テスラ 新型ロードスター市販版発表。SpaceXスラスターで空を飛ぶ狂気のスペック

限界突破などという生ぬるい言葉では足りない。テスラが発表した新型ロードスターの市販バージョンは、SpaceXの冷ガス・スラスターを搭載し、0-96km/h加速0.59秒を叩き出し、さらには「空を飛ぶ」という。もはや自動車の定義すら無視した、純粋な狂気のエンジニアリングの全貌に迫る。

テスラがついに新型ロードスターの市販バージョンを公開した。「オーマイガー」という驚きに混じって、「一体どういうことだ?」という困惑がかなりの割合を占めている。

現在、自動車系インターネット界隈はテスラ ロードスターの話題で持ちきりだろうが、テスラが過去9年間にわたり水面下で何を企んでいたのか、一度立ち止まって認識をすり合わせる必要がある。2014年に最初の構想が持ち上がって以来、そのタイムラインは不自然なほど迷走してきたからだ。

しかし、ついに市販車が姿を現した。そしてそれは、空を飛ぶ。おまけに天井を逆さまに走る。完全に馬鹿げているように聞こえるだろうが、テスラの開いた口が塞がらないデモイベントにおいて、フィクションは現実となったのだ。

我々はロードスターがテスラ セミ(※テスラのクラス8大型電気トラック)を飛び越えるキックフリップ(※スケートボードで板を空中で回転させるトリック)をキメ、逆さまに走り、首が折れるほどのスピードで0-96km/h加速をやってのけるのを目撃した。しかし、実際に購入できる車についての詳細はほとんど提供されなかった。だからこそ、このブリーフィングの出番というわけだ。

スペックの猛攻に備えてほしい。目を通すべき項目が山ほどある。ちなみに、Top Gearはテキサスでのライブイベントの前にこの車を見に行ったのだが、その時点でもまだ車は秘密のベールに包まれていた。目隠しまでされたのだ。ちょっと異様な雰囲気だった。

まず第一に、これは完全に新しい車両であり、以前のロードスター(※初代はロータス エリーゼをベースにしていた)とは何の関係もない。ボディはテスラらしく感じられるが、引き伸ばされ、インスピレーションの元となったロータス エスプリの現代的解釈とでも呼ぶべきフォルムを形成している。とはいえ、テスラ一族の血統であることははっきりと認識でき、その表面処理や曲面構成は、何か全く新しいものへと昇華されている。


「ロードスター(※屋根のない車)」なのか? いや、違う。だが、トランクに収納可能なTバールーフ(※中央に梁を残して左右の屋根を外す形式)を備えており、風を感じることはできる。上面のエアロダイナミクスは完全なアクティブ式で、フロントインテークの奥には可動式グリルがあり、フロントマウントのファンから熱気を排出する旋回式のボンネットベント、そしてフロントホイールアーチ内の過剰な圧力を引き抜くために前輪の後ろに展開するバージボード(※F1等で使われる整流板)を備えている。

リアウイングは後方および上方へ展開し、ロードラッグ(低抵抗)モードとハイダウンフォースモード、そしてエアブレーキ機能を備える。上位モデルにはアクティブ車高調整とスプールバルブ式アクティブダンパー(※F1由来の精密な減衰力制御技術。我々Top Gearは大好物だ)が装備される。そして……例の「ヤバい装備」だ。
基本的な構成として、全バージョンがロングホイールベースのカーボン製ボディを採用し、テスラがまだ正確な容量を明かしていない大容量バッテリーを搭載する。エネルギー密度は高いが化学組成としては従来型であり、テスラの最新かつ最高のセルが採用されている。

航続距離はモデルによって499-515km。トルクベクタリング(※左右の駆動力配分)を実現するため、リアアクスル内側に2基のモーターを搭載している。全車が後輪駆動(RWD)のみだ。最も軽量なベースモデルのロードスターは1,700kgを下回る見込みで、これは悪くない数字だ。そして全車が500kWの超急速充電に対応し、15%から80%までの充電を15分未満でこなす。だが、ここから先がさらに狂気を帯びてくる。
展開式のアンダースカートとリアバンパーの排出ファンが備わり、リアルタイムでグラウンドエフェクト(※車体下面の空気を吸い出して路面に張り付く力)を発生させる。文字通り、自らを路面に吸い付けるのだ。マクマートリー・スピアリング(※ファンカー技術で記録を破った小型EV)に少し似ている。さらに、オプションのチェックボックス次第では、トランクの代わりに200リットルの圧縮空気タンクを搭載し、車体後部の4つのノズルから圧縮空気を噴射するバージョンを選択できる。

これにより、タイヤのグリップに依存しない推力が発生し、0-96km/h加速0.85秒を実現する。1秒未満だ。ドラッグレース専用車でさえ困難な領域である。ただし、このタンクはわずか6秒で空になり、ステーションでの充填が必要になるため、完全に「一発勝負」の代物だ。

