カーバー ワン
すべてのことが、a)可能で、b)すぐそこまで来ていて、c)何年も後悔するようなことではないと思われていた2000年代の初期を覚えている?本当にそんな時代だった。ああ、待ってほしい。音楽がどれだけ神経を刺激するほど悪いものだったか忘れてしまったし、誰もがツンツンのとがった髪の毛にこだわっていたことも忘れてしまった。昔「ネヴァーマインド」って言ってたのは、セックス・ピストルズだったっけ?
ああ、脱線してしまった。このカーバー ワンは、オランダの会社が作った3輪車で、日本でも800万円ほどで販売されていた。2000年代初頭に登場したこの3輪車は、標準的な車のコントロールとバイク風の660ccエンジンを搭載しているが、ホイールを回すと油圧ラムがコックピットを傾けてしまうということもあった。サルトルは「地獄とは他人のことだ」と言っていたが…。もしかしたら、カーバーは、天国とはその不在であることを証明しているのかもしれない。