マクラーレンはP1スパイダーを製造しなかったが、この特注ハイパーカーの脇腹を見つめていると、そのことが残念に思えてくる。これはランツァンテ(Lanzante) P1 スパイダーであり、特別なキットなのだ。
マクラーレンのハイブリッドハイパーカーを「もっと魅力的にしたい」というP1オーナーのために作られたもので、916psのV8エンジンを搭載している。ボスのディーン ランツァンテは、P1のオリジナルデザイナー、ポール ハウズに、この車の中核となる能力を損なうことのないものを考えてもらったという。つまり、「顔を引き裂くようなパフォーマンス」ということだ。
ルーフパネルと中央のエアインテークを取り外すのは、技術的にちょっと大変だったそう。「このアイデアは以前にも検討したことがありましたが、ルーフが一体化したシャーシの基本構造から、不可能に思えたのです」とランツァンテは言っている。「エンジニアと綿密な打ち合わせを重ねた結果、いくつかの可能性が見えてきました。クーペと比べたときに、何ら損失がないように設計する必要がありました」
そこで、ハウズ氏の登場だ。「ボディは、ボンネットの縁からAピラーを回ってウエストラインへと流れ、ドライバーの背後でキックアップし、ボディサイドと呼応するようになったのです」
「これは、エンジンに空気を送り込むためのフローティングフィンを作り出し、リアデッキへと流れ込んでいます。カーボン製のバットレスやカーボン製のパネルからは、後方に配置された超大型パワープラントがよく見え、ターボに直接空気を送り込む新しいエアインテークも装備されています」
さらに、シャシーの下部は「リエンジニアリング」され、クーペと同等の剛性を確保している。速さも健在だ。
ルーフがない分、外装は耐候性、耐紫外線性に優れた新しいシート表皮を採用し、サテンカーボンファイバーやグロスブラックのスイッチギアなど、インテリアも強化されている。
ランサンテは、「このクルマは、複雑なこととディテールにこだわっていることで知られていますが、彼は私達が協働することの限界も知っていました」と語っている。「しかし、彼のアイデアを見たとき、私たちはそれを実行しなければならないと思ったのです」
というのも、これはワンオフ以上のものだから。ランサンテは5台のP1スパイダーを製作する予定だ。それぞれ「適切な」ドナーカーによるオーダーメイドで、最初の納車は2022年末になる予定だ。
=海外の反応=
「ボクスターのためにお金を節約しているんだ」
「美しい。マジで」
「誰も驚かない、当然のこと。お客さんが大金を持ってやってくると、不可能だったことが突然、とにかくうまくいくようになる」
「このような、「聖なるハイパーカー」のように、P1にもスパイダーモデルを出すべきだといつも思ってた」
「写真がないのが意外?実物は美しいんだろうけどね。ランツァンテはアルピナと並んで、実際に良い仕事をしていると思う唯一のチューナーであり、彼らはその点では驚異的な仕事をしている」
↑「この記事で紹介されてるのは、「チューニング」というより「コーチビルド」で、その意味じゃ、アルピナは小規模なOEMではないだろうか?チューナーは車をダメにするよね」