ベントレーがスポーティさを高めるスタイリングスペシフィケーションを導入

ベントレーに、スタイリングスペシフィケーションがオプションで追加された。対象車種はコンチネンタル GT、コンチネンタル GT コンバーチブル、ベンテイガだ。スタイリングスペシフィケーションは、ベントレーの正規販売店を通じて注文することができ、新車を注文する際に指定することもできる。このオプションは、間もなく新型フライングスパーにも導入される予定だ。
このスタイリングスペシフィケーションには、手作業で製作されたフロントバンパースプリッター、メタリックなベントレーバッジをあしらったサイドスカート、ハイグロスカーボンファイバー製のリアディフューザー、トランクリッドスポイラーが含まれている。
ベンテイガのパッケージには、ハイグロスカーボンファイバー製のバイプレーンテールゲートスポイラーとリアスクリーンストレーキも含まれ、さらに同じ仕上げのフロントエアブレード、ウイングベント、ミラーキャップのオプションを追加した。
これらのコンポーネントの設計、開発、テスト、製造承認のプロセスは、ベントレーが新型モデルの開発で行っている他のプロセスと同様に、細部へのこだわりが表現されている。
室内を飾るウッドパネルと同様に、カーボンファイバー製のエクステリアパーツは、車のセンターライン全体でミラーマッチされている。カーボンファイバーの織り方は2✕2ツイルパターンで、すべての構成部品が同じ方向に織られている。カーボンファイバーは何層にも重ねられているが、それぞれが最適な強度と耐久性を確保する最小限の重量で作られている。
サイドスカートには、立体的に電気鋳造されたベントレーバッジを配した絶妙なディテールが施され、バッジの形状は、ラッカーオーバーコートに気泡が発生するリスクを最小限に
抑えつつ、人目を引く切子面(ファセット)を施した外観を実現するために、スタイリングスペシフィケーションのために特別に開発された。
これらすべてのパーツは、先代のコンチネンタル GT(GT3-Rやスーパースポーツモデルを含む)やパイクスピーク、アイスレース用コンチネンタル GTのカーボンファイバーコンポーネントを担当したエンジニアリングチームによって開発された。
スタイリングスペシフィケーションは、コンチネンタルGTファミリーとベンテイガの空力性能を補完するために特別に設計されている。デザインの第一歩として、数値流体力学(CFD)ソフトウェアを使用して、前後のリフト量や全体的な抗力などの空力性能のテストが行われ、改良が重ねられている。また、パワートレインの冷却、ブレーキの冷却、騒音、振動、ハーシュネス(NVH)への影響についてもシミュレーションを行っている。電気的なテストでは、PDC(パークディスタンスコントロール)からレーダーシステム、車載通信やエンターテイメント用のアンテナに至るまで、カーボンファイバー製パーツが車両システムに与える影響を最小限に抑えることを目指している。
これらのバーチャルなテストが完了して初めて、最初の物理的なプロトタイプが製造され、風洞実験室や実際のコースでテストされ改良される。また、部品は、トップスピードに至るまでのあらゆる走行条件で、安定性、フィーリング、加速時とブレーキング時の性能が評価され、ベントレーのドライビングダイナミクスが低下しないことを確認している。
機能性の評価がされた後に、各部品はさらに様々な追加のテストに臨む。これらの試験の中には、10万kmの車両総合試験を含む耐久性プログラムから、渡河性能、縁石への衝突、悪路での走行などの過酷なテストまでが含まれている。ベントレーの品質ラボラトリーでは、振動、熱循環、点荷重、衝撃などの過酷なテストを通して最終的な性能を評価している。
すべてのテストと開発作業が完了すると、製造工程でも何回ものテスト製造を行い、ベントレーに求められる厳しい要件を満たす一貫した再現性のある製造公差が得られるようになる。3Dスキャンを行い、公称計測値と比較することで、製造精度を評価する。

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