愛嬌のある顔立ちで山、谷、街までこなす新型ディフェンダー




2020年には商用モデルやPHEVも登場予定

ランドローバーの新型ディフェンダーがとうとうベールを脱いだ。今日は日本時間16時50分からYouTubeでフランクフルトショーのディフェンダーの発表の様子がライブ中継されていた。もちろんフランクフルトの会場も同じかそれ以上だと思うが、ライブ中継も発表直前はかなりの盛り上がりをみせ、コメント欄は各国からの期待で溢れてタイムラインが読めないほどだった。

フランクフルトモーターショーでデビューした新型ディフェンダーフランクフルトモーターショーでデビューした新型ディフェンダー

発表前からトップギアなど各メディアで予想を出していたこともあり、そんなにびっくりするようなこともなかったが、思っていたよりも愛嬌のある顔立ちだという印象だった。オフロードの走破性能は、言うまでもなく最高峰のポジションに属するディフェンダーだが、街乗り用のパッケージも出すなど、都市部でも楽しめるように幅広いユーザーをターゲットとしているので、親しみやすさはとてもプラスに感じた。

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42度の傾斜を駆け下りるダイナミックなパフォーマンスを披露し、会場に登場した新型「ディフェンダー」は、世界で最も高い走破能力と耐久性を有する4x4モデルとして、「ディフェンダー 110」を皮切りに、その後ショート・ホイールベースの「ディフェンダー 90」、

そして2020年に実用的な商用モデルを導入予定だという。

ランドローバーが新たに極限環境向けに開発した「D7x」アーキテクチャーは、軽量アルミニウムのモノコック構造で、ランドローバー史上最も頑丈なボディ構造となっており、従来のラダーフレーム構造と比較して約3倍のねじり剛性を確保。完全独立型のエア・サスペンションまたはコイル・サスペンションの理想的な基盤となって、最新の電動パワートレインを補完している。

フランクフルトモーターショーでデビューした新型ディフェンダー

エンジニアリングの過程で6万2,000項目以上のテストをしており、シャシーとボディ構造は一般的なSUVや乗用車の基準を上回る。そして、ランドローバーの「Extreme Event Test」で持続衝撃試験もクリアしている。

開発過程においてプロトタイプ車両は、50度の灼熱の砂漠からマイナス40度の極寒の北極、コロラド州の標高1万フィートのロッキー山脈まで、地球上で最も厳しいとされる環境で、何百万kmも走破している。

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そして、画期的かつ卓越した走破能力は言わずもがな。パーマネントAWD (全輪駆動)、ツインスピード・オートマチック・ギアボックス、センター・ディファレンシャル、オプションのアクティブ・ロッキング・リア・ディファレンシャルなど、柔らかい砂が舞う砂漠地帯から極寒のツンドラ地帯まで、あらゆる環境で優れたパフォーマンスを発揮するために必要なすべての機能を備えている。

新型「ディフェンダー」で新たに採用するコンフィギュラブル・テレイン・レスポンスでは、オフロード経験が豊富なドライバーが状況に応じて細かな車両設定が可能である。また、これからオフロードを楽しむドライバーも、インテリジェント・オート機能を利用して地形に合わせたモードをシステムに検出させることができる。

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新設計のボディ構造により、291mmの最低地上高(エア・サスペンション)と世界有数のオフロード・ジオメトリーを提供する。新型「ディフェンダー 110」のアプローチ・アングル、ブレークオーバー・アングル、デパーチャー・アングルはそれぞれ38度、28度、40度(オフロード走行時の高さ)を実現している。「テレイン・レスポンス2」の新たなウェイド・プログラムにより、最大渡河水深は900mmと、深い水域でもドライバーは自信をもって進むことができる。

乾いた路面では、まるでボンネットがないかのようにフロント下180度の視覚を確保する「ClearSightグラウンドビュー」が活用できる。通常ボンネットで隠れていて見えない前輪のすぐ前方エリアの映像を車内中央のタッチスクリーンに表示するもので、あらゆる状況に対応する新型「ディフェンダー」の能力を最大限に発揮することができるのだ。

