「ゴルフは強靭な身体能力を必要とするスポーツであり、リシャール・ミルの時計の力を試すに最高の土壌」だそうである。ましてや、バッバ・ワトソンのような飛ばし屋の腕の上では、時計は急激な加速、停止に耐えられなければならない。これらはRM 38-02の開発に当たり頭を悩ませたが、それだけではなかったのである。
「僕はリシャールに10年間もの間、ピンク色の時計を作ってほしいと頼み続けていました、そしてやっとできたんだ!」バッバ・ワトソンはRM 38-02 トゥールビヨンの完成品を初めて見ながら話した。
バッバ・ワトソンの名を冠した過去のモデルのキャリバーの大胆さにインスパイアされ、彼のラッキーカラーであるピンク色が起用されたRM 38-02は、カーボン繊維の層を幾重にも重ねて成型されたカーボンTPT®の地板を中心に組立てられている。このRM 38-02に偏在するこの素材は、その硬度の高さとスケルトン加工する必要がある点から、加工において非常に手間を要する。地板をスケルトン加工することで機械の作動に影響を与えていないかを確かめるため、時計のあらゆる構成要素について、様々なテストが実施されるのだ。
地板は、ムーブメントにパワフルさとダイナミックさを与えるグレード5チタン製のブリッジを支え、それらが歯車とフリースプラングテンプを備えたトゥールビヨンをしっかりと支えている。可視化されたブリッジは、ムーブメントの両サイドでチューブによって固定されている。グレード5チタンと、念願であったハンドペインティングによって施されたピンク色によって、ブリッジはキャリバーの平凡なラインをより強調されたものにした。このピンク色はバッバのアイコンでもあるPINGのドライバーから来ており、ムーブメントの中に絶妙なタッチをもたらしている。このピンク色はキャリバー背面の微細孔を施された独特なブリッジにも使用され、プレーにおけるバッバのドライバーが描く軌道を表現している。このPVD処理されたブリッジを組み立てるには、技術者にはほんの小さな誤差も許されない。パーツの僅かな傷や手元の狂いがあった場合は、直ちに破棄される。超高性能のためにテーラーメイドされた時計なのだ。
物理的、技術的な進化は、時代を超えてゴルフの様相を大きく変えてきた。新しいトレーニング技術によってプレーヤーはボールの飛距離を伸ばすことができている。新素材の発見のような、もの作りにおける新しいプロセスは、最先端技術でのゴルフクラブの製造を可能にした。今日ではゴルフボールが最大50,000Gもの加速度を受けることを考えると、RM 38-02には10,000G以上の耐衝撃性が求められた。これらの力は驚異的なことに、厚さわずか9.19mmの機械中で起こるのだ。技術者たちはこのサイズに合わせ、正確な設計寸法に細心の注意を払うことで、この耐衝撃構造に求められる複雑かつ小ささを実現させた。
RM 38-02 トゥールビヨン バッバ・ワトソンがピンク色であることに、疑問の余地はないだろう。時計の内装、外装ともにピンククオーツTPT®、ホワイトクオーツTPT®、カーボンTPT®が用いられ、バッバのユニークなパーソナリティを表現している。異なる色や素材を違和感なく組み合わせることは、技術的に非常に難易度の高いものだった。
しかし、このモデルはバッバがリシャール・ミルと契約した日の思いを具現化するものとなります。このアシンメトリーのケースは、2時と5時位置の間に傾斜をつけることによって、トルクリミテッドクラウンが腕に擦れるのを防ぐという希望を叶えた。オープンワークによるベゼルは視覚的にパワフルな印象を与え、この時計のスポーティさを際立たせている。カーボンTPT®とピンククオーツTPT®のミドルケースがこのカラフルな時計のアイデンティティを確立させている。
RM 38-02 トゥールビヨン バッバ・ワトソンは、リシャール・ミル ファミリーとして10周年となるバッバの名前を冠した4本目の時計である。世界限定50本生産、予価で127,000,000円(税別)、すべてにシリアルナンバーが刻印される。それはまるでホールインワンに相当する時計作りと言えるだろう。