アストンマーティンのヴァンテージと聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。2020年はヴァンテージファミリーが誕生70周年を迎える年。これを記念して、アストンマーティン ヴァンテージの全モデル解説を行ってみよう。これであなたも、あなたもヴァンテージ博士だ。
ヴァンテージの名称は、英国のラグジュアリーブランドであるアストンマーティンが製造してきたスポーツカーのうち、実に1/3以上のモデルにつけられている。
中でも、初期のDB2 ヴァンテージから60年代のアイコン・モデルが有名だろう。DB4、DB5、DB6は、その後の数十年間でアストンマーティンの名を世界に知らしめたハイパフォーマンス・モデルへと進化を遂げ、画期的なVHアーキテクチャーを採用したモデルから、最先端テクノロジーを搭載する現行モデルに至るまで、ヴァンテージという名称は、スピード、パワー、そして類まれなスタイルの代名詞となっている。
ここで、歴代アストンマーティンヴァンテージの生産台数を振り返ってみよう。
DB2→248台(サルーンとオープン・クーペ*)
DB4→135台(プラス DB4 GT ヴァンテージが6台)
DB5→68台(サルーン*)
DB6→335台(サルーン*)(プラス ヴォランテが29台)
DB6 MkII→70台(サルーン*)(プラス ヴォランテが13台)
DBS→290台(サルーン*)
AM ヴァンテージ(6気筒)→70台(サルーン*)
AM V8 ヴァンテージ→372台(サルーン*)(プラス ヴァンテージ ヴォランテが194台)
V8 ヴァンテージ ザガート→52台(サルーン*)(プラス ヴァンテージ ヴォランテが8台)
ヴァンテージ/V8 ヴァンテージ→273台(サルーン*)(プラス スペシャルモデルが40台)
DB7 V12 ヴァンテージ→2,086台(クーペ)(プラス ヴォランテが2,056台)
V8 ヴァンテージ(VH)→15,458台(クーペ)(プラス ロードスターが6,231台)
V12 ヴァンテージ→2,957台(V12 ヴァンテージ Sを含む全タイプの合計)
* ここで使われる「サルーン」とは、当時のアストンマーティン社独自の名称。実際の車両タイプは、クーペボディとなる。
アストンマーティン・ラゴンダ社長兼グループ最高経営責任者(CEO)のDr. アンディ・パーマーは、アストンマーティン・ブランドの栄光の歴史を語るうえで欠かすことのできないヴァンテージの魅力に関して、次のように述べている。「最新モデルのヴァンテージおよびヴァンテージ AMRは、世界中のドライバーに強烈なインパクトを与えた“ヴァンテージ”というモデルを、弊社の流儀に従って新たに解釈したものです。2020年、私たちはヴァンテージの70周年を祝い、傑出したスポーツカーの伝統を振り返ります。ヴァンテージは、常に技術的な野心、スリリングなパフォーマンス、類まれな美しさと同義語となってきました。この名称が与えられた伝説的なクルマが作り上げてきた高い基準は、最新のモデルにもそのまま反映されています」