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これらの機能により、新型「ディフェンダー」は走破能力を再定義し、険しいオフロードでの耐久性とオンロードでの快適性のレベルをさらに引き上げた。また、混雑した市街地をものともせず進むだけでなく、山を駆け登り、砂漠を横断し、そして凍てつくような寒さのなかを走り抜けていく。あらゆる地形に対応する研ぎ澄まされたハンドリングは、手応えのあるドライビングと、長距離走行において最高の快適性を提供してくれる。

ガソリン・エンジンまたはクリーンなディーゼル・エンジンを搭載する新型「ディフェンダー」だが、2020年にはPHEV(プラグイン・ハイブリッド)を追加予定だ。

英国での導入時は、高効率なMHEV(マイルド・ハイブリッド)テクノロジーを搭載した4気筒P300とパワフルな6気筒P400のガソリン・モデルをラインアップ。このほか、4気筒ディーゼル・エンジンはD200とパワフルなD240の2種類から成り、燃費は13.2km/L、CO2排出量99g/km(NEDC同等水準)を実現している。

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また、フラットなアンダーボディを採用し、空気抵抗を0.38Cdにまで抑えて車両の底面を保護するなど、革新的なエンジニアリング・ソリューションによって効率的なドライブをサポートしてくれる。

新型「ディフェンダー」は、短いフロントおよびリアのオーバーハングが優れたアプローチ・アングル、デパーチャー・アングルを実現するなど、ひと目で「ディフェンダー」とわかるシルエットに仕上げている。ランドローバーのデザイナーたちは、専用の直立フォルムをはじめ、ルーフ後方に取り付けた「アルパインライト」ウィンドウ、横開きのリア・テールゲート、外付けスペアタイヤなど、初代「ディフェンダー」の特徴を新たな形で取り入れ、21世紀仕様の最新の4×4に仕上げた。

ランドローバーのチーフ・デザイン・オフィサーであるジェリー マクガバンは次のように述べている。

「新型『ディフェンダー』は、これまでの歴史をリスペクトしながらも、過去に囚われてはいません。

まさに新時代にふさわしい新しい『ディフェンダー』なのです。独自のシルエットと最適化されたプロポーションが、他に類をみない個性を際立たせています。また、妥協のないデザイン、そしてエンジニアリングにより、視覚的にも人々を惹きつける4x4となり、購買意欲を掻き立て、傑出した走破能力をもったモデルを作り上げることができたのです」

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初代「ディフェンダー」のエッセンスはインテリアにも受け継がれており、通常は見えないように設計される構造物や装具をあえて露出させ、シンプルさと実用性を強調している。革新的な特徴として、シフトレバーをダッシュボードに取り付け、オプションで追加できる「ジャンプシート」がある。この「ジャンプシート」は初期の「ランドローバー」のようなフロントシートを3人掛けにすることができるものだ。

「ディフェンダー 110」は5シート、6シート(「ジャンプシート」選択時)、5+2シートから選択でき、2列目シート後ろの収納容量は最大1,075リットル、シートを倒した場合は2,380リットルまで拡張可能だ。

「ディフェンダー 90」の全長はファミリー向けのコンパクト・ハッチバックと同等のサイズとなる予定で、5人(「ジャンプシート」選択時は6人)まで乗車できる。

ユーザーフレンドリーな機能の1つに、ラバーフローリングがあげられる。耐久性の高いラバー素材は、あらゆる汚れを簡単に落として清潔な車内を保ってくれる。オプションのフォールディング・ファブリック・サンルーフをオプションで選択すると、屋根を開けた状態にすることができ、さらに「ディフェンダー 110」の2列目シートでは、停車時に立ち上がり、まるでサファリを訪れているような感覚を楽しむことができる。

