ベントレーの4ドアセダン、フライングスパーが、2022年モデルとなり、最新のテクノロジーを取りいれ、快適性をさらに向上。また、新しい現代的なインテリアパネルや、ペイントパレットを63色に拡大する新しいエクステリアカラー「カンブリアングレー」の採用などにより、さらに進化をとげた。
「シティースペック」は、オプショナルコンテンツをまとめたもので、22年モデルから標準仕様となる。ハンズフリーのトランクオープナー、拡張された安全機能、トップビューカメラ、自動防眩ミラー、エアーイオナイザーなどの機能が含まれている。これにより、グランドツアラーの中でも最もラグジュアリーなキャビンに、さらに充実した機能が加わった。
高い静音性を備えるフライングスパーには、究極のキャビン体験を実現するための最先端の技術が採用されている。自動車業界でNVHと呼ばれるノイズ(騒音)、バイブレーション(振動)、ハーシュネス(不快感)を徹底的に排除することで、フライングスパーは世界最高のラグジュアリー4ドアグランドツアラーであるだけでなく、驚くべき静音性能を実現している。
フライングスパーの非常に洗練された静かなキャビンは、クルーの工場でデザイン、設計、ハンドクラフトされ、1919年に会社を設立したW.O. ベントレーが目指した理念を継承している。彼は、高性能な高級車を作るという難題を最終的にクリアし、1930年にベントレー・8リットルを発表した際に、次のように述べている。「私は常に時速100マイルの完璧に静かな車を作りたいと思っていた。そして今、私たちはそれを成し遂げたと思う」。信頼性と洗練性をベントレーの最も重要な特徴と考える彼の哲学が今日まで引き継がれた結果、フライングスパーは現代のベントレーのラグジュアリーを象徴するクルマとなっているのだ。
22年モデルとして発売される新世代のフライングスパーは、顧客に数多くの最新機能を提供する。ハンズフリーのトランクオープナー、拡張された安全機能、トップビューカメラ、自動防眩ミラーなどが新たな標準装備となる。
快適性の向上のため、エアーイオナイザーは、マイナスイオンを中央のエアコンの吹き出し口から放出し、車内の空気を浄化して乗員の健康に寄与する。この粒子は、空気中の埃やアレルゲンなどの汚染物質に静電気を発生させ、汚染物質を近くの物体の表面に付着させることにより、乗員が吸う空気中の汚染物質を除去し、健康を向上させることができる。
また、現在でもエクステリアカラーをパーソナライズすることができるが、新色のカンブリアングレーは計算されたソリッドなグレーで、独特の力強い外観に仕上げることができる。
インテリアについて見ると、保護のための極薄のマットなラッカーのみで仕上げられた、オープンポア仕上げのパネルがオプションとして新たに追加された。リキッドアンバー、ダークバーウォールナット、タモ・アッシュのすべてでオープンポア仕上げを選ぶことができる。
オープンポア仕上げのパネルは、ストックの中でも最も高品質なパネルを厳選し、極薄のラッカーを3層だけ重ねるが、その厚さは3層合わせてわずか0.1mmしかない。比較すると、ベントレーのハイグロス塗装は0.5mmの厚さで、光沢のある滑らかな仕上がりになる。オープンポア仕上げは、一層ずつ手作業で塗装され、間にサンディングを行うことで、ラッカーが木材の溝に密着。その結果、ワックスのような仕上がりとなり、木材本来の自然なカラーと質感を完璧に際立たせている。
この繊細な技術により、お客様は木の質感を実際に感じることができる。また、パネルのカットごとに色や木目が微妙に異なるため、それぞれの車両が唯一無二のインテリアとなる。
「世界最高のラグジュアリーセダン」にふさわしい、比類ないレベルの快適性と洗練性を備えたキャビン環境を実現するために、3代目フライングスパーのテストおよび生産過程では、高度なバーチャルデザインプロセスが活用されている。このような最先端の技術は、物理的に部品を製造する必要性を大幅に削減するため、よりサステイナブルな方法となる。
キャビンのノイズを特定するという困難な作業は、開発パートナーであるESI社のバーチャルプロトタイピングによって行われた。これにより、フライングスパーのデザイナーは、実物を作る前にデジタルな模型を使って、NVHの特定することができた。細かく調整されたプロセスにより、キャビンに入り込む空気中の音や、タイヤのノイズなどの構造体からの影響に関する音響テストが可能になっている。
バーチャルプロトタイピングを用いて、フライングスパーの重量最適化プログラムを40個の異なるコンポーネントに対して実施。これにより、適切な防音材を車内の適切な場所に配置することができ、乗員は仕事や移動中のリラックスタイムに可能な限り静かなキャビンを楽しむことができる。
この時間短縮のプロセスは、エンジニアは車両の重量を最小限に抑えることができ、敏捷性を高め、インテリジェントで直感的なクラスをリードするポートフォリオに裏付けされた、ドライバーフォーカスの最高の体験の提供も可能にした。
ベントレーモーターズの音響エンジニアであるサイモン ノーブル氏は次のように述べている。
「バーチャルプロトタイピングを使用することで、ベントレーは、物理的な部品を作成する前に、まずバーチャルな世界でフライングスパーのすべてのコンポーネントを最適化するということに成功しました。それは同時に、お客様に静かな車内空間を提供する中で、物理的な試作品を減らすことにつながります」
「バーチャルプロトタイピングを行うことで、試作品の数が減り、テストの回数も減りました。また、早い段階で車のデザインとエンジニアリングに影響を与え、広範なテスト段階でも大きなメリットを得ることができます」
この廃棄物ゼロの非常に革新的なプロセスは、持続可能なグローバルモビリティのリーダーシップを目指すベントレーの画期的なビヨンド100戦略にも沿ったものだ。同社は、2030年までにエンド・ツー・エンドでカーボンニュートラルを実現し、その後はクルーの事業所で気候変動対策を行うという野心的な目標を掲げている。