8月1日と2日の土日に開催されているオートモビルカウンシル2020でマクラーレンが620R を日本初公開している。全世界350台の限定生産となるクーペは、日本国内分は、すでに完売。一般公開前にメディア向けプレスカンファレンスが行われ、マクラーレン・オートモーティブ・アジア日本支社代表の正本嘉宏氏がレースと関わりの深いマクラーレンブランドと、620Rの魅力を伝えた。
1967年に創業者であるブルースマクラーレンが、マクラーレン モーターレーシング リミテッドというレーシングコントラクターを立ち上げたことから、50年以上、レースの第一線で活躍しているマクラーレン。
1988年、マクラーレンホンダでシリーズ16戦中15勝するという圧倒的な強さで、フォーミュラ1を席巻していた。F1のモナコ GP、インディ500、さらにはル・マン24時間と、この3つのレースにチームとして全て優勝を飾ってる唯一のブランドがマクラーレンだ。その数々の勝利をロードカーにフィードバックを行いながら、改良を続けてきている。
さらにGT3、GT4にも積極的に取り組んでいる。特に570S GT4は、2017年のカスタマーチームでのデビュー以来、これまで生産した GT レースカーの中で、67回というレースの優勝回数、88回の表彰台の獲得回数において、どのレースカーよりも最も成功しているモデルだ。 25のチームがこの570S GT4を使用している。
今回披露された620 R は、この570S GT4の公道バージョンとなるクルマだ。単なる自動車メーカーではなく、レーシングコンストラクターが、一般の顧客に最高のドライビングエンゲイジメントを体感してもらえるために、ある意味究極の結晶が620Rというわけだ。
特徴は4つある。1つ目は、モータースポーツ直系レーシングテクノロジー。2つ目は、レースのレギュレーションにとらわれない最高のトラック体験ができること。3つ目は、公道走行可能な実要性、4つ目は600 LT とは一線を画すダイレクトなドライビングフィールである。620Rは600LTに比べて、ECUやブーストアップなどにより、20PSパワーがアップしている。そして、250km/hのダウンフォースは185kgと、1.85倍になっている。
外観ではGT4に則ったフロントのスプリッターや大きいエアダクト、鍛造レーシングホイールなどが目を引く。内装は、ブラックの軽量のアルカンターラでまとめられ、カーボンモノコックのタブによって車両重量が大幅に軽減されている。この、フルバケットの軽量のスーパーライトウェイトカーボンファイバーのレーシングシートは、マクラーレン セナと同じスペックのものである。「公道走行可能なレーシングカーを超えた、さらにエキサイティングなレーシングカー」と紹介されたマクラーレン 620R。こういったモデルを展示することで、マクラーレンの市販車の販売にも良い影響を及ぼすに違いない。