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新型「ディフェンダー」には、ジャガー・ランドローバーの最新インフォテインメント・システム「Pivi Pro」を初採用している。次世代タッチスクリーンは、より直観的かつユーザーフレンドリーで、使用頻度の高いタスクを簡単に操作できるなど、ほぼ瞬時に応答する。

また新型「ディフェンダー」では、Software-Over-The-Air(SOTA)テクノロジーが進化し、リモートでアップデート情報を受信できる14の独立モジュールを搭載している。ドライバーが自宅で寝ている間や遠方にいる際にデータをダウンロードすることで、アップデート情報が次々と車両に転送され、迅速に、またランドローバーのディーラー店舗を訪れる必要もなく、車両の更新をし続けることができる。

ジャガー・ランドローバーのプロダクト・エンジニアリング担当エグゼクティブ・ディレクターである、ニック ロジャースは次のように述べている。

「新型『ディフェンダー』の驚異的な走破能力とミニマルで機能的なインテリアにより、ランドローバーを象徴するモデルが21世紀仕様に生まれ変わりました。新型『ディフェンダー』は、初代モデルのキャラクターと『ディフェンダー』らしさを損なうことなく、新たな手法にチャレンジし、限界を超えて、誰も思いつかなかったことを成し遂げる機会を与えてくれました。最適なマテリアルの選択から、最新のコネクティビティの採用まで、表には見えないものに対しても飽くなきこだわりをもって取り組んでいます。その結果、ランドローバー史上最高の走破能力を発揮するだけでなく、人々に愛される、本当に快適でモダンなクルマが誕生したのです」

英国での新型「ディフェンダー」は「90」と「110」の2種のボディタイプがあり、「ディフェンダー 90」は最大6シート(「ジャンプシート」選択時)、「ディフェンダー 110」は5シート、6シート(「ジャンプシート」選択時)、5+2シートから選択できる。グレード展開は製造開始から1年間限定の「FIRST EDITION」をはじめ、最上級の「ディフェンダー X」、そしてスタンダードモデルの「S」、「SE」、「HSE」を用意している。

さらに、それぞれ特徴のある厳選したオプションや機能を盛り込んだ4種類のアクセサリーパック(「EXPLORER PACK」、「ADVENTURE PACK」、「COUNTRY PACK」、「URBAN PACK」)もあり、ランドローバー史上最も多様なパーソナライズが可能となっている。

ジャガー・ランドローバーのチーフ・コマーシャル・オフィサー、フェリックス ブラウティガムは次のように述べている。

「新型『ディフェンダー』は世界で最も厳しい排出基準、安全基準をクリアしており、世界128のマーケットで販売予定です。先進技術と耐久性に優れた基礎土台を組み合わせ、新型『ディフェンダー』にしか見られない堅牢性と個性的なキャラクターを生み出しました。この新たな4x4は人々の冒険心や好奇心を満たすために開発しています。4つのアクセサリーパック、2つのボディタイプ、そして多種多様なオプションやアクセサリーを取り揃え、『ディフェンダー』はお客様のあらゆるライフスタイルにもマッチする最高の4×4になることができるのです」

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ランドローバーは、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のラッピングを施した「ディフェンダー 110」をフランクフルト・モーターショーで展示し、IFRCとの人道的なパートナーシップを強化していくことを発表した。「ディフェンダー」はIFRCの災害対応車両評価プログラムに活用されていく。

初めての特定用途向け「ランドローバー」が中東で移動診療所として活動を開始した1954年から、ランドローバーとIFRCは65年にわたってグローバル・パートナーシップを続けている。

ランドローバーは、その節目となる2019年、創設100周年を迎えるIFRCとさらなる3年間のパートナーシップを締結し、インド、メキシコ、オーストラリアなどで防災・災害対策の取り組みを支援していく。

世界のみんなが新型ディフェンダーを待ち望み、早く日本でも実車を見たいという気持ちがより高まったインターネット中継だった。

なお、トップギアで作成したディフェンダーの初見解説を下記につけておくので、ご参考まで。
G-Tune





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