ドライビング
実際の走りは?
Hyundaiが走りの楽しさを意識してi20を作り込んできたのは明らかだ。フォード フィエスタほど愉快というわけではないが(あのクルマを超えるのはそう簡単ではない)、操舵感は鋭く(フィールはやや薄いものの)、グリップはしっかりしており、ボディロールも極めて少ない。軽快でキビキビとした身のこなし、素早い方向転換——先代から大幅に進化しており、ライバル勢の中でも互角以上に戦える。
唯一の懸念は乗り心地だ。17インチアルミホイール装着車では、路面の凸凹をよく拾いすぎてゴタゴタと落ち着かない上に、かなり硬い。少しでも荒れた路面を走ろうものなら衝撃はかなりのもので、うっかりポットホール〔※英国の道路に多い深いくぼみ状の路面損傷。日本の比ではないほど問題が深刻〕にはまった日には……ご愁傷様だ。16インチを履く下位グレードの方が快適なのは間違いない——スペックを多少妥協してでも、より穏やかな乗り心地を求めるなら16インチを選ぶ価値は十分にある。
エンジンはどう?
1.0リッター直3ターボは、なかなかの好エンジンだ。静粛で、4,000rpm付近までの加速はパンチがある。精製度も高い(アイドリング時にライバル車より多少の振動がドライバーズシートに伝わってくるのはご愛嬌だが)。0-100km/h加速はマニュアルで11.5秒、ATで12.8秒だ。
6速マニュアルも好印象で、シフトフィールはスムーズ、ストロークも短くて小気味よい。7速デュアルクラッチATは1,250ポンド(27万)の追加費用がかかる上に、運転の楽しさが削がれる——わざわざ選ぶ理由はないだろう。さて、ここでちょっとマニアックな話をしよう……
全グレードに標準搭載される48ボルト マイルドハイブリッドシステムについてだ。一般的にAT車に採用されるこの種のシステムは、ドライバーがアクセルを戻した際にエンジンをトランスミッションから切り離し、エンジンを停止させて惰性走行することで燃料を節約する。Hyundaiの「インテリジェント マニュアル ギアボックス」〔※車速や勾配などをセンサーで判断し、最適なシフトタイミングをドライバーに示す機能も持つスマートな6速MT〕技術は、この燃費向上機能をスポーティな6速セルフシフター(手動変速機)にも組み込み、排出量と燃費を3〜4%削減している。ちりも積もれば山となる。
Ecoモード(i20のデフォルト設定。SportとComfortモードもあるが、正直それほど大差はない)では、アクセルを戻すとエンジンが自動停止する。アクセルを踏む、ブレーキを踏む、クラッチを踏む——いずれかの操作をすれば即座に復活する。実にシンプル。
システム全体の動作は非常にスムーズで自然。意識しなければ気づかないほどで、運転スタイルを変える必要も一切ない。クラッチペダルのフィールさえ驚くほど自然に仕上がっている——本来の意味では「どこにも繋がっていない」のにそれを感じさせないのは、なかなかの芸当だ。
燃費は良いの?
Hyundaiの発表によれば、マニュアル・AT問わずWLTP〔※欧州で採用されている燃費・排ガスの国際測定基準。より実走行に近い条件でテストが行われる〕値で約17.7km/L(50mpg)。こちらが市街地と高速道路を混合して走った際の実測値は約14.9km/L(42mpg)だった。市街地中心の走行なら12〜14km/L程度、高速道路メインなら17km/L前後が期待できる。
もうひとつ触れておきたいのが、EU規制に基づくドライバーアシストシステムだ。速度制限アシスト、レーンキープなどが標準装備されている。ありがたいことに、ステアリングホイールとメインタッチスクリーン下部にショートカットボタンがあり、各機能のオン/オフへ素早くアクセスできるようカスタマイズが可能だ。
そして、きっとオフにしたくなるはずだ。速度制限アシストが鳴らす「ボーン!」という警告音はなかなかうるさいし、レーンキープの干渉は実に煩わしい。