さらに正気の沙汰ではなくなる。「ロケット」バリアントは助手席を撤去し、さらに400リットルのタンクを追加(合計600リットル)。フロントとサイドにさらに6基のスラスターを追加する。これらは車を停止させたり、曲がらせたり(少なくともヨーを補正したり)するために展開できるほか、下に向けることで車を地面から離陸させ、空を飛び、そして優雅に再び着陸させることすら可能にする。理解が追いつくまで少し時間がかかるかもしれない。

要約しよう。実際には、ロードスターには4つのバージョンが存在する。標準の最高時速338km/hの「ロードスター」は、推定800kW(約1,088ps)の出力と約1,200Nmのトルクを発揮し、車体下部には「通常の」ベンチュリシステム(※空力デバイス)を備え、0-96km/h加速はおそらく2秒を切る。

「パフォーマンス」バージョンは、1メガワット(1,369ps)の出力と1,400Nmのトルクを誇り、グラウンドエフェクト用のファン、アダプティブサスペンション、その他いくつかの調整が加えられる。

「スラスト」バージョンには、あの狂気の0-96km/h加速を実現するための、4つのノズルを備えた200リットルの冷ガス・スラスターシステムが搭載される。

そして、限定生産の「ロケット」がある。フロントとサイドにさらに6つのスラスターノズルを備え、シングルシーターで600リットルのタンクを搭載……そして「飛行」する。これについてはテスラ自身もどれほど速いのか確信を持てていないようだが、0-96km/h加速0.59秒と見積もっている。「0.59秒」だ。

1メガワット級のモデルはすべて最高時速370km/hに達する(さらに483km/hに向けた開発も進められているようだ)。「標準」バージョンから「ロケット」への価格の上がり幅についてはまだ発表されていないが、数百万ドル単位(※数億円規模)の差を覚悟しておくべきだろう。

インテリアに関する限り、驚くほどまともだ。シートはヒップポイントが称賛に値するほど低く、肩周りの空間もゆったりとしており、手動調整式のバックレストが備わる。ステアリングコラムもペダルボックスも動くため、快適なポジションを簡単に見つけられる。ステアリングはヨーク型(※操縦桿のような形状)で、可変ギアレシオのバイワイヤ(※物理的結合のない電子制御)式。ブレーキも同様にデジタル制御だが、フィーリングは驚くほど正確だとテスラは保証している。彼らはこれを、可能な限り最高のスポーツカーにしたかったのだ。

中央にはやや大きめのスクリーンがあり、非常に優れたアニメーションが表示される(実に見事だ)。フロントガラスの下端には関連情報を提供する帯状のディスプレイが配置され、スカットル(※ダッシュボード奥)はずっと遠くにあるように感じられる。ドンガラにされたレーシングカーというよりは、GTカーに近い感覚だ。もっとも、助手席に400リットルの追加タンクが鎮座している状態では少し話が違ってくるだろうが。それはそれで、一度体験してみたいものだ。

しかし、ここでテスラがやっているのは、ただ限界を押し広げるためだけの「限界突破」だ。ロードスターが持つ能力の大部分は無意味でありながら、完全に人を魅了してやまない。純粋に、少し狂っている。

この車が内包するものを完全に消化して解明するにはしばらく時間がかかるだろうが、これはテスラにとっての「ヴェイロン モーメント(※ブガッティが常識外れの1000馬力超えマシンを実現させた瞬間)」のように感じられる。トップの人間がごく初期の段階で荒唐無稽な要求をぶち上げ、常識を弄ぶ自由を与えられたエンジニアやデザイナーたちが、それを現実のものにしてしまうのだ。

