道路を掘り返してEVを走らせろ:ホンダが挑む「走行中ワイヤレス給電」という途方もない狂気

EV普及の最大の足枷である充電時間と航続距離の不安。ホンダが大成建設らとタッグを組み、走行中にワイヤレスで電力を送り込む「走行中給電」の実証実験に乗り出す。最大150kW、20トン車まで対応するという壮大な計画だが、その裏には道路を掘り返し続けるという果てしない現実が横たわっている。

もしこれを成し遂げれば、EV(電気自動車)普及における最大の障壁のひとつが永遠に消え去るかもしれない。

ワイヤレス充電自体は何も新しい技術ではない。ポルシェは以前からこの技術に取り組んでおり、カイエン エレクトリックにはすでに据え置き型のワイヤレス充電パッドがオプションとして用意されている。だが、「走りながらのワイヤレス充電」となると話は別だ。それはまだ遠い未来の夢物語なのだろうか。それとも、すでに現実の足音が聞こえているのだろうか?

早くも2022年には、ステランティスが走行中の非接触誘導給電技術をテストしていると発表していた。そして今、ホンダ(そう、次世代EV計画の多くをご破算にしたばかりの、あのホンダである)が、建設大手の「大成建設」および道路舗装のスペシャリスト「大成ロテック」の2社とタッグを組み、この技術の開発を進めていることを認めた。

キャッチーにも「走行中給電技術(DWPT:Dynamic Wireless Power Transfer)」と名付けられたこのシステムは、ホンダが誇る高電力密度な受給電ユニット、大成建設の高応答DC(直流)電源システム、そして大成ロテックが持つ道路路面への機器埋設技術を融合させたものだ。

専門用語が並んで難解に聞こえるなら、こう捉えればいい。この技術は基本的に3つの主要コンポーネントで構成されている。1) 地上に設置されたDC電源システム、2) 道路内に埋め込まれた送電ユニット、3) 車両側に搭載された受電ユニット。道路の上を走るだけで、路面から発生する交番磁界が車側に電流を誘導する。理屈としては実に明快だ。

目標とする給電能力は最大150kW、対象車両の重量は最大20トンまで想定されている。つまり、日常の小型乗用車から長距離を走る大型商用トラックに至るまで、道路を走るあらゆるクルマをカバーする計算だ。

ホンダによると、2026年後半には耐久性、性能、そして安全性を検証するため、日本の埼玉県幸手市にある大成建設の「技術センター(Future Technology Field)」内にテスト走行用コースの建設を開始するという。その後、2027年春からは千葉県の館山自動車道において、実際の公道を使ったリアルワールドでの実証実験がスタートする予定だ。

メリットは計り知れない。航続距離の不安(レンジ・アンザエティ)を根底から解消し、既存の充電スタンド不足の問題に終止符を打ち、さらには車載バッテリーを今よりずっと小さく、安価なものにできる。だが、このシステムを普及させるには、既存のアスファルトを片っ端から掘り返さなければならない。それは途方もない時間と天文学的なコストを要し、ドライバーからの猛反発を買う大工事になることは明白だ。実に考えさせられる課題である。

トップギア ジャパン 075:ランボルギーニ レヴェルト SV / シビック タイプR & MT至上主義 / ホンダ Super-ONE vs アバルト 500e / スバル ブラタルー


海外の反応

「アイデアは最高だが、全国の道路を掘り返す工事費と渋滞を考えたら気が遠くなるな」
↑「しかも補修工事のたびにコイルを壊してやり直す未来が見える」
「F-ZEROの回復ゾーンが現実になるのか。胸は熱くなるが、税金がいくら投入されるのか見ものだな」
「自前のEV計画を白紙に戻したホンダが、道路インフラ側に活路を見出そうとしているのがなんとも皮肉だ」
「150kWで給電しながら走れるならバッテリーは今の1/3で済む。車重が軽くなってタイヤの減りも減る。あとは誰がインフラ代を払うかという問題だけだ」

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