ベントレー クリスマスバージョンの フライングスパーV8「トナカイ8」の発注者とは?

さて、もうすぐクリスマス。なんと、世界的に著名な顧客が、ベントレーで特別注文の製作を担当するマリナー部門と協力して、空飛ぶソリを、より豪華で特別な仕様にアップグレードしたという。このクリスマスシーズンを盛り上げる特別仕様のフライングスパーV8は、「レインディア・エイト(トナカイ8)」と名付けられた。

ベントレーのマリナー部門には、優れたクラフツマンシップと先見性あるデザインについての豊かな歴史と専門知識がある。マリナー部門の使命は、最も目の肥えたベントレーの顧客の要望に、忘れられない特別仕様車作りで応えることだ。また、この顧客自身にも世界的かつ広範にわたる熱狂的支持者のリストがあり、この依頼はこれまでで最も重要なものの一つとなった。…ん?この顧客って、まさか、サンタクロース?

「550馬力のソリに乗るのは、実に楽しいことでしょう。加えて、後ろには私からの贈り物をすべて積むためのスペースがあります。私は年末までに4,100万マイル(6,600万キロ)を走破できるのを楽しみにしています」ヒゲを蓄えた顧客は、こう述べている。…サンタ、決定。

このワンオフの「トナカイ8」は、エクステリアに深紅のクリケットバブル塗装仕上げが施されています。これは、エクステンデッドレンジが提供する62色の中の1色である「クリケットボール」をベースに、この顧客のために作成された独特なカラーバリエーションだ。

フロントエンドではフライングBのマスコットの代わりに3Dプリント製の金色のトナカイが先導し、側面にはV8バッジの代わりに顧客が慣れ親しんだパワートレインを表す特製「トナカイ8」バッジが配されている。同社の広報担当者は、「赤鼻の『ルドルフ』がサイレント・ユナイト組合に苦情を申し立てたとの憶測についてコメントすることはない」と述べているとか。

先導するトナカイに続くボンネットストリップは標準仕様ではクロームだが、この依頼ではゴールドでトリミングし直され、ベントレーのウイングバッジの後ろからは手描きされたピンストライプのディテールが金色に輝いている。

顧客が途方もない距離を走破するために必要なスピードとパフォーマンスを強調するため、フロントからリアまでのバンパーに、カーボン・ディフューザー、カーボン・サイドシル、ブーツリッド・スポイラーを装備したゴールドスタイリング仕様となっており、巡航高度における空力性能を最大限に発揮させている。また、金色の22インチホイールと、雪山の交差する峰を表すダイヤモンドフィニッシュを施した「マリナードライビング仕様」が、エクステリアを締めくくる。顧客の主な居住地の寒冷な気候を考慮して、オールシーズンタイヤが装着されている。

「トナカイ8」はフライングスパーの最新モデルを踏襲して製作されており、俊敏性と個性的なパワートレインを搭載し、よりドライバーを中心に置いたエクスペリエンスを提供するとともに、一晩で地球をひと周りするのに不可欠な航続距離の向上を実現している。

「トナカイ8」のインテリアは比類ない豪華さと革新性を備え、4人または5人が快適に座れる現代的なキャビンを作り出すベントレーの専門知識を総動員している。マリナーチームのメンバーによる広範にわたるテストでは、たとえミンスパイを食べ過ぎてしまった乗員が乗ったとしても快適性能が変わらないことが確認されている。ちな、ミンスパイとは、ドライフルーツから作った「ミンスミート」を詰めたパイで、英国でクリスマスに食べるもの。

顧客は、モノトーンのクリケットバブルのインテリアに金色で特製の刺しゅうと手縫いのクロスステッチを施し、運転席には顧客の名前と彼の奥様の名前を並べて縫い込むよう指定している。

ダッシュボードからドアにかけて、水平方向に流れるように伸びるウッドパネルを装備しており、キャビンのスペースと幅の広さを強調している。マリナーの提案により、グランドブラックのベニヤには北極点の冬の夜景が描かれ、フェイシアおよびドアのウエストレールには夜の旅の終わりを表現するインレイが施されている。

「トナカイ8」のシートはツインフルートデザインを採用しており、長距離走行でもリラックスした状態を維持するため、ヒーター、ベンチレーション、マルチモードマッサージ、調整式ボルスターおよびトップチルト機能などを装備して機能性を向上させている。顧客の選んだ「マリナードライビング仕様」では、新しい立体的なレザーに伝統的なステッチと刺しゅうを組み合わせている。

クリスマスシーズンを盛り上げる金糸で手縫いされたクロスステッチが、クルーのベントレー工場で働く人々の細部へのこだわりと技術の高さを際立たせている。キャビン全体で11,100のステッチがあり、妖精たちや職人たちがこれを手縫いで完成させるのに長さ115メートル(ビッグベンの高さに相当)の特殊な糸を使用して18時間を要する。

「トナカイ8」には、業界初のベントレー・ローテーション・ディスプレイが装備されている。エンジンスタートボタンを押すと、ソリの鐘がリンリン、チリンチリンと歓迎の音を鳴り響かせた後、ダッシュボード中央のベニヤが回転して12.3インチのタッチスクリーンが現れ、メニューを表示。ナビゲーションシステムに組み込まれた「良い子・悪い子リスト」を見れば、顧客の熱狂的支持者が良い子か悪い子かがすぐにわかるようになっている。…こりゃ怖いわ。ローテーション・ディスプレイの2面目には、外気温度、方位磁石(長い仕事の終わりに家に帰るために必要不可欠)、クロノメーターを表示する3つのエレガントなアナログ計器が現れる。最後の3面目には、キャビンの周りを切れ目なく取り囲むように北極の冬の夜景が表現されたグランドブラックのベニアフェイシアが現れる。

今年はコロナでさんざんな年だったけど、こうやって年末にサンタクロースがベントレー フライングスパーV8に乗ってやってくるということで、来年はいい年になりそうだ。

https://www.bentleymotors.jp

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