テスラ ロードスターは、いまだにおとぎ話のように聞こえるとしても、自らの力で現実にねじ込んだ「神話」である。それが真実だ。

=海外の反応=
「これについて2つも記事を出すのか? なぜだ? こんな車にこれ以上興奮しろって言われても無理だぞ」
↑「この殺人マシンは、億万長者が公衆の面前で見せた癇癪の末路だな…」
↑「泣き言を言ってるのはコメント欄の連中だけみたいだがな(笑)」
↑「『空を飛べて、レーザーを撃てて、ペットのドラゴンを飼ってる』。きっとマスクがトリップしてた時に要求したのはこんな感じだろう」
↑「彼らが主張するこの車の能力なんて、ほとんど市販されない方に賭けるね。サイバートラックと同じで、ただのマーケティング詐欺だ。おまけに見た目も醜悪ときてる」
↑「ベースモデル以外が公道を走る日が来るかは分からないが、だからなんだ? これはハローカー(ブランドを象徴する車)だ。メーカーがモータースポーツに注ぐ努力と同じだよ。F1でスーパーに買い物に行く奴はいない。企業は宣伝と『俺たちの技術を見ろ』って言うために作って走らせてるんだ」
↑「ハローカーだと言い張るのは勝手だが、マクラーレン W1やフェラーリ F80を見てみろ。あれは実際に生産されて公道に出てる。一方、テスラのロードスターは2017年に発表されて、いまだに公道にも出てないし、誰の手にも渡ってない。それにF1の技術は市販車にフィードバックされるから、単なる宣伝以外の理由もあるんだぞ」
↑「スラスターの技術がトリクルダウン(市販車への応用)されないなんてどうして言える? あんたたちみたいな間抜けでも、前に向けたノズルが事故防止に役立つことくらい想像できるだろうに。それに、前回発表されたロードスターの技術がすでに今のPlaidモデルに全部載ってるって説明を、ひねくれずにちゃんと聞いてたか?」
↑「まあ、せいぜい強がってろ」
↑「いや、これは馬鹿げてる」
↑「ここから完全な独裁体制になるまで、俺たちが思ってるより早いかもな…」
↑「ただただ異様だ。10年も開発してまだコンセプトカーみたいな見た目だし。2028年に生産? 期待しないで待つこったな」
↑「おそらく、カモを十分に集めて予約金を入金させ、その金を奪って逃げる魂胆だろう」
↑「ハハハハハハハハ。ウソつけ(ある程度の年齢の人には分かるだろうが…)」
↑「まったくもってナンセンスの極み。マスクがまだ、誰のためにもならない10代の夢を追いかけてるのを見るのはいい気味だ。馬鹿と金は使いようってやつだな…」
↑「俺にもそんな時期があったよ… ジャンプしたり、横転したりする車が欲しかった時期がね… 5歳の頃だけど」
↑「デモとしては面白いが、実用化されそうにないロケットのギミックで開発の無駄遣いをするより、もっと印象的な電動スーパーカーを作ることに注力すべきだったんじゃないか? 1300馬力で後輪駆動? 1700kgって重量が本当なら評価できるし、ファンも間違いなく価値がある。でも、文字通りロケットを括り付けでもしない限り、これが世界を打ち負かす車になるとは思えない。皆の手元に届く実際のバージョンが、YouTubeのドラッグレースで負けてる姿を見たらどう思うか…」
↑「標準版とパフォーマンス版なら、今のEVハイパーカーの立派なライバルになれるさ。それに、後輪駆動・2モーターで1300馬力ってのも、そこまで非現実的な話じゃない」
↑「ワオ。かなり凄いな。これを実現させたエンジニアたちに敬意を表するよ」
↑「悲しみが続くな ☝️👇」
↑「大いなる悲しみだ」
↑「スラスト版とロケット版はあまりにもギミック感が強すぎる。標準版とパフォーマンス版だけ気にすればいいんだ。この2つなら、リマック ネヴェーラやネヴェーラ R、ピニンファリーナ バッティスタやB95、ロータス エヴァイヤ、それにマクマートリー・スピアリング ピュアあたりとも真剣に勝負できるだろうからな」
↑「いやいや。現実的にMSP(マクマートリー)に勝てるものなんてないと思うぞ。まあ、サーキットではね。近所への買い物ならキア ピカントの方が勝つだろうが、このベーパーウェア(架空の製品)は何をやらせても勝てない。無意味さ以外はな。推測するに、結局作られもしないだろう。すべてのニュースチャンネル、そしてマスク氏やこのデタラメにすり寄った(いや、報道した)インターネット連中はお見事だよ」
↑「俺はイーロンの大ファンってわけじゃないが、これはマーケティングの天才だと思う。ロケットのギミックが大多数向けでも、公道向けでもないのは明らかだ。あれがやってるのは、人々の関心を引き、限界を押し広げ、そして何より、この退屈で悲しい世界に生きる人々を笑顔にすることだ。自分のやりたいことに金を使って楽しんでる姿を見るのはいいことだよ(マスクが他に何に金を使ってるかは無視するとして…)。車自体についても、これは(最近のM5が2トンあることを考えれば)『軽量な』後輪駆動の2シーターだ。まさにスポーツカーじゃないか。Top Gearのウェブサイトにいるほとんどの奴らが(動力が何であれ)求めてるものだろ。なんでこんなに否定的なコメントが多いのか理解できないね」
