2017年過去最高の売上を記録したマクラーレンがカーボン工場を新設

マクラーレンのDNAともいえるカーボンの専用工場

マクラーレンといえば、カーボン・コンポジットが思い浮かぶ人が多いはずだ。それもそのはず、マクラーレンがF1にカーボンファイバー製のシャシーを初めて導入したのは1981年であり、カーボンファイバーは長い間マクラーレンのDNAの一部となっている。マクラーレンでは、強靭で軽量な特性をもつカーボンファイバーを、レースカーでもスポーツカーでも一貫して使用してきた。

そのマクラーレンが、2019年からカーボンファイバー素材の製造を開始するヨークシャーのマニュファクチャリング・センターを開設し、お披露目会を行った。

2017年は過去最高の売上を記録し、合計3,340台の自動車をデリバリーしているマクラーレン。


マクラーレンには、3つのプロダクトファミリーがあるのをご存知だろうか。スポーツ、スーパー、アルティメットの3つだ。2017年は、この各シリーズでニューモデルが発表された。スポーツシリーズには570S スパイダー、スーパーシリーズでは650Sに代わって720Sが登場したほか、アルティメットシリーズではサーキット向けのマクラーレン セナが発表された。このように各シリーズでまんべんなく新商品を投入することが、売上好調につながったのであろう。

マイク・フルーウィットCEO

マイク・フルーウィットCEO

シェフィールドでまもなく竣工する、5,000万ポンド(77億円)が投じられたマクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センター(MCTC)では、マクラーレン・オートモーティブ最高経営責任者のマイク・フルーウィットが出席し、辺りが闇に包まれる中、ブランドのおなじみのマークが光に照らし出された。マクラーレン

 

クライマックスには先頃発表されたマクラーレン セナ ロードカーが「ドーナツ・ターン」を繰り返し、新たにオープンしたセンターの床に真新しいピレリ・タイヤのトレッド痕を残すことで、マクラーレンの流儀の「洗礼」を施した。

マクラーレン セナマクラーレン セナは、マクラーレンのハンドルを握って世界選手権を3度制した、ブラジル出身の著名なF1ドライバー、アイルトン・セナの名が冠せられたクルマで、ハロゲート出身のロブ・メルヴィルが設計を主導している。

そしてマクラーレン セナの横には、アイルトンが1989年にグランプリで勝利したときのマクラーレン MP4/5レースカーが当時の姿で並んだ。マクラーレンカーボン新工場イベントでは、新しいコンポジット・テクノロジー・センターの内部も初めて公開された。このセンターが稼働を開始すると、マクラーレンの第2の製造施設になるとともに、ウォーキング以外の地域で初めて開設される施設となる。すでに40人以上の従業員が、シェフィールド大学アドバンスド・マニュファクチャリング・リサーチ・センター内にある当施設に移っており、マクラーレン・カーの基部となる、軽量のカーボンファイバー製モノケージの製造に向けて取り組みはじめている。

マクラーレンカーボン新工場マクラーレン セナ

この工場がフル稼働すると、約200人がMCTCで働くようになり、スポーツカーやスーパーカーが手作業で組み立てられている、サリー州のマクラーレン・プロダクション・センターにカーボンファイバー素材が供給されることになる。

5年以上前にハイパーカーセグメントにおいて世界初のハイブリッドカーであるP1 TMを投入したマクラーレンでは、ハイブリッドと軽量素材の両分野で専門的な技術を開発し続けている。この2つの組み合わせはマクラーレンの性能をさらに向上させ、より厳しい環境規制への対応を可能にし、未来の自動車技術を開発する上での基礎となる。ビジネス・プランであるトラック22に基づき、マクラーレンでは、2022年までに、少なくとも半分以上のモデルにハイブリッド技術を導入するとしている。

マクラーレン・オートモーティブ最高経営責任者のマイク・フルーウィットは、次のように述べている。「本日は、マクラーレン・オートモーティブのすべてのメンバーにとって重要かつ感動的なマイルストーンの日となりました。今年後半に稼働を開始するマクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センターでマクラーレンのブランド・マークを正式に点灯できたことを個人的にも栄誉に思います。これにより、2,100名の従業員を擁する当社はさらに発展の勢いを増し、シェフィールドにて新たな雇用を創出いたします。シェフィールド地域は先端素材との関係が深く、これまでは鋼材の分野が有名でしたが、今後はカーボンファイバーのイノベーションおよび製造の分野でマクラーレンと深く関わっていくことになるでしょう」

シェフィールドの経済構造を、マクラーレンが変えてしまいそうだ。

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