契約して設立されたノーサンプトンのF.マリナー社は、20世紀の幕開けとともに、まだ馬車の製造を行っていた。しかし、自動車のパイオニアであるヘンリー・ジャーヴィス・マリナーの構想により、自動車時代へと突入することになる。彼のコーチビルドビジネスH.J. マリナーはベントレーモーターズと密接な関係を築き、1923年のオリンピアモーターショーでベントレー 3 リッターのコーチワークを担当したのが始まりだ。ウルフ・バーナードがブルートレインを打ち負かしたスピードシックスサルーンや、軽量素材とエアロダイナミックデザインの見事な融合である1952年式R タイプ コンチネンタルなど、マリナー ベントレーの系譜はこうして始まった。
コンチネンタル GT マリナー、フライングスパー マリナー、ベンテイガ マリナーといったベントレーの厳選されたモデルを提供するだけでなく、ベントレーの過去の再現と将来のデザインの方向性を探る、最上級の車両の製造拠点でもある。
マリナー クラシックのクラフトマンたちは、バーキンチームカーをベースにした12台の4½リッタースーパーチャージド「ブロワー」ベントレーをはじめ、過去の伝説的なベントレーを丹念に再現している。昨年、マリナー クラシックはこれまでで最も野心的かつ挑戦的なプロジェクトに着手した。それは、まさに伝説のコーチビルドであるベントレー、6½ リッターベントレー スピードシックスワークスレーシング仕様の復活だ。
マリナー クラシックの作品とは対照的に、マリナー コーチビルドは未来を見据え、持続可能な新しい高級素材を研究開発し、ベントレーのデザインチームのビジョンを具現化している。その一例が、12台限定で製作された2シーターバルケッタのベントレー マリナー バカラルと、2022年のペブルビーチコンクールデレガンスで発表された18台限定のハンドビルドクーペ、ベントレー マリナー バトゥールだ。バトゥールはすでに完売しており、今後のベントレーを特徴づけるスタイリング、機能、素材の未来を垣間見ることができる。