↑「コメント欄には場を白けさせる奴らが多いな。スーツを着た男が車のアンベールをするのを見る方がよっぽど楽しいんだろうな! 個人的には、技術の驚異を示す素晴らしいショーだと思ったよ。マスクみたいな人間は、人類の進歩のために可能性の限界を押し広げているのに、彼の富のせいで、嫉妬から抜け出せない奴らがいるんだ」
↑「ポルシェ ミッションSが示したように、子供が考えたような発表会じゃなくても車の発表はできるんだよ。俺はあれを見て、胡散臭いセールスマン(マスク)が『さあさあ皆さん寄ってらっしゃい見てらっしゃい! このロードスターはレーザーを撃てて空も飛べますよ!』って自分の商品を売り込んでるのに近いと思ったね。ロードスターは2017年に発表されて、10年経ってもまだ公道を走れるものになってない。マスクが限界を押し広げてるなんてコメディだし、人類の進歩とかハハハハ、本気か? 彼のEVはもう時代遅れで、ドイツや韓国のライバルに負けてる。SpaceXのロケット打ち上げなんて、普通の人が一生に出す有害な排気ガスよりも多いだろうよ。それで人類の進歩と限界への挑戦ねえ……。TomTom、お前はいい感じに彼を崇拝してる面白いコメントだったよ」
↑「2017年ならな。;-)」
↑「水面下で何かデカいことが起きようとしてる…投資に興味があるなら連絡しろ。稼ごうぜ。じゃあな」
↑「知るかよ!」
↑「ロードカーに複数の冷ガス・スラスター用の600リットルの高圧窒素タンクか。ローンチ専用パッケージ(200L)でも、フルパワーのローンチを1回やったら補充が必要になると言われてるのにな。SpaceX由来のロケットや宇宙船で使われてる技術としては印象的だ。だが、スポーツカーに積む? 実用性は疑わしいと思う。その一方で、約1,700kgの車体にメガワット級のドライブトレインを詰め込むのは、コンパクトなドライブトレインやバッテリーの統合、そして冷却方法などを考えても、かなりの工学的偉業だ。ただ、そのどれもがヨーロッパや中国のメーカーが既にやっていることを大きく超えるものではない。リマックは既にメガワット級EVパワートレインを実証してるし、BYDの製品は純粋なパワーやバッテリーの放電能力でさらに先を行ってる。それにマクマートリー・スピアリングもある。根本的なバッテリー技術は、中国や日本、韓国のメーカーが既に持っているものからそこまでかけ離れていないんだ」
↑「要するに、テスラのエンブレムを付けたマクマートリー・スピアリングってことだろ、俺の理解では。Top Gearがそう言ってるんであって、俺じゃないぞ」
↑「MSP(マクマートリー)は、このコンセプトカーのバッテリーと同じくらいの重さだと思うぞ。『俺を見ろ、俺を見ろ』って言ってるだけのコンセプトカーとじゃ、全く比較にならないね…」
↑「もし中国の自動車メーカーが似たようなプレゼンをしたら、『俺たち』はどう感じるだろうな? 主に仮定の話だが、伝統的な自動車メーカーも注目や威信を集めるためにこういうことをやり始めるんじゃないかと、心のどこかで恐れている。懐疑論はさておき、少なくとも動くモデルを1つ作ったエンジニアたちには敬意を表するよ。さあ、これから生産と需要がどうなるか見ものだな」
↑「大歓迎するね!」
↑「これの保険に入れるよう祈ってるよ」
↑「必要ない。存在しないんだから。仮想の車に仮想の保険か? まあそのうち来るだろうが、その前に俺が退屈で死んでいないことを願うよ」
↑「他のハイパーカーと同じくらい意味不明だ。つまり『無意味』ってこと。だが、その狂気を全部剥ぎ取って残るものは、テスラにしては悪くない見た目の車だ。スラスターもスピアリングみたいな吸入システムも、半分の電力すら必要ない。400馬力くらいのベースモデルなら俺のガレージに収まるし、何より日常使いできる。ほとんどのハイパーカーには言えないことだ」
↑「航続距離600マイルの綺麗な4シーターだった初期の構想の方が、よっぽど日常使いに適してた気がしてならないが」
↑「世界にはもっとイカれた車が必要だ。退屈な車はもう十分にあるんだから」
↑「そのほとんどがEVで、大半がSUVで、大半が中国製だ。それがイギリス人について何を物語っているかは、ここの立派なTop Gearの読者諸君の熟考に委ねるよ。頼むからそういうのを買うのはやめてくれ」
↑「完全に狂ったアイデアなのは分かってるが、テスラはサイバートラックであらゆる予想を覆した。もしこれを再び成し遂げられる奴がいるとすれば、それは彼らだ」
↑「サイバートラックは完全に販売不振に陥ってるのに、どの辺が『予想を覆した』んだ? ただの電動ピックアップトラックだぞ。フォードもGMも電動ピックアップを持ってる。このテスラとマスクへの阿諛追従は笑えるほど滑稽だ」
↑「イギリスのブリティッシュ・レイランドの製品でもないのに、あっという間に錆びたことで予想を覆したんだよ!」

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