オーストラリアって、なんでもビッグなものが多いんだよね。コフスハーバーにあるアミューズメントパーク「ビッグ バナナ」には、バカでかいバナナのオブジェがあるし、ニューサウスウェールズ州のゴールバーンには、高さ15メートルのコンクリートでできた羊の「ビッグ・メリノ」もある。それから、オーストラリアの国民的歌手、ジョン ファーナムのキャリアの長さとかね…。そして今、そんなオーストラリアから、さらにビッグなものが登場しようとしているのだ。それは、3.0リッターのトヨタ スープラのより強力なバージョンである。
おいおい、オーストラリアって、太陽の光を浴びるように果てしなく続くビーチ、世界で最もきれいな空気、そして自分自身を見失うことも見つけることもできるような広大な空間があるだけで、十分ではないだろうか?どうやらそれだけで満足するお国柄ではないようだ。
世界の他の国のスープラが未だ340psの直6であるのに対し、オーストラリアのスープラは工場出荷時から387psを発揮し、完全な保証付きで提供される。逆さまにしたスープラのトルクはレギュラーモデルと同じだが、より広い範囲に広がっており、1,800rpmから5,000rpmまで500Nmのパンチを発揮する。そして、燃費は(少なくとも公式には)340psのバージョンより悪くない。
このオーストラリア版びっくりスープラはフロントにストラットブレースを装備している。ストラットブレースをつけることで、フレックスを減らし、フロントエンドをタイトにして、よりフル加速になった時のハンドリングを向上させてくれる。まさに楽しい瞬間がやってくるよね。
だから、オーストラリア人は、太陽とビーチ、きれいな空気と広い空間と一緒に、より扱いやすく、よりパワフルなスープラを手に入れることができるってこと。これを聞いて、あなたの血を沸騰させよう。
ここで、いったん嫌なヤツになって、わざと妬みを全開にしてみよう。たしかにオーストラリアのビーチは広大だが、海には悪夢を見るような海の生き物がたくさんいる。空気はきれいかもしれないが、太陽の光を消し去るのに十分なほどの数のフクロバエが生息している。太陽が出ている間は、アスファルト道路のタールを溶かすほど暑い。この国は、現行の制限速度を超えて歩き回った者すら罰しようとするくらい、スピード違反の罰金に固執している国でもある。きっと2030年までには、早歩きしたって5万円の罰金が科せられることになるんだろう。まあ、さすがに冗談だけど。
つまり、超強力なスープラに乗ったオーストラリア人は、停止状態から、数分の1秒の速さで加速と停止ができることになるのだ。そのため、高速道路のパトロールの照準線に1秒の数分の1秒早く当たることになるんだが、ドライバー気が付くよりだいぶ前に、罠にハマってしまっている。せいぜい、オーストラリア人は、この速いスープラに乗って、もっと大きな罠に陥ればいいのさ。ふん!…本音は羨ましいイギリス人より。